- Gmailでは他のメールアドレスをIMAPで設定し、一つのインターフェースで管理できます。
- 設定には認証情報やサーバー情報が必要で、ラベル機能を使うと整理しやすくなります。
- 送信機能を追加するにはSMTP設定を行い、不要になった場合は設定から削除できます。
1. Gmailにほかのメールアドレスを追加する設定とは?
Google Workspace で Gmail を使っています。
Gmail にほかのメールアドレスを設定して使う方法があるようなのですが、どうやって設定したらよいですか?
パスワードやメールサーバなどは書類で用意されているのですが、設定の仕方や意味がわかりません。
2. Gmailの設定で gmail.com 以外のメールを使う

そもそも、このGmailの設定は何のためのものなの?
Gmail(オンライン版)で閲覧できるのは、「〜@gmail.com」というメールアドレスに届くメールだけではありません。

例えば あなたが会社のGmail アカウントと、プライベートで使っている別のメールを1つのGmailインターフェースで確認・管理できるようになります。
2-1. Google Workspaceアカウント(独自ドメインのGmail)
一つは、Google Workspace。
Google Workspaceは、企業や学校などの組織で契約するサービスで、独自ドメインで従業員や学生にメールアドレスを与えることができます。
Google WorkspaceのアカウントでログインしてGmailを表示すると、受信したメールを確認したり、メールを作成して送信したりできます。

Google Workspaceのアカウントは、一般の個人向けGoogleアカウントとは異なり、組織専用のドメイン名(例:yourname@yourcompany.com
)でメールやその他のGoogleサービスを利用できるようになります。
2-2. IMAPを使って別のメールアドレスから取得する(メール確認)
もう一つは、Gmailを別のメールアドレスの「メーラー」として使う設定があります。
そのためには、別のメールサービスのアカウント(Yahoo!メールやOutlookなど)の設定で、IMAPを使ってメールを取得します。

IMAPの設定はややこしいけど、「メール転送」とはどう違うの?
メール転送とIMAPを使った他のアカウント設定は、似ているようで実際には大きく異なります。
比較項目 | メール転送 | IMAPを使った他アカウント設定 |
---|---|---|
設定場所 | 元のメールサービス側(転送元) | Gmail側(受信側) |
メールの扱い | 新しいメールとして届く | 元のメールとして参照される |
同期機能 | 一方通行(転送のみ) | 双方向で同期可能(既読状態なども) |
過去のメール | 設定後に届くメールのみが対象 | 過去のメールも参照可能 |
返信時の差出人 | Gmailアドレスになりがち | 元のアドレスとして送信可能 |
「メール転送」は、あるメールアドレスに届いたメールを別のメールアドレスに自動的に「転送」する機能です。
例えば、example@yahoo.co.jp宛てのメールをyour.name@gmail.comに転送するように設定すると、Yahoo!のアカウントに届いたメールが自動的にGmailアカウントにコピーされて届きます。

この場合、転送設定は元のメールサービス側(Yahoo!側)で行います。
転送されたメールは、受信側(Gmail側)ではすべてGmailアカウント宛てのメールとして扱われます。
一方、「IMAP」の設定をすると、メールをサーバー上に保存したまま操作できます。
「IMAP」は、メールサーバーとパソコンなどの端末がやりとりするための約束事です。
複数の端末から同じメール環境に同期してアクセスできるという特徴があります。
Gmail 側で設定して取得したメールは、元のメールアドレス宛てのメールとして扱われ、Gmail内で元のアカウントごとに分類されます。
また、IMAPでは双方向の同期が行われるため、Gmailで既読にしたメールは元のサービス側でも既読になるといった同期も可能です。

「IMAP」は、「Internet Message Access Protocol」の略。
「インターネットを通じてメールサーバー上のメッセージに直接アクセスし、読み書きや管理ができる通信ルール」を意味しています。
3. GmailにIMAPでメールアカウントを追加する
GmailにIMAPの設定をするには、
- パソコンのブラウザでGmailを開き、画面の右上の「設定(歯車のマーク)」をクリックする
- 「すべての設定を表示」を選び、設定画面の上部にある「アカウントとインポート」というタブをクリックする
- 「他のメールアカウントをチェックする」という項目の横にある「メールアカウントを追加」というリンクをクリックする
- 追加したいメールアドレスを入力して「次へ」を押し、「IMAPを使用してメールを取得する」を選ぶ。
- 把握しているメールの認証情報を入力する
(「メールを新しいラベルでフィルタリングする」にチェックを入れると、追加したメールアドレスからのメッセージに専用のラベルをつけてくれるので、整理しやすくなる) - 「アカウントを追加」ボタンをクリックする

メールの認証情報は、
- 「ユーザー名」には通常メールアドレスを、
「パスワード」にはそのメールアドレスのパスワードを入れます。
もし二段階認証を設定している場合は、専用のアプリパスワードが必要です。 - 「IMAPサーバー」の欄には、メールサービスのIMAPサーバーアドレスを入力します(例えば「
imap.example.com
」のような形式)。 - 「ポート」は通常、暗号化通信を使う場合は「993」を入力し、
「セキュリティタイプ」は「SSL」を選ぶことが多いです。

追加したメールアドレスのメッセージがGmail内に表示されるようになります。
Gmailの左側のメニューに新しいラベルが表示され、そこからメッセージを確認できます。
3-1. 「インポート」と「メール確認」の違い

「アカウントとインポート」には、「メッセージと連絡先のインポート」と「他のメールアカウントをチェックする」という2つがあるんだけど、どう違うの?
「メール確認」は継続的な接続ですが、「インポート」は一回きりです。
いくつかのメールアドレスを一元管理するには、「メール確認」から設定します。

インポートは、移行元のメールサービスをやめて Gmail に切り替えるときに使います。
3-2. Gmailからメールを送信できるようにする(SMTP)
受信だけでなく、その追加したメールアドレスから送信もしたい場合は、追加の設定が必要です。

- 設定の過程で「このアドレスからメールを送信しますか?」と聞かれたら「はい」を選ぶ
- メールを送信するためのサーバー情報を追加する
ユーザー名、パスワードとともに SMTPサーバー情報、ポート番号(多くの場合587か465)を入力する
(安全な接続を使うために「SSL」か「TLS」を選ぶと良いでしょう) - メールで送られてくる確認コードを入力する

これで一つのGmailで複数のメールアドレスを管理できるようになります。
4. Gmailに追加したメールアカウントを削除する方法
追加したメールアカウントは、不要になったら設定から削除できます。
- Gmailの「設定」から「すべての設定を表示」を選び、「アカウントとインポート」を開く
- 「他のメールアカウントをチェックする」というセクションにあるメールアカウントの一覧から「削除」を押す
- 確認メッセージで確定すると、メールアカウント設定は削除される
送信設定も追加していた場合は、「メールを次のアドレスから送信」というセクションからも同様に削除できます。

そのメールアカウントからのメールは、もうGmailに届かなくなりますが、すでに受信していたメールは削除されずにGmail内に残ります。
これらのメールを削除したい場合は、該当するラベルにアクセスして個別に管理する必要があります。


![[iPhone] 「パソコン用のメール」を送受信できるようにする(メールアカウント)](https://chiilabo.com/wp-content/uploads/2024/04/image-23-8-1024x576.jpg)
