スマホでよく聞く「アカウント」って何?
「アカウント」は「目に見えない鍵」のようなものだと思うと、少しわかりやすいかもしれません。
1. インターネット上の「データのロッカー」
スマートフォンには、「目に見えない鍵」がたくさんぶら下がっています。
それは、鍵をかけて保管されているデータがたくさんあるからです。
スマートフォンではさまざまなデータ(情報)を扱います。
例えば、写真、電子メール、メッセージ、ニュース、交流サイトの投稿、料金明細、チャージしたポイントなど。
スマートフォンで表示される情報はすべてデータです。
スマートフォンで扱うこれらのデータは、
▶ スマートフォン本体に記録されているものと、
▶ インターネット上に記録されているもの
に分けられます。
例えば、スマートフォンの料金明細、チャージしたポイントなどはスマートフォン本体だけでは確認できません。
その事業者のシステムに記録されているからです。
このような情報は、その都度 インターネットを経由して事業者のシステムから確認します。
ただし、インターネットはたくさんの人が接続して利用するものです。
そこで、自分の個人的なデータは「データのロッカー」のようなものに小分けして保管されています。
このロッカーは鍵がないと開きません。
この鍵が「アカウント」なのです。
2. データのロッカーを開ける「鍵」
インターネット上の事業者のシステムに行くと、入り口には無数の「データのロッカー」が並んでいるような状態といえます。
利用者ごとに個人のデータが保管されているからです。
そこで、自分の「データのロッカー」を選ぶために「ID」を入力します。
これは「データのロッカー」につけられた「名札」に相当します。
次に鍵を開けるには、「パスワード」を入力します。
これが「見えない鍵」の「ギザギザの形」に相当します。
このようにロッカーを選んで鍵を入れることで、個人のデータを見ることができます。
個人のデータを見るための本人確認を「認証」と言います。
3. 鍵とロッカーが会員の証
スマートフォンには、さまざまなアプリ・サービスがあります。
一部のアプリ・サービスでは、個人のデータをシステム側で保管する仕組みになっています。
そのため、利用を開始するときに「データのロッカー」と「見えない鍵」とを用意する必要があるのです。
これが「アカウントの作成」です。
個人のデータが保管してもらうために、そのサービスの会員登録をします。
ですので、「アカウント」は「サービス会員資格」とも言えます。
「ID」には、自分の電話番号やメールアドレスを伝え、
「パスワード」として複雑な英数字の文字列を決めるのが 一般的です。
「ID」は、会員番号(会員を区別する目印)と連絡先を兼ねることが多いです。
4. インターネット上での手続き
個人のデータは見るだけでなく、ルールに従って操作できます。
インターネット通販などでの購入などはこの操作の一種です。
自分の個人データに購入の記録を追加することが「注文」なのです。
5. 見えない鍵はどんどん増える
スマートフォンで利用するアプリ・サービスが増えると、徐々にたくさんの「見えない鍵」を持つことになります。
スマートフォンでこのような「見えない鍵」が多く必要になるのは、顔の見えないやり取りだからです。
それだけでなく、もともとはじめから2つ以上の「鍵」を持ってスタートするのが一般的です。
携帯ショップでスマートフォンの契約の手続きでは、
▶ ドコモやauなどの通信事業者、
▶ GoogleやAppleといったスマートフォンのシステム開発会社、
の会員登録をし、パスワードを控えているはずです。
さらに、「LINE(LINEヤフー社)」などの利用開始の会員登録をしていることも多いです。
多くの鍵の束で混乱しないようにするには
「ギザギザの形(パスワード)」だけでなく、
「どこの会社(サービス事業者)」の
「どのロッカー(ID)」に対応しているのか、
3つ組にしてメモしておく必要があります。
6. ふだんは鍵を意識しない
ただし、普段はあまり「見えない鍵」を意識せずに、使うことができます。
一度パスワードが入力されると、スマートフォンはサービス・ID・パスワードの3つ組を記憶できるからです。
ただし、スマートフォンが覚えてくれているからといって、パスワードを忘れてよいわけではありません。
買い替えなどで新しいスマートフォンになると、改めてパスワードを入力しないといけないタイミングがあるからです。