- LINEヤフーでは毎年3月11日に、検索で一人につき10円の寄付ができる「3.11 検索は、チカラになる」を実施しています。
- これは、東日本大震災の被災地支援や震災の風化防止、防災意識を高めることが目的です。
- 検索連動型の寄付という仕組みにしたことで、利用者が参加しやすく、LINEヤフーにも広告効果があるため、社会貢献活動が長く続く「秘訣」になっています。
1. LINEアプリの青いハートマーク
LINEアプリを開いたら、ホーム画面の左上に青いハートマークが表示されていました。
タップすると「ニュース」タブに切り替わり、「検索は、チカラになる」という画面が出てきました。
これは、LINEヤフーの取り組みで、東日本大震災から13年となる3月11日に、「Yahoo!検索」もしくは「LINE(ニュースタブ上部の検索窓)」で『3.11』と検索すると、ひとりにつき10円をLINEヤフーから東北支援に取り組む団体や、能登半島地震の被災地支援に取り組む団体へ寄付する、というものです。
また、「3.11 検索は、チカラになる。」に関連した「防災は、チカラになる。」では、Yahoo! JAPANおよびLINEの防災機能を使った避難訓練ゲームが提供されました。
2. 「Search for 3.11」は2014年から続いている
「3.11 検索は、チカラになる。」は、2014年にスタートした「Search for 3.11」の流れを汲んだ取り組みです。
「震災という社会課題をマーケティングを通して解決できないか」という発想から、検索連動型の寄付の仕組みが生まれました1。
このアイデアには、「ユニセフと連携して商品の売上の一部を寄付に充てる」というグローバル企業のキャンペーンがヒントになったそうです。
「検索」という、シンプルで若い世代にも参加しやすい仕組みにしたことが、長く続いているポイントと言えます。
3. 「3.11 検索は、チカラになる」の目的
「3.11 検索は、チカラになる」は、過去の震災の教訓を生かしつつ、現在起きている災害への支援を行うのが目的です。
- 東日本大震災の被災地復興支援
- 震災の風化防止
- 防災啓発
東日本大震災から13年が経過した現在も、被災地では復興支援が必要とされています。
加えて、2024年は能登半島地震の被災地支援も目的に加わっています。
検索数を可視化することで、多くの人が被災地を「応援している」というメッセージを伝えられます。
さらに、検索数に連動した寄付によって、実際の復興支援にもつなげられます。
加えて、検索する度に震災のことを思い出すので、風化防止の効果も期待できます。
3-1. マーケティング上の意味があるから続けられる
「検索は、チカラになる。」という社会貢献活動が長期間継続できている背景には、LINEヤフーの企業活動にとってもちゃんとメリットがあることが挙げられます。
- ブランドイメージの向上
- ユーザーエンゲージメントの向上
- 利用者数・利用頻度の増加
- 防災領域でのポジショニング確立
震災支援や防災啓発に取り組む姿勢は、企業としての安心感につながります。
また、キャンペーンをきっかけにヤフー検索を使ってみる人が増えたり、サービスへの愛着や認知度が高まります。
さらに、防災啓発コンテンツの提供などを通じて、防災領域で存在感を示すことができます。
災害時に頼りになる情報サービスとしての認知を高められるのです。
4. 【追記】キャンペーンには約1300万人が参加
2024年3月11日に実施された「3.11 検索は、チカラになる。」キャンペーンでは、約1300万人の人が参加し、検索による寄付総額は9400万円を超えました2。
- 参加者数:1251万8456人。
- 寄付金額:1億393万7127円。
「検索は、チカラになる。」:9428万4160円
(Yahoo! JAPANとLINEそれぞれ上限5,000万円)。
「寄付は、チカラになる。」:965万2967円
(Yahoo!ネット募金での寄付総額)。
寄付先としては、桜ライン311、3.11メモリアルネットワーク、SET、底上げ、まちとこ、まるオフィス、みやっこベース、未来図書館、ラブフォーニッポンの9団体が予定されています。
(補足)
- 3月11日に「3.11 検索は、チカラになる。」を実施する意義とは 担当役員が語る災害支援・防災の思い|LINEヤフー株式会社
- ヤフーとLINEの「検索は、チカラになる。」に合計約1252万人が参加 3.11企画を通じて総額約1億394万円を東日本大震災の被災地支援などのために寄付 – ニュース – ヤフー株式会社