- SNSに投稿した写真は、SNSのサーバーに保存されます。
- iPhoneは常時インターネットに接続されていますが、「サーバー」としては機能しません。
- 写真へのアクセス許可は、アプリごとに設定され、インターネット全体からのアクセスを許可するものではありません。
1. SNSで「共有」した写真はiPhoneとつながっているの?
iPhoneの「カメラ」アプリで撮った画像をTwitterにあげました。
その後 iPhoneからその画像を削除してしまうと Twitterの画像も消える(エラーになる?)のでしょうか?
iPhone内の画像整理するにあたり、どうなるのかなと疑問に思いました。
一度、X(旧Twitter)などのSNSに投稿した画像は、iPhoneから削除しても消えることはありません。
画像を投稿すると、その画像のコピーがSNSのサーバーに保存されるからです。
そのため、Twitterにアップロードした画像は、元の画像をiPhoneから削除しても影響を受けません。
エラーなどになるわけではないのです。
つまり、iPhoneの容量を節約するために画像を削除しても、Twitterに投稿した内容に影響はありません。
安心して画像整理を行うことができますね。
反対に、保存されたサーバー内で削除されると「リンク切れ」というエラーになります。
2. iPhone内の写真は直接は「共有」されていない
「iPhoneはインターネットに常につながっている」んだよね。
共有した iPhone内の写真は、インターネットから直接アクセスされているんだと思っていたよ。
iPhoneが常にインターネットに接続されているとしても、iPhone内の写真に直接アクセスさせているわけではありません。
それでは、セキュリティとプライバシーが守れませんし、何より対応処理の負荷がかかってしまって、安定に動作できなくなります。
インターネットから直接アクセスを受け付けるには、「サーバー」という役割を果たす必要があります。
「サーバー」とは、多くの人からの要求に応じてデータを提供するコンピュータです。
これは、24時間営業の「コンビニエンスストア」のようなものです。
通常は、特別なコンピュータを用意し、保守点検をしながら動かしています。
2-1. iPhoneは「サーバー」ではない
しかし、一方、iPhoneは個人用のデバイス。
アクセスする側で、アクセスされる側ではありません。
インターネットを使うのは、主にデータを受け取ったり送ったりするため。
また、そもそも iPhoneは、外部の不特定多数から受け付ける状態にはなっていないのです。
iPhoneの接続先はコロコロ変わるので、IPアドレスは固定ではありません。
つまり、時々コンビニに買い物に行ったり、自分の持ち物を預けたりする「客」のようなものです。
もし、iPhoneの写真に直接アクセスする仕組みだと、iPhoneがオフになったり、電波が悪くなったりするだけで、写真が見られなくなるはずですよね。
インターネット上にあるコンピュータは、「サーバー」として動作するために、常に電源を入れてプログラムを動かしています。
2-2. SNSサーバーの仕事
SNSでの写真共有では、サービス提供者(たとえば、X(旧Twitter))がデータの保管や表示を担当します。
あなたが写真を投稿すると、その写真のコピーがSNSのサーバーに送られます。
サーバーはその写真を保存し、必要に応じて他の人に見せます。
この方法なら、あなたのiPhoneがオフでも、他の人は写真を見ることができますね。
つまり、iPhoneは常時接続されていても、それは主にあなたがデータを送受信するためのものです。
SNSの写真は、安全で効率的に多くの人と共有するために、専用のサーバーで管理されているのです。
ですので、SNSに投稿した写真は、SNS上で「削除」の操作をする必要があります。
ただし、すでにほかのユーザーがその写真を保存し、別の場所に転載しているような場合には、完全に削除することは困難です。
3. 通知は外部からのアクセスではない?
あれ?
でも、インターネットから iPhone に勝手に通知が送られてくるよ。
通知は外部からのアクセスではありません。
インターネット側から勝手に送られてくるのではなく、確認のため iPhone側からアクセスしています。
iPhoneの方から、「通知サービス」に頻繁に接続して、最新の通知がないかを確認しているのです。
また、各アプリの通知は、iPhoneの設定によって許可したときに、定期的に確認するようになります。
これが「通知の許可」の意味です。
3-1. 同じ接続でも違う(USB接続とインターネット接続)
「許可」といえば、Xで写真を投稿するときに、「アクセス権限の許可」というのがあったよ。
フルアクセスの許可をしたんだけど、これだとパソコンにつないだUSBメモリーみたいにインターネットを通して内部の写真が自由に見られてしまったりするんじゃない?
