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iOSのApp Sandboxの仕組み

iOSのApp Sandboxの仕組み

「App Sandbox」は、iOSの重要なセキュリティ機能で、アプリケーションごとに独立した実行環境を提供します。

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1. アプリごとのコンテナディレクトリ構造

各アプリは、独自のコンテナディレクトリ構造を持っています。

アプリごとのコンテナディレクトリ構造

これは主に3つの重要なコンテナで構成されています。

  • Bundle Container
    アプリの実行可能なコードやリソースファイルが格納されています。
    インストール時に暗号化された署名で保護されており、改ざんを防止しています。
  • Data Container
    アプリやユーザーのデータを保存する場所として機能し、3つの重要なサブディレクトリに分かれています。
  • iCloud Container
    アプリが実行時にアクセスを要求できる追加のストレージ領域として機能します。

ファイルシステムへのアプリのアクセスは、FileManagerクラスを通じて管理されています。
開発者はこのクラスを通して、ドキュメントディレクトリへのパスを取得し、ファイルの作成、読み取り、書き込み、削除などの操作を安全に行うことができます。

let fileManager = FileManager.default
let urls = fileManager.urls(for: .documentDirectory, in: .userDomainMask)
let documentsDirectory = urls[0]
アプリが利用できるディレクトリ
  • Documents:
    ユーザーデータの永続的な保存に使用
  • Library:
    ユーザーデータ以外のファイルを保存する場所
    アプリケーションの設定やキャッシュデータの保存に使用
  • tmp:
    一時的なファイルの保存に使用(システムによって自動的に削除される可能性がある)

2. 他のアプリのデータやシステムリソースにアクセスできない

セキュリティの観点から見ると、各アプリは他のアプリのデータやシステムリソースにアクセスすることができません。

開発者はinfo.plistファイルで特定の設定を有効にすることで、ユーザーがファイルマネージャーアプリを通じてSandbox内のドキュメントにアクセスすることを許可することもできます。

アプリが特定のシステムリソース(カメラやマイクなど)ユーザーデータ(写真や連絡先など)にアクセスする必要がある場合には、開発者は明示的に権限を要求し、ユーザーの承認を得る必要があるのです。

他のアプリのデータやシステムリソースにアクセスできない

このような厳格なアクセス制御により、悪意のあるソフトウェアからユーザーのプライバシーとセキュリティを保護し、システム全体の安定性を確保しています。

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