- ソフトウェアやオンラインサービスの形が大きく変わっていこうとしています。
- これでは、内部データを人間が操作しやすくするためのデザインやUIが付加価値になっていました。
- しかし、AIエージェントが普及すると、人間向けのインタフェースが不要になるようになるからです。
2層式洗濯機から全自動洗濯機に変わって、ボタンがスッキリしたようなものなんだね。
1. 「AIエージェント」でなくなる「接点」とは?
「AIエージェント」の実用化によって、私たちが日常的に利用しているオンラインサービスが、根本から変わっていこうとしています。
これまでのオンラインサービスは、主にデータベースを人間が使いやすくするための「包み紙」のような役割を果たしてきました。
しかし、この「包み紙」が減っていくかもしれないのです。
2. 人の接点がなくなる
「AIエージェント」といえば、「人間の代わり」をするもののように見えます。
例えば、最近、セールスフォースが発表した「Agentforce 2.0」は、複数の作業を自動的にこなすことができる「AIエージェント」1。
カスタマーサポートのチャットに組み込むことで、人間が対応する必要のある案件が半分に減らすことができたと報告しています。
航空会社や会計サービスなどさまざまな企業での問い合わせ処理でも活用され、人間のスタッフはより複雑な相談に集中できるようになったそうです。
これは、AIエージェントを活用して、営業やサポートなどの対人活動に関する様々な作業を自動化していく流れです。
もうここまで複雑な作業が自動でできるようになっているんだね。
3. データとの接点もなくなる
この変化に対して、もう一つ新しい動きがあります。
それは、「SaaSを動かすAI」という考え方。
「SaaS」は、例えば、Gmailのようなインターネットを通じて提供されるソフトウェアサービスのことです。
最近のいわゆる「DX(デジタル化:デジタル トランスフォーメーション)」によって、会計サービスや人事サービス、決済サービスなど、さまざまなオンラインサービスが導入されています。
これらのオンラインサービスは、AIエージェントとも接続できます。
データの入力や分析、レポートの作成といった作業を、人間が細かく指示しなくても自律的に実行できるようになります。
3-1. ソフトウェアのUIは人間との接点
これは、人間がソフトウェアを直接操作する必要がなくなっていく時代を意味します。
これまでソフトウェアサービスの画面デザインや機能の絞り込みが重要だったのは、それが「UI(ユーザー・インタフェース)」、つまり、「人間との接点」だったからです。
ソフトウェアが使われるためには、内部処理を「隠蔽」して、わかりやすくすることが必要でした。
人間は、このようなシステムの使い方を覚え、手作業で情報を入力し、例外的な場合の処理方法も理解する必要がありました。
オンラインの会計ツールサービスは、本質的にはデータベースですが、それだけで売れませんでした。
しかし、それを多くの人が利用しやすい表計算ソフトのような使い慣れた形で提供することが「付加価値」になっていました。
一方、これまでオンラインサービス上で人間が行っていた作業の多くをAIに任せてしまえば、「人間向け」の使いやすいインターフェースは不要になります。
AI自体がユーザーインタフェースになって、内部の詳細を隠せるからです。
その分、より効率的なサービス設計に集中できる、というわけです。
パソコンで事務作業をする時代も、いよいよ終わってしまうのかもね。
ただ、今度は AIの作業をチェックするために、大量の情報を読んで速やかに修正することが仕事になりそうです。
AIを活用してプログラミングをしてみると、コードを書くよりも読んで理解する時間がほとんどになりました。
(補足)
- Introducing Agentforce 2.0: The Digital Labor Platform for Building a Limitless Workforce | Business Wire