- LINEで共有したURLに対して、「安全ではない」という警告が表示されました。
- 表示される原因は、ページ内に含まれる広告の一部に古い広告配信サービスのリンクが含まれていたためです。
- 広告配信プラットフォームのドメイン変更に伴う一時的な現象で、マルウェアなどの危険性はなさそうです。
1. 家族に共有したURLが「安全ではない」?
先日、見ているウェブページのURLを共有して、家族にLINEで送りました。
確認のために貼ったURLをタップすると、正常にサイトにアクセスできました。
ところが、何度かLINEのトーク内のURLをタップしていたら、急に「このサイトは安全ではないため閉じてください」という警告が出てきました。
怖くなりすぐに閉じたのですが、疑問点があります。
- それまで何度タップしても正常にアクセスできたのに、なぜその一回だけ警告が出たのでしょうか?
(その後改めてタップしてみたも正常にアクセスできました) - 警告の際のURL末尾の「opx」とは何を指すものでしょうか?
- 私はすでにこのサイトにアクセスしてしまったのでしょうか?
(ウイルスなどに感染している危険性?)
キャンペーンページに含まれる広告の一部に、サービス切り替え中の古い広告配信ページがあり、エラーになっていたようです。
特に、マルウェアなどの心配はなさそうです。
2. すでにこのサイトにアクセスしてしまったのか?
「このサイトは安全ではないため閉じてください」という画面は、LINEのアプリ内ブラウザで表示されます。
つまり、サイトにアクセスする前段階で LINEアプリが警告しているので、アクセスしていません。
2-1. 更新されていないウェブサイト
警告の意味は、SSL証明書が無効のページを読み込んだことです。
いわゆる「危険サイト」というよりは、更新されていないウェブサイトで表示されます。
パソコンから同じURLにアクセスしてみました
すると、アクセス制限が「読み書き不可(403エラー)」になっていて、中身は何も表示されません。
偽サイト、というよりは廃止されているサイトという印象です。
サイトは閲覧禁止になっていましたが、ドメイン「focas.jp」の有効期限はあと少し残っていました。
2-2. 別のサイト用のSSL証明書?
奇妙なのは、なぜか別のサイト用のSSL証明書が入っていたことです。
これが警告が表示されていた主な原因です。
ドメインで指定されているウェブサーバーに、別のサイト用のSSL証明書が入っている、というのは不思議です。
DNSの設定がおかしいのかもしれません。
3. なぜ正常に表示されたり、警告が出たりするの?
「ブラウザが読み込むページ」というのは、そのサイトだけでなくページ内に含まれる外部リンクも含みます。
LINEのアプリ内ブラウザは「神経質」で、外部リンクの一つでも古いページが含まれると、警告を表示してページ全体を表示させません。
特に、ネット広告はランダムに表示されます。
そこで、たまに古い広告リンクが出てくることがあるのです。
4. 警告の際のURL末尾の「opx」とは何を指すのか?
URLの末尾にある「opx」っていうのは見慣れないけど、マルウェアに関係があるの?
「opx」は、データの種類を表すもの(拡張子)ではなく、単なるページ名のようです。
URLの指す場所がウェブサーバー内のフォルダだった場合、index.htmlやindex.phpなどが表示されます。
4-1. URLに含まれる広告サービス名
エラーURLをよく見ると、「focas」「AXEL MARK DSP」という単語が目につきます。
これは、広告配信サービス名です。
focasという古い広告配信サービスが、AXEL MARK DSPという新しい広告配信サービスに改名、統合されていく中で、古いURLが廃止されたのだと思います。
移行期間中で、たまたま古い広告が流れてしまい、エラーになったのだと思います。
いずれにしても、広告表示状況などを計測するためのウェブサイトにアクセスしていたものと考えられます。
「DSP」は、広告配信の自動取引を行うプラットフォームを意味する、「Demand-Side Platform」の略だと考えられます。
また、「/sync/opx」は、「sync」部分が同期処理に関連する機能を示唆し(sync)、「opx
」は恐らくOpenXやその他の広告関連プロトコルを示している可能性があります。
「OpenX」は、デジタル広告とプログラマティック広告取引のためのプラットフォームを提供する企業です。