- 画質は解像度と印刷サイズによって決定され、表示媒体によって異なる解像度が使用されます。
- ドットとピクセルは異なり、プリンタでは1つの画素を表現するために複数のドットが必要です。
- Retinaディスプレイなどの最新技術では、1ピクセルを複数のドットで表現することで、より美しい表示を実現しています。
1. 画質と解像度
「画質」は、解像度と印刷サイズによって決まります。
解像度(ppi)=ピクセル数(pixel)÷ サイズ(inch)
「解像度」は、表示媒体によって違いがあります。
プリンタなら印刷解像度、モニターには画面解像度があります。
例えば、あるプリンタの印刷解像度が「720dpi」だとします。
これは1インチ(約2.54cm)内にある点(ドット)の密度を表しています。
2. ドット≒ピクセル?

ドット?
ピクセルじゃないの?
「ドット(点)」と「ピクセル(画素)」には、微妙な違いがあります。
コンピュータのモニターは、1つのドット(点)がそのまま色合いを表示する単位です。
つまり、「1ドット=1ピクセル」です。
その場合は、ppiとdpiは同じ数値です。
しかし、プリンタのドットは違います。
1つのドットには一色のインクの有無を表すので、1つの画素を表現するにはインクを混ぜる必要があります。
そのため、平均的なプリンタでは、
実質解像度(ppi)=印刷解像度(dpi) ÷ 3 ぐらいで、
例えば 720dpiのプリンタなら 240ppi相当の解像度になるわけです。
1画素を表現するのに4×4 四方(16ドット)の色を混ぜるとすると、印刷解像度(dpi)÷4が実質的な解像度(ppi)になります。

多くの印刷会社で「通常印刷するデータは200~300ppiの解像度で用意するように」などと案内されているのは、これが理由です。
iPadなどのRetinaディスプレイでは、よりきれいに画面を表示するために1ピクセルを4ドットで表現しています。
なので、dpi÷2がppiになります。
2-1. WordのA4用紙のピクセル数
例えば、A4サイズのピクセル数を計算してみましょう。
Wordの場合は、通常は解像度が 220ppi になっています。

この解像度は、オプションの「既定の解像度」によって決まっています。
Wordで用紙サイズが A4(横210×縦297mm)で 印刷用(220ppi)の場合、
- 横:210(mm)÷10÷2.54×220(ppi)=1818 pixel
- 縦:297(mm)÷10÷2.54×220(ppi)=2572 pixel
つまり、WordのA4サイズの画素数は、全体として1818×2572ピクセルになります。
Wordの1ページはこのサイズの画像として印刷されるわけです。
A4のページいっぱいいっぱいの横幅1818ピクセルというのは、フルHDのディスプレイの横幅(1920ピクセル)と同じくらいです。

印刷した文字は画面でみるよりきれいなので解像度が良いのかと思いましたが、フルHDのディスプレイになるとそこまで違いがないんですね


