- 「Developer Tools Access」は、macOSでソフトウェア開発向けにデバッグ情報などを収集するための機能です。
- ソフトウェアの不具合が発生したときに出てきますが、開発者でなければ許可してもあまり意味がありません。
- デバッグ用の強力な権限なので、システムからユーザー名とパスワードの認証を求めるメッセージが出て来るのです。
- ちなみに、このデバック権限をマルウェアに許可すると、セキュリティ上のリスクがあるので慎重に。
一般の利用者目線だと「不具合が発生した」と思えばいいんだね。
1. 「Developer Tools Access」
「Developer Tools Access」は、開発者がソフトウェアをデバッグするときに必要なmacOSの機能の一つです。
1-1. 基本的に開発ツールで使う機能
XcodeやVSCode、IntelliJ、Unityなどの開発環境では、「Developer Tools Access」は自動的にデバッグセッション中に必要に応じて呼び出されます。
- ソフトウェア開発でのパフォーマンス分析などを支援するための機能で、開発中のプログラムがシステムの他のプロセスにアクセスしたり、制御したりすることを許可します。
- 開発中のアプリケーションがクラッシュした場合や、特定のエラーが発生した場合に、デバッグに必要な情報を取得できます。
ただし、セキュリティ上の理由から、特定の操作を行うためには追加の認証が必要としています。
「Developer Tools Access」はそのアクセス権限を管理しています。
特に設定を変更する必要はありませんが、システムのセキュリティプロンプトに応じて適切な認証情報を提供する必要があります。
「プロセス間通信」とは、実行中の異なるプログラム(プロセス)が相互に情報を交換するための手段です。
デバッグ中には、エラーの原因を探るために、一つのプログラムが他のプログラムから情報を取得する必要がある場合があります。
これにより、プログラムが正しく動作していない理由を特定し、修正を行うことができます。
2. アクセス許可とユーザー認証
「Developer Tools Access」を有効にするには、macOSの「システム設定」の「セキュリティとプライバシー」を開き、「プライバシー」タブの「開発ツール」で設定します。
2-1. 「Developer Tools Accessが別のプロセスを制御しようとしています」
「Developer Tools Accessが別のプロセスを制御しようとしています」というメッセージが表示されたらどうすればいいの?
これは、開発ツールが他のプロセスを制御するための認証プロセスです。
一般の利用者の場合は、キャンセルして構いません。
実行しているプログラムの方に問題があるので、最新版にアップデートしたり、再インストールなどをすることで解決します。
Developer Tools Accessが別のプロセスを制御しようとしています
このメッセージでは、デバッグプロセスが他のプロセスにアクセスするための認証が求められています。
macOSにログインしているユーザーのパスワードを入力すれば、デバッグを続行できます。
逆に言うと、開発者でなければ、デバッグ情報を活かすことはできません。
キャンセルしてもよいです。
2-2. 【注意】不正なアプリケーションには許可しない
「Developer Tools Access」には、セキュリティ上のリスクもあります。
というのも、不正なアプリケーションがこの機能を悪用する可能性があるからです。
キーロガーのようなマルウェアが「Developer Tools Access」を利用してキーストロークを監視するケースが挙げられます。
マルウェアに権限を許可してしまうと、ユーザーが認証ダイアログにパスワードを入力した瞬間に盗み出してしまいます。
機能を許可するのは、信頼できるアプリケーションのみにしましょう。
2-3. macOSのアップデートとの関係
macOSをアップデートしたら急に出て来るようになったんだけど、どうして?
これまで問題がなかったプログラムが、macOSのアップデートを期に「Developer Tools Access」の問題が発生することがあります。
これは、新しいmacOSのバージョンで、セキュリティ機能が強化されたり、システムの内部構造が変更されたりするからです。
開発ツールがそれに対応していないと、問題が発生することがあります。
「Developer Tools Access」は、macOS上でのソフトウェア開発とデバッグにおいて不可欠な機能です。
この機能は、開発者はアプリケーションの問題を効率的に特定し、修正することができます。
しかし、この強力なツールを使用する際には、システムのセキュリティを常に意識し、適切な認証と許可プロセスを経ることが重要です。