- 「バーチャル高校野球」は、高校野球の総合情報サイトで、多くの試合の中継動画が無料で配信されています。
- 日本地図で県を選び、日付を選び、試合カードのボタンを押す。
この3手で目的の試合にたどり着けます。 - 2026年の第108回大会では、甲子園の全国大会の全試合と全国49の地方大会3,000試合超が動画で見られます。1日に150球場以上が同時に配信されていて、映像は全国の系列局やケーブル局が撮っています。
- 朝日新聞社と朝日放送テレビが運営し、「スポーツブル」というスポーツメディアの中で展開されています。
自分の県の1回戦がスマホで見られます。
プロ野球やサッカーのワールドカップなどは、DAZNやNetflix、Abematvなどの有料の配信サービスへの加入が必要だったことを考えると、ずいぶん贅沢なことが普通になりました。
- 【夏の高校野球|地方大会】バーチャル高校野球 | スポーツブル(スポブル)
- スポーツブル(スポブル)(Playストア/AppStore)
1. 「高校野球」と調べたら、一番上に出てきた



スマホで「高校野球」と検索したら、結果の一番上に「バーチャル高校野球」というページが出てきました。 ニュースのまとめページだろうと思って開いたら、その日の試合の映像がそのまま流れていた。 富山大会の準決勝、富山商対富山第一の一回表です。
甲子園の中継ならテレビでやっている、と思うところですが、これは地方大会です。 しかも準決勝や決勝だけではなく、1回戦から全部。 2026年の第108回大会は、6月13日の沖縄大会を皮切りに、49の地方大会で3,000試合を超える全試合が無料でライブ配信されています1。

運営は朝日新聞社と朝日放送テレビで、サイトの実体はスポーツブル株式会社の運営する「SPORTS BULL(スポーツブル)」の中にあります。 KDDIが協力していて、同じ「バーチャル高校野球」がスポーツナビ側でも展開されています2。 入口がいくつもあるので、検索から入ると自分がどのサイトを見ているのか少し分かりにくい。
1.1. 26試合から3,434試合になるまで

最初の配信は2015年7月19日、第97回大会の沖縄大会決勝でした3。 このときの地方大会の配信は26試合だけ。 全国大会の48試合と合わせても、74試合です。

2018年にスポーツブル内での展開が始まって、配信数は約700試合に増えました4。 2021年には全試合配信を目指すプロジェクトが立ち上がり、2022年にはスポーツナビでも配信されるようになります。 そして2023年、49の地方大会で3,434試合、全国大会48試合という「1回戦から全部」がついに実現しました。
この2023年の合計3,482試合は、単一のスポーツ選手権をプラットフォームでライブ配信した試合数として、ギネス世界記録に認定されています5。 無観客試合が続いたコロナ禍が配信需要を押し上げた、という事情もあったようです。 8年で26試合が3,434試合になった。
2. 日本地図から自分の県の試合にたどり着く

トップページを開くと、日本地図が出てきます6。 都道府県の枠に色がついていて、オレンジが準決勝、赤が決勝、水色が代表校決定。 枠の左上の丸い数字は勝ち残り校数で、16、8、4、2と減っていきます。



見たい県をタップすると、その県の大会ページに移ります。 「速報・結果」「組み合わせ」「ニュース」の3つのタブがあって、最初に開くのは速報・結果です。 その下に7月のカレンダーが並んでいるので、日付を選ぶ。
日付を選ぶと、その日の試合がカードで縦に並びます。 試合中のカードには赤い「ライブ配信」ボタンがあって、押すと映像が始まります。 横に「打席速報」のリンクも付いていて、こちらは文字と図だけの速報です。
過去の試合をさかのぼりたいときは「組み合わせ」タブ。 1回戦から決勝までがタブで分かれていて、トーナメント表がそのまま出てきます。 勝敗のついた試合には「見逃し」と「試合詳細」のボタンが並ぶので、終わった試合はここから探すのが早い。
2.1. 一球ずつ残る打席速報

