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迷惑メッセージに悪用される短縮URLのチェック(t.co)

迷惑メッセージに悪用される短縮URLのチェック(t.co)
  • 迷惑メッセージの中のリンクに、Xの短縮URL(t.co)が使われていました。
  • Xでは短縮URLを生成するときに、「危険なサイトリスト」に含まれていたら、警告メッセージを付けたり、ブロックしたりしています。
  • また、ブラウザ側でも閲覧前にGoogleやAppleが持つ「危険なサイトリスト」と照合して警告を出します。
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1. 短縮URLから偽サイトへ誘導された

最近、配送業者を装ったショートメッセージがありました。

ふと偽ページに誘導するリンクを見ると、「https://t.co/〜」で始まっていました。
X(あるいはTwitter)の短縮URLが使われているのです。

短縮URLから偽サイトへ誘導された

「短縮URL」は、元のURLを短く簡潔にするための仕組み。
長いURLを短くして文字数制限のあるメッセージで共有しやすくするためです。

しかし、「短縮URL」は、偽サイトなどに誘導するのに悪用されることもあります。
短縮URLを見てもリダイレクト先のURLがわからないので、アクセスするまで詐欺に気づきにくくなるからです。

1-1. 不審なサイトはタブを閉じる

ログインページのアドレスバーを確認して、不審なURLならタブを閉じます。

不審なサイトはタブを閉じる

2. 短縮URLに対するチェック機構の必要性

短縮URLに対するチェック機構の必要性

短縮URLのシステム側で対策は取れないの?

短縮URLの悪用を防ぐには、主に3つの方向性があります。

  1. 短縮URL発行者の認証
  2. 短縮URLサービスによる自動チェック
  3. ユーザーによる報告システムの整備

まず、t.coの短縮URLの場合、作成するには XでURLを含めた投稿をする必要があります。
そのため、Xアカウントが必要です。
悪用するアカウントは、利用停止や強制退会にすることができます。

2-1. リンクの警告やブロック

また、t.coには警告やブロックの仕組みもあります。1

URLをXのリンクサービスで変換すると、危険性のあるサイトのリストと照合されます。
もし、危険なサイトだった場合は、利用者がクリックした場合に移動前に警告メッセージを表示するのです2

ブロック」はより重い対応です。
投稿はエラーになり、短縮URLが発行されません3

このリンクはXまたはパートナーによって有害なウェブサイトと認識されているため、操作を実行できません。

2-2. Xの「危険なサイト」の判断材料

Xでは、リンクへの対応の判断材料としては、以下のような情報源を参照しているようです4

  • スパムやマルウェア対策の協力企業
  • 業界の同業者や信頼できるNGOのパートナーと共有する協働情報
  • 社内技術およびツール
  • ツイートの報告

つまり、投稿上の短縮URLを通じて危険なサイトに誘導されたときには、ユーザーがそのURLを含めて報告できます。

Xの「危険なサイト」の判断材料

ただし、現状では、このような短縮URLに対するチェック機構が不十分なのかもしれません。

3. ブラウザによるURL監視とプライバシーの問題

一方、現時点ではURLの自動チェックは、ブラウザ側でなされています。

たとえば、iPhoneのブラウザ Safariには「詐欺 Web サイトの警告」という機能があります。

ブラウザによるURL監視とプライバシーの問題

マルウェア Web サイトの警告

このWebサイトは、危険なソフトウエアをインストールして、コンピュー夕に危害を加えたり個人情報 (パスワード、写真、クレジットカード番号など)を盗もうとしたりする可能性があります。

Chromeにも同様の機能があり、「危険なサイト」という警告が表示されます。

ブラウザによるURL監視とプライバシーの問題

危険なサイト

アクセスしようとしているサイトでは、攻撃者がユーザーを騙してソフトウェアをインストールさせたり、パスワード、電話番号、クレジットカード番号などを開示させたりする可能性があります。

3-1. ブラウザはどうやってアドレスをチェックしているの?

ブラウザはどうやってアドレスをチェックしているの?

ブラウザが危険なURLじゃないか監視してくれるんだね。
警告を表示してくれるのは安心だけど、これって私が見るサイトを逐一チェックしているだよね。
プライバシーの面では大丈夫なの?

確かに、閲覧しようとするアドレスの情報は、外部であるGoogleやAppleに送られます。

ブラウザはどうやってアドレスをチェックしているの?

しかし、アドレスをそのまま送るのはプライバシー上問題があります。
そこで、このときに「ハッシュ化」という処理を行います。

  • 事前にGoogleやAppleは、不審なサイトのアドレスをハッシュ値のリストに登録しています。
  • ユーザーが検査してほしいアドレスを送ると、そのハッシュ値がリストにないか照合します。

事前登録されたサイトアドレスであればヒットします。
しかし、そうでなければユーザーがどのアドレスを閲覧しようとしているのかわからない仕組みになっているのです。

ブラウザはどうやってアドレスをチェックしているの?

もちろん、厳密に考えると、この仕組みでは「Google」や「Amazon」といった特定のアドレスのハッシュ値を持って、そのサイトへの接続状況を監視することが可能だと言えないことはありません。

とはいえ、プライバシーとセキュリティのバランスを考えると、URL監視は有効な仕組みだと思います。

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(補足)

  1. Xのリンクサービスで変換されたリンクは、危険性のあるサイトのリストと照合されます。利用者が危険性のあるリンクをクリックした場合には、以下の警告メッセージが表示されます。- Xのリンク短縮機能(t.co)とその仕組み | Xヘルプ 
  2. Xでは、安全でない可能性のあるリンクに対して警告を表示する場合があります。警告をクリックすることで、そのサードパーティーのウェブサイトに移動できます。リンクが警告を表示する基準を満たしていると判断された場合は、X上での公開が制限されます。 – リンクをブロックするための取り組み | Xヘルプ
  3. リンクがブロックされた場合、そのリンクをツイート、ダイレクトメッセージ、またはプロフィールに含めようとするとエラーメッセージが表示されます。メッセージは次のとおりです: 「このリンクはXまたはパートナーによって有害なウェブサイトと認識されているため、操作を実行できません。詳細はヘルプセンターをご覧ください。」
  4. リンクの特定方法 – リンクをブロックするための取り組み | Xヘルプ
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