- 現在では、よく使われるGmailやiCloudメールなどの無料メールサービス。
- しかし、以前は無料サービスへの「不信感」から、プロバイダやキャリアの提供するメールアドレスが重視されていた時期があります。
- その後、プロバイダやキャリアのメールアドレスは、生活の変化で使えなくなっていく一方、長期的に安定するメールアドレスとして無料メールサービスが見直されました。
社会の価値観ってどんどん変化するんだね。
これって電話番号でも似た話があって、以前は「固定電話がないのと信用がない」と言われていたものが、最近だと「すぐに連携がつく携帯電話の番号の方が信用できる」と変わっていたりするよね。
携帯電話番号は、SMS認証などでも利用され、本人確認の重要な要素になっている。
GmailやiCloudメールは、スマートフォンの基本設定に組み込まれたことも大きいですね。
スマートフォンと連携したメールアドレスは、かんたんには「捨てる」ことができなくなりました。
1. メールアドレスに対する認識の変化
かつては、GmailやHotmailなどの無料メールサービスは信頼性が低いと考えられていました。
そのため、インターネットサービスプロバイダ(ISP)や携帯電話会社が提供するメールアドレスの利用が推奨されていました。
しかし、現在ではこの考え方が大きく変わりました。
多くの人が Gmail や iCloudメールなど、大手企業が提供する安定したサービスを利用しています。
1-1. 無料メールサービスと「捨てアドレス」
以前は、無料メールサービスで、複数のメールアドレスを自由に取得することができました。
「捨てアドレス」として、一時的な連絡用に取得することも多かったです。
それを悪用するスパムメールも多かったです。
利用する側も、「フリーメール」は「怪しいメール」という意識がありました。
無料なのでいつサービスが終了しても文句は言えないし、最悪 メールの中身が見られるリスクも理解していました。
iCloudメールは、あまり「フリーメール」という印象はないなぁ。
たしか、当初はApple製品を購入しないと取得できなかったはず1。
Hotmail や Yahooメール は、以前はウェブでの登録でいくらでも取得できたよね。
1-2. メールアドレスの社会的な位置づけの変化
以前は、就職活動などでフリーメールを記入するのは、「非常識」とされていました。
プロバイダやキャリアのメールアドレスが好まれていたのです。
しかし、この傾向は iPhone が普及し始めた頃から変化し始めました。
現在では、GmailやiCloudメールが違和感なく受け入れられています。
1-3. フリーメールとアカウントが結びつく
GmailやiCloudメールは、GoogleアカウントやApple IDと結びついたメールアドレスとして重要になりました。
それぞれのプラットフォームに「囲い込む」ためのキーとして、無料メールサービスは維持されています。
また、無料メールアドレスでも、迷惑メールは送信しにくくなっています。
無料メールアドレスを取得するには、携帯電話番号などの登録が必須になりました。
一人の人があまりたくさんのメールアドレスを取得できないようになったのです。
2. 長く利用していると環境・契約が変わる
一方、プロバイダメールやキャリアメールは、契約終了時に使えなく可能性があります。
引っ越しや契約変更などの生活の変化によって使えなくなる可能性があるため、メインでの使用は避けるように言われています。
代わりに、長期的に安定して利用できるメールサービスを選ぶことが重要になっています。
最近はキャリアメールでも、通信契約を解約した後にも月300〜500円ほどでメールアドレスを保持できるオプションもあるようです。
2-1. 無料メールサービスの進化と淘汰
ただし、環境の変化で利用できなくなるリスクがあるのは、無料メールサービスも同じです。
例えば、Hotmailは Microsoft に買収され、現在では Microsoft の公式アカウントとして広く利用されています。
Gmail も多くの人が当たり前に使うサービスになりました。
しかし、その陰で消えていった無料メールサービスもあります。
どのサービスが長期的に存続するかを予測するのは難しいです。
2-2. GmailやiCloudメールとプラットフォーム依存
また、GmailやiCloudメールにも注意点があります。
それは、メインのアカウントと紐づいていることです。
たとえば、写真やビデオのバックアップなどで、クラウドストレージの容量が不足すると、メールまで受信できなくなることがあります。
さらに、GoogleやAppleから「利用規約に違反した」と見なされた場合には、連絡手段まで奪われてしまうことになります。
たとえば、YouTubeでのコメントが「誹謗中傷」などと見なされると、社会生活に影響が出てくるのです。