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「多層防御」とは?

「多層防御」とは?
  • セキュリティ対策は、物理的・管理的・技術的という3つの方法で守ります。
  • システムへの攻撃は入口・内部・出口の3段階で防ぎます。
  • 複数の守りを重ねると、一つの対策が破られても別の対策で防げます。
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1. 【入門】セキュリティ対策の全体像

私たちのスマートフォンやパソコンを守るセキュリティ対策には、守りを何重にも重ねる「多層防御(multi-layered security, defense in depth)」という考え方があります。
一つの防御が破られても、別の防御で食い止められるようにする方法です。

【入門】セキュリティ対策の全体像

「サイバーセキュリティ」というと、セキュリティソフトなど技術的な対策だけをイメージしがちです。
しかし、それだけでなく、セキュリティの全体像はもっと広いカテゴリーから考えられます。

  • 管理的な守り
    ルールや手順で守る方法です。
    例えば、「機密情報」というラベルを付けたり、情報の取り扱い方法を決めたりします。
  • 物理的な守り
    建物や設備を守る方法です。
    例えば、警備員による見回りや、カードキーでしか開かない扉を設置します。
  • 技術的な守り
    専用の機械やソフトウェアで守る方法です。
    例えば、不正な通信を防ぐ装置(ファイアウォール)や、ウイルス対策ソフトを使います。
【入門】セキュリティ対策の全体像

とくに、企業の場合は、総合的な「防犯」としてセキュリティが位置づけられます。
どんなにコンピュータの中のセキュリティを強化しても、外側の防犯意識がなければ有効ではないのです。

また、攻撃のタイミングによって、三つの段階的なアプローチにも大きく分けられます。

  • 入口での対策
    不正なアクセスを侵入させない仕組み。
  • 内部での対策
    もし侵入されても、不審なデータアクセスを見つけて対処する。
  • 出口での対策
    重要な情報が外に持ち出されないように、外部へのデータ送信を監視する。
【入門】セキュリティ対策の全体像

セキュリティって、侵入させないだけじゃないんだね。

2. 技術的なセキュリティの「多層防御」

このようなシステムのセキュリティ全体において、やはり技術的な侵入対策は重要です。

現代のサイバー攻撃は、とても巧妙になっています。
一つの守り方だけでは突破されてしまう可能性があります。
そこで、複数の守りを重ね、攻撃者がシステムに侵入するのを難しくします。

たとえば、

家の「空き巣」対策を考えてみましょう。
玄関には、オートロック、防犯カメラ、二重ロックなど、複数の防犯対策があります。
これは、一つの対策が破られても、別の対策で不正侵入を防げるようにするためです。

技術的なセキュリティの「多層防御」

防犯では、侵入に時間がかかったり、発見しやすくしたりして、犯人を諦めさせるのも重要です。

複数の防御を組み合わせることで、攻撃を受けても被害を最小限に抑えられます。

  • アクセスの管理
    システムを使う人を確認する方法です。
    指紋認証や、決められた時間だけ使えるようにする仕組みなどがあります。
  • ネットワークの防御
    ネットワークの境界を守る方法です。
    ファイアウォール(防火壁)や専用の通信回線(VPN)を使います。
  • 作業機器の保護
    パソコンやタブレットを守る方法です。
    ウイルス対策ソフトや、迷惑メール対策ソフトを使います。
  • データの保護
    大切な情報を守る方法です。
    データを暗号化したり、定期的にバックアップを取ったりします。
  • 監視と予防
    システム全体を見守る方法です。
    不審な動きを記録したり、新しい脆弱性がないか確認したりします。
技術的なセキュリティの「多層防御」

一つの対策に頼るのではなく、複数の対策を重ねることが、現代のセキュリティの基本的な考え方なのです。

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