- パソコンのブラウザには、インターネット広告をブロックする「拡張機能」が配布されています。
- しかし、「広告ブロッカー」と一口に言っても、AdBlockやuBlock Originなど様々な種類があり、運営の考え方も異なります。
- uBlock Originはオープンで効率的な広告ブロッカーとして人気があります。
- 広告ブロッカーは、セキュリティやプライバシーに大きく関わるので、信頼できるものか定期的にチェックする必要があります。

ちいラボのサイトはGoogle AdSense広告によって収益化しているため、広告ブロッカーの話は「利益相反」ではあります。
しかし、騙すようなネット広告が氾濫すると、防衛策として「広告ブロッカー」の仕組みを理解していく必要性が増してきた気もします。

変な広告ブロッカーを入れて、セキュリティの被害にならないようにだけ気をつけてね。

このサイトでは全画面の広告などは出さないように管理しているので、ぜひ、広告ブロックから「除外(ホワイトリスト)」していただけると嬉しいです。
1. 広告ブロッカーの信頼性はさまざま
最近のインターネット広告はしつこいです。
情報が読みにくいだけでなく、パソコンでタブを開いていると重たくなります。
これは、広告データの通信によって表示が遅くなったり、ブラウザの使用メモリが異常に増えたりするのが一因です。
「広告ブロッカー」は、ウェブサイトの邪魔な広告を消すツールです。
しかし、広告ブロッカーにもいろいろな種類があるので、どれを選ぶかが重要です。

なんとなく検索して出てくるものを入れると、セキュリティが脆弱だったり個人情報が盗まれたり、という「危険の温床」になってしまうこともあります。

え?
親切な人が便利なものを配ってくれてるだけで、「裏の収益化」とか考えたことがなかったよ。
2. 「古い」AdBlockと「新しい」uBlock?
ブラウザ拡張機能として提供される広告ブロッカーでは、「AdBlock」や「uBlock」が有名です。
「AdBlock」は昔からある広告ブロッカー。
多くの人に使われてきたため、インターネットでも情報が多いです。
でも、最近はあまり更新されず、新しい広告に対応できなかったり、プライバシーの面で心配な点があったりします。
一方、「uBlock」は比較的 新しい広告ブロッカーです。
uBlockは「オープンソース」で、誰でも中身を見られるようになっています。
広告ブロッカーは、ほかにもあります。

名前は似ていますが、それぞれ全然違うものなんですよ。
だから、どの広告ブロッカーを使うか選ぶときは、よく調べてから決めることが大切です。
2.1. AdBlockの「許容可能な広告プログラム」とは?
AdBlockは、2000年代初頭に登場した最も初期の広告ブロッカーの一つ。
煩わしい広告をフィルターリストを使用してブロックします。

「広告(ad)をブロック」だから、名前もわかりやすいよね。

AdBlockの成功を受けて登場したのが、「AdBlock Plus(ABP)」。
AdBlock Plusは、ユーザーがカスタマイズ可能なフィルターリストを使用して広告をブロックできる機能を提供しました。
AdBlock Plusの収益モデルは、主に「許容可能な広告(Acceptable Ads)」プログラムを通じて成り立っています。
このプログラムは、特定の広告をブロックしないことで収益を得るモデルです。
月間1000万以上の追加広告表示を得る大企業に対して、「許容可能な広告」リストに掲載する代わりに課金しています。
具体的には、ホワイトリスト掲載によって生じる追加収益の約30%を徴収しています。

言い方が悪いかもしれないけど、「広告表示を妨害しない代わりにお金をよこせ」と。
2.2. AdBlockの互換フィルターリストのリスク
また、AdBlockの互換フィルターリストには、セキュリティ上のリスクとなる可能性があります。
JavaScriptが書けるため、変なフィルターリストを入れると悪用される危険があります。
3. uBlockとuBlock Originも全然違う
uBlockは、2014年、Raymond Hill(別名gorhill)によって開発されました。
uBlockは、AdBlockに比べて軽量で効率的な広告ブロッカーを目指して設計されました。

しかし、uBlockプロジェクトは寄付金の管理や開発方針の違いにより、2015年、Raymond HillからChris Aljoudiに譲渡されました。
Aljoudiは、商業化志向で uBlockを譲り受けた後、ublock.org というウェブサイトを立ち上げ、「寄付」を募り始めました。
一方、元の開発者 Raymond Hill はすぐに uBlockから分岐させた 「uBlock Origin」として独自の開発を続けました。
3.1. uBlockはAdblock Plusに買収された
しかし、Aljoudiの商業化路線はオープンソースのコミュニティと軋轢を生み、プロジェクトの開発は停止してしまいます。
最終的に、uBlockは Adblock Plusの開発元であるEyeo GmbHの子会社に買収されました。

