- 「チラシなどにフリーイラストを使いたいけれど、間違えて請求などが発生しないか心配」という相談がありました。
- ダメな例は「フリーイラスト」「無料」などのキーワードで画像検索して、そのままサイトにアクセスせずに画像をダウンロードすること。
- イラスト配布サイトで「利用規約・利用上の注意点」を確認するまでは、使ってはダメです。
どこまで商用利用できるかや、何が禁止される再配布なのかを確認しておきます。 - 毎回、検索結果の利用規約を確認するのも大変です。
通常は、いくつか「行きつけのサイト」を決めて、そこを利用するのがよいです。 - ちなみに「生成AI」による画像も、学習データと似すぎる出力があった場合、著作権の侵害になる可能性があるため注意が必要です。
1. 「フリーイラスト」で検索しても……
「フリー素材」と思い込んでイラストを利用し、後日 約25万円の使用料の請求が発生したニュースがありました。
市教育委員会によると、同校の教諭がインターネットで見つけたイラストを無料で使用できるフリー素材と思い込み、2016年9月のほけんだよりに転載した。(…)
教諭はフリー素材をうたったサイトから問題のイラストを転載していたが、市教委が利用規約を調べたところ、使用料が発生する旨、明記されていたという。
また、ほけんだよりをHPで公開したのは3年間で、その後は削除していたが、サーバーにデータが残っていたため、今年まで7年間の使用料相当額として25万3000円を支払うことで示談が成立したという。
フリー素材と思い込み…市立中の「ほけんだより」でイラスト無断使用、著作権侵害で作者に賠償 : 読売新聞(2023年3月11日)
同様の事件は過去にもいくつかあります。
山武市内の市立中学校の学校だよりでインターネット上のイラストを無断で使用したとして、市が著作権者の県外在住イラストレーターに12万1千円の損害賠償金を支払ったことが10日、分かった。
市教委によると、学校職員がネット上で「フリー」などと入れて検索してイラストを見つけた。イラストを掲載した学校だよりを2020年9月に発行し、学校で配布したほか、学校のホームページに掲載。イラストは実際はフリー素材ではなく、昨年12月に著作権者側から学校側に連絡が来て発覚した。
学校だよりのイラスト、著作権侵害で賠償金 フリー素材と誤認、12万円支払う 山武市の中学校で | 千葉日報オンライン(2023年3月11日)
これらは無断使用の上、インターネット上で公開し続けていたため、過去に遡って利用料が発生するため高額な請求になりました。
2. 画像検索の注意点
Googleなどの検索サイトを使った場合、「フリー」などと画像検索しても、出てくる結果は必ずしもフリー素材とは限りません。
検索エンジンでは、画像の利用条件を元に結果を表示しているわけではありません。
大まかに言えば、ウェブページに含まれる語句が基準になっています。
つまり、有料のイラスト素材のページでも、どこか(例えば、別ページへのリンクなども)に「フリー」などの文言が含まれていれば、結果に表示されることがあるのです。
ちなみに、Google画像検索には「ツール」で、ライセンスを選ぶこともできます。
ただ、無料のライセンスもそれぞれ。
代表的な「クリエイティブ・コモンズ」が設定されているものに限定されます。
国内のフリーイラストサイトの多くは、「クリエイティブ・コモンズ」のライセンスではないので、望むようなイラストは表示されにくいかもしれません。