1. なぜサーバーで計算するのか
スマートフォンのアプリの中には、複雑な処理をインターネット上のサーバーで行うものがあります。
例えば、スマートフォンの音声アシスタント機能。
あなたの声を理解し、適切な返答を生成する複雑な処理は、主にサーバー側で行われています。
これは、家庭教師と生徒の関係に例えられます。
難しい問題を全て自分(スマートフォン)で解こうとすると、時間がかかり、疲れ(バッテリー消費)も大きくなります。
しかし、難しい部分は知識豊富な家庭教師(サーバー)に任せれば、効率よく問題を解決できます。
これにより、スマートフォン本体の負担を減らし、バッテリー寿命を延ばしているのです。
2. クラウドコンピューティング:頭脳は雲の上に
「クラウド」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、インターネット上にあるサーバーを利用して、データの保存や処理を行うサービスのことです。
あなたの家にある本棚が、実は「魔法の本棚」だったとします。
その本棚に置いた本は、世界中どこにいても取り出せる。
友人の家に行っても、旅行先のホテルでも、同じ本を読むことができる。
これがクラウドの基本的な考え方です。
スマートフォンでクラウドサービスを利用すれば、写真や文書を端末内に保存する必要がありません。
インターネットを通じて、必要なときに必要な情報を取り出せるのです。
ちなみに、最近はクラウドとスマートフォンなどの中間に小規模なサーバーを配置して、そこで処理を行う「エッジコンピューティング」も注目されています。
例えば、自動運転車。
道路状況の判断や他の車両との通信など、瞬時の対応が必要な処理があります。
近くのエッジサーバーで行うことで、より安全で効率的な走行が可能になります。
郵便の仕分け作業を想像してみてください。
全ての手紙を一箇所に集めて仕分けるのではなく、地域ごとに小さな仕分けセンターを設置する。
これにより、配達の速度が上がり、中央の負担も減ります。
エッジコンピューティングも同じ考え方なのです。