なんか変なメッセージが毎回出てて、気になるんだけど。
これ、ほっといていいのかな?
パソコンの画面下に表示される、セキュリティのメッセージ。
どのように対処するのか、具体例でみてみましょう。
1. 無視できる注意もあります
画面下のタスクバーにある「Windows セキュリティ」のアイコンに、黄色の注意マーク(⚠)が表示されている場合があります。
もし、Windowsセキュリティのアイコンが表示されない場合は、展開ボタンをクリックすると確認できます。
- Windowsセキュリティのアイコンにマウスを合わせると、「Windows セキュリティ – 処置をお勧めします。」というメッセージが表示されます。アイコンをクリックすると、「設定」の「Windows セキュリティ」の画面が出てきます。
- 今回は、2つの項目の注意がありますが、「無視」をクリックしました。
えー! 無視しちゃって大丈夫なの?
もちろん、メッセージ内容によりますよ。今回の2つのメッセージの意味をみてみましょう。
2. ウイルスと脅威の防止にOneDriveを利用する?
まずは、左から。
「ウイルスと脅威の防止」の項目の中に「OneDriveのセットアップ」という項目があります。
ウイルスと脅威の防止
ランサムウェア攻撃を受けた場合に備えて、OneDriveのファイル回復オプションを設定します。
このメッセージの中の「OneDrive」・「ランサムウェア」について、それぞれ意味を考えてみましょう。
2-1. OneDriveはデータの保管場所
「OneDrive(ワンドライブ)」は、マイクロソフトが提供する、オンライン・ストレージ・サービスです。
マイクロソフトの会員になることで、インターネット上に無料のデータ貸倉庫を借りることができます。この貸倉庫のサービス名が「OneDrive」です。
基本的な使い方は、写真や文章などのデータを預けておくことです。
Windows 10には、OneDriveがパソコンの基本機能として含まれているので、マイクロソフトの会員(マイクロソフトアカウント)の登録をすれば、すぐに利用できます。
2-2. ランサムウェアってなに?
ふーん、貸倉庫ねぇ。ところで、「ランサムウェア」はなに?
「ランサムウェア」というのはコンピュータウィルス(※)の一種です。
「ランサムウェア」は相手のデータを勝手に使えないようにして、「解除するためにはお金を支払え」と要求するウィルスです。「ランサム(ransom)」というのは「身代金」のことです。
つまり、「ランサムウェア」を間違って実行してしまうと、データが開けなくなってしまうのです。
うわー、会計報告のファイルとかが開けなくなると悲劇ねぇ
細かいことをいうと、「コンピュータウィルス」とは「勝手に増える、悪質なプログラム」のことです。「勝手に増える」という特徴がなければ、「マルウェア(malware:悪いソフトウェア)」といいます。
malware = malice + software
「マルウェア」は「悪意のある(malice)」と「ソフト(software)」を組み合わせた言葉です。
「ランサムウェア」にかかるのは、なにかインターネットからプログラムをダウンロードして実行したときです。
そんなのやり方知らないよー
それなら大丈夫(*^^*)
「生兵法は大怪我の元」というか、少しパソコンに詳しい人ほど危険です。
例えば、「パソコンが劇的に速くなる」とか、「無料の音楽・映画をダウンロードできる」とか、そういう煽り文句で、よく知らないウェブページからソフトウェアを入れてしまうと、トラブルのもとですよ。
2-3. OneDriveのバージョン管理機能
OneDriveは「データの保管」以外に「データの共有」にも利用されています。
他の人と一緒にデータを編集するときに間違って消してしまうのは、心配ですよね。OneDriveには前のバージョンに戻すことができる「バージョン管理」という機能があります。
貸倉庫の中には過去のデータも全て保管してくれていて、必要に応じて戻すことができるのです。
このバージョン管理は、ランサムウェア対策にも有効です。もし、ウィルスによってデータがアクセスできないように暗号化されてしまっても、変更前のバージョンに戻すことができれば、データを失う事はありません。
2-4. OneDriveのセットアップを無視してもよい理由
ウィルス対策というと「ウィルスにかからないようにするウイルス対策ソフト」をイメージしますが、それだけではありません。実は、「適切にデータのバックアップを取っておく」ということも立派なウィルス対策です。データが開かなくなっても戻すことができれば問題ないのです。