試合詳細を開くと、スコアボードの下に「打席結果」という欄があります。 1回表から順に、打者ごとの結果が全部残っている。


たとえば「山岡陽、見逃し三振、アウト」の下に、ストライク、ボール、ボール、ストライク、見逃し三振と5球分が並び、それぞれに0-1、1-1、2-1、2-2、2-3とカウントが添えられます。 右側には内野と外野を模した図があって、ゴロなら打球の方向が点線で引かれる。 ボール、ストライク、アウトのランプも一緒に描かれます。
音を出せない場所にいるときや、通信量を使いたくないときは、こちらだけ追うという手があります。 2026年の大会では、この打席速報が3,000試合以上でリッチ化され、前の打席までさかのぼれるリプレイ機能も追加されました7。
2.2. 見逃し動画とアプリの機能

見終わった試合は、県のページ上部にある「見逃し動画」から探せます。 一試合まるごとが無料で見られますが、全試合ではなく対象試合だけ。 どの試合が対象かは、専用の一覧ページで随時更新されています8。

スマホアプリには、ブラウザにない機能が4つあります9。 好きな地域や高校を登録しておくとトップが並び替わり、試合開始がプッシュ通知で届く。 動画のブックマーク、ピクチャーインピクチャーでの「ながら見」、視聴後のおすすめ表示もアプリ限定です。
映像の下にはコメント欄があります。 学生スポーツの応援コミュニティ「ANYTEAM」と連携した応援メッセージ機能で、2023年の夏には8万件が投稿されました10。 球場に行けない人が集まる場所になっている。
3. 1日150球場を同時に配信している

富山大会の映像には「映像提供:ケーブルテレビ富山」と小さく書かれていました。 滋賀大会の見逃し動画には、びわ湖放送のロゴが入っています。 朝日放送テレビが全国を撮って回っているわけではなく、各地の系列局とケーブル局が分担して撮り、それを集めて配信しているわけです11。
これはURLにも表れていて、富山の配信ページには toyama_ctt_toyamashimin、滋賀には shiga_bbc_oujiyama という文字列が入っています。 県名、放送局、球場名の並びです。 東東京の神宮球場は jcomty で、J:COMが入っている。
試合が行われる球場は全国で約230。 1日に試合がある球場は150を超えます。 同時に配信した球場数は2020年に45だったのが、2021年に100、2022年に152、2023年に156と増えました12。
3.1. 現場は映像をつないでネットに乗せるだけ

