- Gmailのフィルター機能は、単なる絞り込みツールではなく、強力な自動処理プログラムとして機能します。
- フィルターは、メールの移動、削除、ラベル付けなど、元のデータに変更を加える操作も含む「メール自動処理ルール」として働きます。
- うまく活用すると、自分のニーズに合わせてカスタマイズされたメール管理システムを作れます。
YouTube動画でも話しています。
1. 「フィルター」は単なる絞り込みではない
Gmailのフィルターは、単なる「絞り込み」ではありません。
「フィルター」は、メールに対して定義した条件で決めた処理を実行できます。
1-1. 「絞り込み」と「振り分け」の違い
電子メールの初期の頃から、不要なメールを振り分ける機能を「フィルター」と呼んできました。
ただし、検索による絞り込みとは違います。
フィルターには、メールの移動、削除、ラベル付けなど、実際に元データに変更を加える操作があるからです。
コーヒーフィルターのように、入ってくるメールを「濾過」するイメージで、必要なものと不要なものを「ふるいにかける」という基本的な機能を表しています。
同じ「フィルター」という機能名でも、元のデータを絞り込むだけのExcelなどとは違うんだね。
1-2. メールのバッチ処理
初期のフィルター機能は主に振り分けや削除といった単純な操作に限られていました。
しかし、時間とともに機能が拡張され、より複雑な処理が可能になりました。
フィルターの使い方は、2つあります。
ユーザーは特定の条件を設定し、それに合致するすべてのメールに対して、ラベル付け、移動、削除などの操作を自動的に適用できるのです。
このような複雑な処理を一括で適用することを「バッチ処理」といいます。
いわば、メール処理ロボットなんだね。
「バッチ処理(Batch Processing)」とは、複数のデータや作業をまとめて一括で処理する方法です。
「batch」には「一束」という意味があり、一度にまとめて処理される作業のことです。
事前に設定された条件やスケジュールに従って自動的に実行されます。
2. メール全体にバッチ処理を実行する
条件と処理の内容を組み合わせるとさまざまな用途に活用できます。
フィルター作成時に「一致するメッセージにフィルターを適用」オプションを選択すると、既存のメールにもフィルターの処理を適用できます。
ただし、大量のメールを一度に処理する場合、Gmailの処理に時間がかかる場合があります。
ちなみに、「〜通の一致するメッセージにフィルターを適用」というオプションは、「処理」に記録されているわけではありません。
後でフィルターを「編集」するときには、チェックが外れているのです。
フィルターのバッチ処理は逆操作ができないことには十分に注意が必要です。
たとえば、「既読にする」「ラベルを付ける」などはできても、「未読にする」「ラベルを外す」などは処理にないのです。
失敗すると元に戻せないのが難点です。
重要なメールを誤って削除しないよう、慎重にフィルター条件を設定することが大切です。
2-1. 古い広告メールを一括で削除する
このフィルターは2年以上前に受信したプロモーションカテゴリのメールをすべて対象とし、とりあえず「削除予定」のラベルを付けて確認します。
このときに「older_than:2y label:promotions
」の条件は、空白文字を入れる箇所に要注意です。
2-2. 「削除予定」のラベルのメールを削除する
このフィルターは、バッチ処理が完了したら削除する必要があります。
そうでないと、次のラベルを付けたタイミングで自動実行されてしまうからです。
2-3. 一括で既読にする
このフィルターは2か月以上前に受信した未読メールをすべて対象とし、それらを自動的に既読に変更します。
ただし、これから受信したメールが受信してから2か月後になっても適用はされません。
検索演算子は、今の時点を元に処理されます。