1. CalDAVはカレンダー共有の規格
「CalDAV(カル ダブ)」は、電子カレンダーに関する規格です。
CalDAVは、「Calendaring Extensions to WebDAV」の略で、「WebDAVのカレンダー拡張」を意味しています。
では、「WebDAV(ウェブダブ)」は? というと、「Web-based Distributed Authoring and Versioning」の略です。
ポイントは、Authoring and Versioningです。
予定表には、色んな人が書き込み、また変更を加えますよね。
電子カレンダーでも同じようなことができると便利です。
つまり、インターネットにつないだ、複数のコンピュータで、予定を追加したり、変更したりできるようにするために、データ形式を合わせる取り決めが CalDAV なのです。
Googleカレンダーの予定を、別の人にそのまま共有できるのも、このCalDAVのおかげです。
メール連絡の文章を読んで、カレンダーに予定を入れるのは二度手間です。予定そのものを共有してもらえば、「承認」するだけで自分のカレンダーに追加できます。
注意点として CalDAV でやり取りデータは暗号化されていません。一般的なHTTPを使用すると、スケジュール情報が途中で知られてしまう危険性があります。
通常アクセスするときは、HTTPSで暗号化して通信しています。
CalDAVとは、ネットでかんたんに予定を共有する仕組み。
2. iCalは共有される予定データの形式(.ics)
CalDAVでやり取りされるカレンダー情報の形式が、iCalendarです。
iCalenderのファイルは、.ics という拡張子のテキストファイルになっています。
iCalendarは、「The Internet Calendaring and Scheduling Core Object Specification」と呼ばれます。
The Internet … インターネットでの
Calendaring and Scheduling … 予定表と日程調整についての
Core Object Specification … 基本的なデータ仕様
iCalendarは、多くのスケジュール管理ソフト・システムで利用されています。
同じ形式のデータにすることで、違うコンピュータともやり取りできます。
似たような話に、MIMEというデータ形式があります。
これは、電子メールのやり取りで利用される形式です。
3. もう一つのiCal
紛らわしいことに、OS X Mountain Lion(2012年)以前は、Macの標準カレンダーソフトは、「iCal」という名称でした。現在は、「カレンダー」アプリと言われています。