そこで「データ保管」のための OneDriveが、セキュリティ対策にもなる、というわけです。
ただし、パソコンのデータをOneDriveにバックアップすると、OneDriveの容量が不足して、追加料金が必要になることもあります。
バックアップの方法は、なにもOneDriveに限りません。別のハードディスクに保存しておく、などでもよいわけです。自分でバックアップしている、あるいはとくに大事なデータがない場合は、この注意メッセージは「無視」できます。
あくまで「OneDriveという新機能のお勧め」なんだね
3. アカウントの保護
さて、2つ目のメッセージをみてみましょう。
そういえば、もう一個あったね…
アカウントの保護
強化されたセキュリティやその他のメリットを利用するには、Microsoftアカウントでサインインしてください。
これは単純に言うと「パスワード保護にはMicrosoftアカウントが便利だよ」という意味です。
出た!アカウント。
Windows10を利用するには、入り口として「アカウント」を作ります。「アカウント」は1つのパソコンを複数の人で使うためのもので、入り口とデータを保存する場所を分けるために使われます。
家族のパソコンに2つの入り口を作れば、それぞれお互いのデータを見られないで使えます。
Windows10のアカウントには、2種類あります。
- ローカルアカウント
- Microsoftアカウント
「ローカルアカウント」は、「パソコンのロック解除のためだけ」の入り口です。
「Microsoftアカウント」は発想が逆で、マイクロソフトの会員パスワードをパソコンのロック解除にも利用しよう、という方法です。パソコン起動時にMicrosoftアカウントのパスワードを入力する(サインイン)ので、Microsoftの提供するクラウドサービス(先ほどのOneDriveもその一つ)をそのまま利用できる、という利点があります。
これまで Windowsパソコンは「アカウントなし」→「ローカルアカウント」→「Microsoftアカウント」へと移行してきています。Windows10では半数以上(体感ですが…)がMicrosoftアカウントを設定しているように感じます。
3-1. パソコンにパスワードがない?
うちのパソコンにはパスワードはないよ。面倒だもん。
パソコンが詳しくないと、購入時にパソコンの初期設定を依頼すると思うのですが、このようなパソコンはパスワードが設定していない場合が少なくありません。これは、「ローカルアカウント」でパスワードが「なし」という状態です。
- アカウントの種類…ローカルアカウント
- パスワード…なし
電源を入れるとすぐにパソコンが使えるという便利な反面、もし 誰かが悪用しようとすると、すぐに使われる心配があります。その点、Microsoftアカウントなら、必ずパスワードが必要です。
先ほどのメッセージは、そういう意味で「全くセキュリティなしは危険性があるので、ちゃんとパスワードを指定しておいた方がよいですよ」ということなのです。
3-2. アカウントの保護を無視してもよい場合
でも、パソコンはたまに印刷する時ぐらいしか使わないしなぁ……
パソコンはパスワードでロックしておく方がよいです。しかし、年に数回しか使わない方で、とくに重要なデータもない、というケースでパスワードをつける必要はない場合もあるでしょう。
個人が使っていて、パソコンは自宅で管理していて、重要なデータがない、ということであれば、実用上は「パスワードを指定しない」という選択も成り立ちます。
そのような場合は、このメッセージを「無視」することができます。
4. まとめ:たまにしか使わないパソコンほどメッセージがたまっている
今回説明した2つのメッセージは、ともに新機能の紹介です。
Windowsは1ヶ月に2回ぐらいのペースで、機能を追加したり、セキュリティを強化しています。これを、Windows Update(ウィンドウズ・アップデート)といいます。
しかし、使っている人が新機能を使わなければ、せっかくの更新もほとんど意味がなくなってしまいます。実際、「セキュリティの通知」が表示されるパソコンは、たまにしか使われていないことが多いです。
とはいえ、「OneDrive」とか「Microsoftアカウント」とか、こういう新機能は、はじめて目にする単語ばかりです。心に余裕がないとなかなか難しいですが、見慣れない単語はぜひインターネットで一度調べるようにしてみてください。
こまめに調べて、こまめに利用してみる。
このようにすることでパソコンは安心して使うことができるのです。
やっぱり使わないとダメなのね…
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