- OpenAI TranslatorはGPTベースの翻訳アプリで、Chat-GPTとつないで翻訳する機能を提供します。
- Chat-GPTのAPIキーがあれば、GitHubから簡単にインストールして使えます。
- GPTの翻訳は、文脈を理解した流暢な日本語が特徴。
- DeepLは高品質な翻訳で知られ、特に速さと正確さで優れています。
- 現状では、DeepLの訳文の方が「素材」として使い勝手がよくて、GPTの方が「資料」としてざっと読みやすい、と言えそうです。
生成AI GPTの性質を考えるために、DeepLとGPTの「翻訳」の違いを見てみます。
DeepLは正確さを評価されて学習していて、GPTは自然さを評価されて学習してきた感じかな。
ある意味、違う環境で育った兄弟みたいなものなのかもね。
DeepLで翻訳して、GPTで表現を自然に直すとかの「組み合わせ」もありだしね。
1. アプローチが違うから好みによる
「DeepLよりGPTのほうが翻訳精度が良いのでは?」という仮説が注目を集めています。
結論としては、文脈や使用者の好みに大きく左右されるため、一概には言えません。
ざっくりいうと、訳文を自分が読むのか、他人に見せるのか、にもよります。
どれぐらい直訳・意訳にするかは、難しい問題です。
身も蓋もないけど、それが「翻訳」というものだよね。
とはいえ、そのアプローチの違いを知ることは、これらの「道具」の使い方を知るうえで有益です。
1-1. 技術的進化と多機能性
「OpenAI Translator」は、GPTベースの翻訳アプリです。
このアプリは、最新のAI技術を活用して、様々な言語間での翻訳を可能にします。
技術の進化は翻訳の精度を向上させ、より幅広いニーズに応える可能性を秘めています。
2. OpenAI Translatorの使用感
OpenAI Translatorは、インストールは簡単で使いやすいです。
OpenAI Translator はGitHubのリリースページから.dmgファイルをダウンロードし、数クリックでインストールできます。
macOSにおけるパーミッション設定は他の多くのアプリと同様で、特に難しい手順はありません。
使うには、OpenAI API キーが必要です。
GPTベースの翻訳はDeepLと比べても文脈をより深く理解し、自然な日本語で表現しているものの、DeepLの翻訳結果の方が好みだという意見もあります。
原文 | DeepL | OpenAI Translator (gpt-4-0125-preview) |
---|---|---|
Find out how the new Journaling Suggestions API can help people reflect on the small moments and big events in their lives though your app — all while protecting their privacy. | 新しいジャーナリングサジェスチョンAPIが、あなたのアプリを通じて、人々が人生の小さな瞬間や大きな出来事を振り返るのを、プライバシーを保護しながら、どのように支援できるかをご覧ください。 | 新しいジャーナリング提案APIが、あなたのアプリを通じて人々が日常の小さな瞬間や大きな出来事について振り返るのをどのように助けることができるかを調べましょう — それら全ては彼らのプライバシーを守りながらです。 |
どちらも若干のクセがあるけど、だいたい意味が合っているのがすごいね。
GPTの方が良くも悪くも Appleの発表っぽい気もする。
2-1. DeepLよりの意見(正確さと速さ)
DeepLは機械翻訳に特化しています。
高品質な対訳データを用いた学習で、他の機械翻訳サービスより自然で高精度な翻訳を実現しています。
処理速度の速さもDeepLの大きな利点で、大量の翻訳が必要な場合に特に便利です。
スペシャリストって感じだね。
2-2. GPTよりの意見(文脈の理解と流暢)
GPTは汎用的な言語モデルであり、文章生成や対話などに加え、英語から日本語へ文脈に応じた翻訳もできます。
大量のテキストデータから学習して、自然で流暢な言語表現を獲得しています。
でも、どこかで見たことがある文章の感じに引っ張られる感じもする。
3. GPTとDeepLの比較
GPTとDeepLの違いを理解するためには、それぞれの設計思想に焦点を当てることが重要です。
翻訳に対して異なるアプローチを取っています。
- DeepLの設計思想:
翻訳品質に特化し、高品質な対訳データと先進的なアルゴリズムを使用して、自然で正確な翻訳を提供する。 - GPTの設計思想:
汎用性と柔軟性を重視し、大量のテキストデータから学習して任意の言語タスクに適応できる能力を持つ。
その結果が、以下の違いに現れています。
特徴 | GPT | DeepL |
---|---|---|
翻訳精度 | 文脈の理解が深く、より自然な翻訳が可能。 特にGPT-4では、さらに精度が向上している。 | 高い翻訳精度で知られ、特に複雑な文法構造やニュアンスのある文章でも正確な翻訳を提供。 |
多機能性 | 翻訳だけでなく、要約、解析、コードの説明など幅広い機能を提供。 | 主に翻訳に特化しており、その分野での精度と速度に優れる。 |
技術基盤 | 最新のAI技術(GPT-4など)を活用し、進化し続ける。 | 専門的に最適化された翻訳アルゴリズムにより、一貫した高品質な翻訳を実現。 |
適用範囲 | テキストの翻訳だけでなく、さまざまな形式のコンテンツ生成に適用可能。 | 文章翻訳に特化し、高い専門性を持つ分野(法律、医学、技術文書など)での使用に適している。 |
カスタマイズ性 | APIを通じて多様なアプリケーションの開発が可能で、カスタマイズ性が高い。 | ユーザーが直接操作する範囲内でのカスタマイズは限定的だが、翻訳の品質においてはカスタマイズの必要が少ない。 |
プライバシー保護 | ユーザーのプライバシー保護に対する取り組みが進められている。 | ユーザーデータの保護とプライバシーに重点を置いたサービス提供。 |
3-1. GPTの設計思想(一般性と柔軟性)
GPT (Generative Pre-trained Transformer) は、OpenAIによって開発された汎用的な言語モデルです。
このモデルの核心にあるのは、あらゆる種類の言語タスクに適用可能な一般性と柔軟性です。
GPTは大量のテキストデータに基づいて事前学習され、様々なドメインやコンテキストにわたる言語のパターンを内包しています。
その後、特定のタスク(翻訳を含む)に対して微調整されることで、特定のニーズに合わせたパフォーマンスを発揮します。
GPTの設計思想は、一つのモデルで複数の言語タスクをこなせる「汎用性」にあります。
このアプローチにより、GPTは翻訳だけでなく、文章生成、要約、質問応答など、幅広い言語関連タスクに対応できるようになっています。
3-2. DeepLの設計思想(高品質な翻訳)
一方、DeepLもAIを使った機械翻訳ツールです(2017年にリリースされました)。
DeepLの設計思想では、「高品質な翻訳」に重点を置いています。
特に翻訳の精度と自然さを重視して、言語間での意味の正確な伝達に焦点を当てています。
DeepLは、高品質な対訳データと先進的なニューラルネットワークアルゴリズムを組み合わせることで、文脈を考慮した自然な翻訳を生成します。
DeepLのアプローチは、特定の言語ペア間での「翻訳品質の極致」を追求することにあり、翻訳におけるニュアンスや微妙な意味合いの正確な捉え方に特化しています。
4. 誰のための翻訳かにもよる
結局のところ、「DeepLよりGPTのほうが翻訳精度が良い」という答えは、使う人の目的による部分が大きいです。
身も蓋もない話ですが。
自分が読むための翻訳と、人に読ませるための翻訳でも、求める精度が異なるので、道具として使い分けられると良いです。
現状では、DeepLの訳文の方が「素材」として使い勝手がよくて、GPTの方が「資料」としてざっと読みやすい、と言えそうです。