球場の数が増えると、機材と人の問題が出てきます。 配信に使うエンコーダは毎年新しい機種が出て、球場ごとにばらばら。 現場にいるのも、映像に詳しくてネットワークに詳しくない人、その逆の人、どちらも初めての人と、まちまちです。
朝日放送グループがこれをどう解いたかというと、現場の担当範囲を削る方向でした。 配信基盤は2021年からAWS Elemental MediaLiveに移り、本線と予備の2系統を走らせて、トラブル時に自動で切り替わるようにしています13。 さらにAWS Elemental Linkという小さな装置を球場に置くことで、エンコーダの設定をクラウド側から一括で管理できるようにしました。
こうなると、球場の担当者がやることは映像信号をつないで、インターネット回線につなぐところまで。 設定もトラブルの切り分けも、東京のクラウド側で完結します。 以前は電話とメールでやりとりしていた球場ごとの進行状況も、ACOMSという管理システムに集約されました14。
KDDIの側では、地方球場の通信ネットワークの整備を担っています15。 テレビ中継が入るのは県庁所在地の大きな球場だけ、という状態は長く続いてきました。 その外側にある球場に回線を引くところから始めないと、1回戦は映らない。
雨で順延すれば、その日の配信計画は組み替えになります。 それでも全試合が並ぶのは、球場の数だけ人が立っているからです。
(補足)
- 全国大会も8月5日の甲子園開幕から全試合が無料ライブ配信される予定で、一部の大会では組み合わせ抽選会の模様も配信されます。 – 第108回全国高校野球選手権大会「SPORTS BULL」内「バーチャル高校野球」で、地方大会の全試合を無料ライブ配信
- スポーツナビ版はLINEヤフーが運営し、応援する学校をフォローすると試合開始や結果がアプリに通知される機能が用意されています。 – 第108回全国高校野球選手権大会 スポーツナビ内「バーチャル高校野球」で、地方大会の全試合を無料ライブ配信!
- サービス開始時の告知では、地方大会は決勝約20大会、全国大会は全試合の配信を予定し、中継カメラとピッチャーカメラとバッターカメラを切り替えるマルチアングル機能や、視聴者が好きな場面を切り出せるハイライトジェネレーターが目玉として挙げられていました。 – 「バーチャル高校野球」サイト、7月から提供開始
- 朝日放送テレビは10周年の発表で、2015年の地方大会の配信が計26試合だったこと、2021年に朝日新聞社と朝日放送テレビ、運動通信社、KDDIの4社で地方大会全試合配信を目指すプロジェクトを立ち上げたことを挙げています。 – 「バーチャル高校野球」が10周年! WBSC U-18野球ワールドカップのライブ配信が決定!
- 認定は2024年で、朝日新聞社、朝日放送テレビ、運動通信社、KDDIの4社に公式認定証が授与されました。 – 「バーチャル高校野球」が、ギネス世界記録™に認定!昨夏の第105回全国高校野球選手権記念大会で3,482試合配信を達成。公式認定証授与式を開催
- 日本地図の隣には「カレンダー」の切り替えがあり、日付から入って全国の試合を横断的に探すこともできます。 – 【夏の高校野球|地方大会】バーチャル高校野球
- 打者ごとの最新の打席結果と塁の状況、打球方向を図で表示する形式で、パソコンと「スポナビ 野球速報」アプリが対象です。 – 第108回全国高校野球選手権大会 スポーツナビ内「バーチャル高校野球」で、地方大会の全試合を無料ライブ配信!
- 対象試合は一試合まるごとを無料で視聴でき、試合の追加にあわせて一覧が更新されます。 – バーチャル高校野球2026見逃し動画 対象の試合一覧
- 「あなたの注目試合機能」「ブックマーク機能」「ピクチャーインピクチャー機能」「関連動画表示機能」の4つで、見逃し動画が公開されたときの通知もブックマークから受け取れます。 – 第108回全国高校野球選手権大会「SPORTS BULL」内「バーチャル高校野球」で、地方大会の全試合を無料ライブ配信
- KDDIの担当者は、試合中に応援メッセージが流れることで視聴者同士の一体感が生まれると話しています。 – 全国の球児たちをKDDIが応援!バーチャル高校野球
- 朝日放送グループの技術担当者は、サービス開始後に全国の系列局やケーブル局の協力を得ながら配信規模を年々拡大してきたと説明しています。 – 1日最大150球場超!大規模配信を支えるバーチャル高校野球ライブ配信技術の舞台裏
- 地方大会は6月中旬から7月末にかけて47都道府県49大会で行われ、試合が行われる球場は全国で約230にのぼります。 – 1日最大150球場超!大規模配信を支えるバーチャル高校野球ライブ配信技術の舞台裏
- 2015年の開始当初はオンプレミス設備での配信でしたが、柔軟にスケールアウトしにくいことが課題となり、東京リージョンの2つのアベイラビリティゾーンにまたがるstandard channelでの冗長構成へ移行しました。 – 1日最大150球場超!大規模配信を支えるバーチャル高校野球ライブ配信技術の舞台裏
- ACOMSはAsahi Communication Systemの略で、試合スケジュール、協力局の担当者や配信球場の情報、配信テストの調整、運用ステータスの管理をAWS上でまとめています。長いオフシーズンは構成を最小限に落として費用を抑えられる点も、クラウドを選んだ理由に挙げられています。 – 1日最大150球場超!大規模配信を支えるバーチャル高校野球ライブ配信技術の舞台裏
- KDDIはJ:COMと連携して配信に携わり、グループ会社のKDDIエンジニアリングがネットワークの整備と品質面を支えたと説明しています。 – 全国の球児たちをKDDIが応援!バーチャル高校野球