なるほど、確かに「iPhone は常時インターネットに接続して、アクセス許可している」と聞くと、内部のデータが自由に見られてしまうようにも思えますね。
しかし、これは、接続方式と許可の範囲が全く違います。
USBメモリーは、データ保存と転送のための「記憶媒体」です。
いわば「ただの器」です。
一方、iPhoneは独立した「コンピュータ」です。
基本システムが動作して、外部から内部データへの直接アクセスを制限しています。
「USBメモリーをパソコンに接続する」というのと、
「iPhoneをインターネットに接続する」というのは、
同じ「接続」という言葉ですが、だいぶ違いがあります。
iPhone内のデータへのアクセスは、システムの「関門」を通して行われるのです。
3-2. 「アクセス権限の許可」とは?
ちなみに、基本システムによる「関門」はインターネットだけではありません。
たとえば、パソコンにUSBケーブルで接続したときにも確認があります。
また、iPhoneの内部にも「関門」があります。
自分がiPhoneインストールした個々のアプリにも「アクセス権限」の確認があります。
アプリの開発元であっても無条件に信頼しているわけではないのです。
Xアプリで写真を投稿するときに、「写真へのアクセス許可」を聞いてきたのは、この確認です。
ここで注意深く区別したいのは、「インターネット上のXからiPhone内の写真へのアクセスを許可している」というわけではないことです。
あくまで「Xアプリで投稿するときに、iPhone内の写真にアクセスすること許可している」のです。
だから「アプリのアクセス権限」というんだね。
4. 「共有したことで全部見られてしまう」パターンとは?
でも、うろ覚えなんだけど、「共有したら情報漏えいになった」っていうニュースを見たことがあるんだけど。
多くの「共有」機能は、データを投稿するだけです。
公開されるとしても、そのときに送ったデータだけです。
そこまで心配はありません。
4-1. クラウド上のデータの「共有」
注意すべき「共有」もあります。
それは、クラウド上に預けているデータです。
クラウド上の個人データやフォルダは「共有」によって、ほかの人がアクセスできるように変更できます。
一度、許可したデータへのアクセス許可は、「公開停止」になるまでクラウド上で公開されます。
「公開範囲」を適切に制限していないと、第三者が閲覧やダウンロードできます。
それが「情報漏えい」につながってしまうことがあります。
4-2. iCloud写真は共有される?
iPhoneの写真は、iCloudに保管しているんだよね。
やっぱり危ない?
確かに、iCloud写真にも共有機能があります。
しかし、いきなりiCloud写真の全体を「共有」したりする設定はありません。
これは、「見せたい写真が iCloudに置いてあるから見に来て」という機能です。
(1) 自分がその写真の共有を開始し、(2) 共有リンクを伝えない限り、勝手に見られるものではないのです。
iCloud写真で1つの「共有アルバム」を作って、家族みんなで写真を入れたり、閲覧したりできます。
共有リンクを家族以外の人に教えてしまうと、第三者に見られてしまうことも起こりえます。
ちなみに、Xに投稿するときに、iCloud写真がそのまま共有されているわけでもありません。
Xというサービス自体が「写真置き場」になっているからです。
厳密に言えば、iCloud写真をそのまま共有するのも可能ではあります。
iCloudリンクを作って、それをXの投稿文に貼り付ければ、共有できます。
しかし、通常はわざわざそんなことをしませんし、意図せずになってしまうということも考えにくいです。
4-3. スパイウェアを入れないように
もう一つは注意すべき「共有」は、「悪質なアプリ(マルウェア)」です。
世の中には、個人情報を盗み出そうとする「スパイウェア」があります。
このようなスパイウェアをインストールし、アクセス権限を許可してしまうと、ユーザーが気づかないうちに iPhoneをいわば「サーバーのように動作させる」のです。
一部のアプリは、内部にスパイ機能を隠し持っていることもあります。
なるべく素性のわからないアプリをインストールせず、アプリを開いても不審なアクセス権限の要求は許可をしないようにしましょう。
さながら、iPhoneの中に潜んで「内通者」のように外部からのアクセスを受け付けるので、「トロイの木馬」と呼ばれます。
とはいえ、「サーバーのように」というのもやや誇張です。
正確には、iPhoneが攻撃者の遠隔操作を受け、情報を送信する「中継点」として機能する可能性があるということです。