uBlockのビジネス路線は、既存企業に吸収されてしまったのかぁ。
「広告ブロッカー」はビジネスと相性が悪いんだね。
3.2. uBlock Originとコミュニティ
uBlock Originは、広告ブロッカーとして非常に優れた特徴を持つブラウザ拡張機能です。
uBlock Originは単なる広告ブロッカーではなく、「広域コンテンツブロッカー」として機能します。
広告以外のコンテンツも柔軟にブロックできる機能を持っています。
uBlock Originはコミュニティのサポートが強く、「寄付」を受け付けていません。
完全にオープンソースで、コミュニティによる監視と貢献が可能です。
| 特徴 | uBlock Origin | uBlock |
|---|---|---|
| 開発者 | Raymond Hill | Chris Aljoudi (後に放棄) |
| オープンソース | 完全にオープンソース | 部分的にオープンソース |
| 開発の継続性 | 活発に開発中 | 開発停止、その後買収 |
| 広告ブロック方針 | 完全ブロック | 不明確 |
| コミュニティサポート | 強い | 弱い |
| 寄付の受け入れ | 拒否 | 不明 |
| プライバシー保護 | 強い | 不明確 |

広告ブロッカーの歴史において、AdBlockは初期の広告ブロッカーとして広く普及し、ユーザーに広告ブロックの利便性を提供しました。
一方、uBlock Originはその後継として、より効率的で強力な広告ブロッカーを提供し、オープンソースコミュニティの支持を受けて進化を続けています。
4. uBlock Originにもリスクはある
uBlock Origin自体はオープンソースであり、コードの透明性が高いです。
しかし、危険や注意すべき点がないわけではありません。
4.1. 偽物が出回っている
まず、一番のリスクは「偽物」。
uBlockをダウンロードしようとしてインターネットで検索すると、別のサイトが検索結果に出てくることが少なくありません。そこで偽物をダウンロードしてしまうリスクがあります。

ublock.orgも「uBlock Origin」と同じではないのが注意だよね。
「本家八つ橋」と「元祖八つ橋」みたいな。
また、ややこしいことにChromeウェブストアでは、uBlock Origin自体にも「非推奨」の警告が付いています。
この拡張機能は、Chrome 拡張機能のベスト プラクティスに沿わないため、まもなくサポートされなくなる可能性があります。[詳細]
https://chromewebstore.google.com/detail/ublock-origin/cjpalhdlnbpafiamejdnhcphjbkeiagm
これは、Google Chromeは、Manifest V2ベースの拡張機能を廃止し、Manifest V3に移行する計画を進めているからです1。
uBlock Origin(uBO)は、Manifest V2ベースの拡張機能なので、警告メッセージが表示されるようになりました。
Googleは2025年6月までに移行を完了する目標を掲げています。
Manifest V3に準拠するものとしては、uBlock Origin Lite(uBOL)があります。
uBlock Originの軽量版として開発されています。

Googleから「目の敵」にされているのかな。
4.2. ボランティアによる開発
次のリスクは、uBlock Originが開発者の善意によって開発・維持されていることです。
長期的な視点では、サポートやアップデートが途絶えるリスクがあります。
たとえば、ユーザーからの無茶な要望が多かったりしても、開発者が減ってしまう要因になります2。
また、オープンソースでコミュニティによって支えられていますが、特に元の開発者の比重は大きいです。
もし、Raymond Hill が突然開発をやめてしまったら、更新が止まってしまう可能性もあります。

とはいえ、コミュニティの動向を定期的に確認するようにしていれば大丈夫でしょう。

たまに「uBlock Origin ニュース」とかで検索して、不穏なニュースがないか調べればいいんだね。
良くも悪くも「チャリティ」の難しさなのかなー。
4.3. カスタムリストやカスタムルールの精査
もう一つのリスクは、ユーザーが追加する「フィルタリスト」や「カスタムルール」です。
uBlock Originでは自分で広告をブロックするルールを追加できます。
また、他の人が作ったルールをインターネットからダウンロードすることもできます。
しかし、もし、悪意を持って作られたルールだと、個人情報が盗まれてしまうかもしれません。

便利な機能ですが、間違ったルールを入れてしまうと、危険なサイトを開いてしまう可能性があるんです。
uBlock Originは、もともとコミュニティで管理している信頼できるフィルタリストを使っています。

とりあえず、信頼できるフィルタリストだけで使ってみるのがよさそう。





(補足)
- Chrome、uBlock Originに利用停止を促す警告を表示するように — ユーザーが混乱、開発者が理由を説明する事態へ – TechFeed
- 「uBlock Originのチームメンバーは全員ボランティアなので、限界があります。ある時点で、要求の多さに耐えきれなくなって、彼らはuBlock Originを永久に去ってしまいます」 – 広告ブロッカー「uBlock Origin」がもうすぐYouTubeの「アンチ広告ブロッカー」に白旗か、たった2人のボランティアが無知なユーザーの害悪コメントで疲弊 – GIGAZINE




