- WindowsでもMacでも使えるフォントとしては「游ゴシック体」があります。
しかし、ちょっとした使い方の違いもあります。 - オープンソースフォントの「源ノ明朝」や「源ノ角ゴシック」をインストールして使うのがオススメです。
YouTube動画でも話しています。
1. パソコンの種類に依存しないフォントがほしい
これまでWordで作ったチラシ原稿をデザイナーに渡して、印刷用データを作成してもらっていました。Adobe Illustrator で校正してくれて、フォントもキレイに(ヒラギノ明朝)になっていました。
今後は予算の都合で、自分でチラシ原稿を作っていくことになったのですが、Wordで今までの印刷物とあまり遜色ないデータを作りたいです。
とくにフォント(MS 明朝)が野暮ったい印象です。
Windowsには、「ヒラギノ明朝」などは入っていないので、同じフォントにはできません。
とくにこだわりがなければ、フリーフォントの「源ノ明朝」・「源ノ角ゴシック」を選べば、どのパソコンでもフォントを追加して作業できます。
これまでの原稿では、Wordで一般的なフォント(MS明朝など)を利用していたわけですが、校正段階でより見やすいフォントに変更してくれていたようですね。
1-1. パソコンによって標準のフォントが異なる
案内文やチラシなどの印刷物を編集するときには、パソコンによって搭載フォントが異なるので、注意が必要です。
特に、フォントを設定したつもりがなくても、標準フォントになっています。
Windowsなら「MS 明朝」や「游明朝体」など、Macなら「ヒラギノ明朝」などです。
主に明朝体は本文、ゴシック体は見出しに使われます。
同等の字体をフリーフォントで探すなら、「源ノ明朝」・「源ノ角ゴシック」が定番です。
「MS明朝」「MSゴシック」はパソコン定番のフォントだけど、印刷物で使うにはやや使い古された印象だよね。
すっきりしたフォントがあると、いろんな場面で使いやすいよね。
「ヒラギノ明朝」などの商用フォントを後からパソコンに追加するには、かなり高価な製品版を購入する必要があります。
デザイン関係の仕事をしていないと、なかなかハードルが高いです。
一方、フリーフォントは、インターネットで検索すると たくさんありすぎて選びにくいですよね。
2. 源ノ明朝をダウンロードする
「源ノ角明朝」・「源ノ角ゴシック」は、GitHubで公開されています。
これらのフォントは、あまり字体の癖が強くないので、印刷物に幅広く利用できます。
「ヒラギノ」の代替案として、有望です。
多言語向けにたくさんの種類が用意されていますが、一般的な用途なら「Region-specific Subset OTFs」の「日本」を選択するとよいでしょう1。
圧縮フォルダ(.zip)に7種類の太さのフォントファイルがあるので、1つずつインストールしていきます。
「OpenType (.otf) フォーマット」は、1つのフォントファイルで多言語対応や高度な文字組版機能を実現する規格です。
源ノ明朝/源ノ角ゴシックは、このOpenType形式を採用し、さらに必要な言語だけを収録した軽量版(サブセット)も提供しています。
例えば日本語だけを使用する場合は「源ノ明朝JP」を選ぶことで、インストール容量を抑えながら快適に使用できます。
2-1. 【補足】源ノ明朝= Source Han Serif ≒ Noto Serif JP
「源ノ明朝」の英語名は「Source Han Serif」、「源ノ角ゴシック」の英語名は「Source Han Sans」です。
ちなみに、「源ノ明朝」・「源ノ角ゴシック」は、Adobe と Google がウェブ標準となるように共同開発したフリーフォントです。
Google からも「ほぼ同じ」字体が、「Noto Serif JP」・「Noto Sans JP」という名前で提供されています2。
3. 等幅・プロポーショナル・丸ゴシックの派生フォント
- 等幅の「源ノ角ゴシックCode」もあります3。
- さらに、源ノ角ゴシックの派生フォントとして「源真ゴシック」があります。
これは、TrueType 形式に変換して使いやすくしたフォントです。
プロポーショナルフォント(源真ゴシックP)も用意されているのが嬉しいです4。 - また、丸みを帯びた派生の字体に「源柔ゴシック」もあります5。
4. FAQ
4-1. Q. MacとWindowsで共通して使用できるフォントはある?
A. はい、MacとWindowsの両方で問題なく使用できるフォントには「游ゴシック体」「源ノ明朝」「源ノ角ゴシック」があります。
これらのフォントは、デザインの一貫性を保つために最適です。
特に「源ノ明朝」や「源ノ角ゴシック」は、AdobeとGoogleが共同開発したため、広範囲にわたる互換性を持っています。
4-2. Q. MacでWindowsのMS明朝やMSゴシックに近いフォントは何?
A. MacでWindowsのMS明朝やMSゴシックに代替するフォントとしては、「源ノ明朝」や「源ノ角ゴシック」がオススメです。
これらは、文書やデザインの見た目を保ちながらシステム間での互換性を提供します。
4-3. Q. WindowsとMacで「游明朝」フォントの違いは何?
A. WindowsとMacで「游明朝」フォントを使用する場合、微妙なレンダリングや書体の違いが生じることがあります。
これは、オペレーティングシステムによってフォントの扱いが異なるためです。
Windowsでは「游ゴシック」、Macでは「游ゴシック体」と表示されるなど、フォント名の扱いが違います。
(補足)
- より細かな違いは公式 Source Han ダウンロードガイドを参照してみてください。
- 両フォントは同じソースコードから生成されていますが、少し用途が異なります。源ノ明朝がデスクトップ用途を主目的としているのに対して、Noto Serif JPは、Web表示に最適化されたフォントです。総じて、源ノ明朝の方がデータサイズが大きく、これはより多くの漢字や異体字を収録し、精密な文字の輪郭制御のためのヒント情報が付けられているからです。逆に、Noto Serif JPは、Web表示に特化してデータサイズを抑えています。
- 等幅フォントの決定版「Source Han Code JP(源ノ角ゴシック Code JP)」 | SHADECO
- 源真ゴシック (げんしんゴシック) | 自家製フォント工房
- 源柔ゴシックは、フリーの OpenType フォントである「源ノ角ゴシック」を TrueType 形式に変換し、角を丸める加工を行い丸ゴシック風にした派生フォントです。 – 源柔ゴシック (げんじゅうゴシック) | 自家製フォント工房