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スマホの「カメラ」アプリで満月を撮った(Pixel 5の場合)

スマホの「カメラ」アプリで満月を撮った(Pixel 5の場合)
  • 満月のクレーターまできれいに撮影するには、かなり「暗く」設定する必要があります。
  • スマホのカメラアプリでは自動調整されるため苦労しましたが、なんとか撮影できました。
  • 撮影できた写真の「詳細」を確認してみると、露光時間が小さく、ISO感度が低い値になっていました。
環境

Pixel 5, 標準「カメラ」アプリ

スマホの「カメラ」アプリで満月を撮った(Pixel 5の場合)

YouTube動画でも話しています。

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この記事では、わかりやすさを重視して説明しています(やや厳密さには欠ける表現もあります)。イメージが掴めたら、より専門的な解説へと進んでください。

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1. 満月は思う以上に「明るい」

スマートフォンの標準「カメラ」アプリ満月をそのまま撮影すると、クレーターの模様が真っ白につぶれてしまいがちです。

満月は思う以上に「明るい」

これは、スマートフォンの「カメラ」アプリは、明るさなどを自動調整しているからです。
特に、通常は夜景の撮影に適した設定になっています。

満月は思う以上に「明るい」

夜景に比べると満月はかなり明るいため、撮影すると白くつぶれてしまうのです。

そこで、きれいに撮影するにはかなり暗くしていく必要があります。

満月は思う以上に「明るい」

被写体である満月をタップし、表示される「明るさ」「シャドウ」のスライダーを下にずらします。

1-1. 満月の撮影は自動調整に合わない

しかし、明るさを一番下まで下げてもなかなかうまくいきません。

実は、スマートフォンのカメラアプリは、月をタップしたときにピントを合わせるだけでなく露出補正を自動調整しています。
しかし、満月の場合は なかなか思い通りになりません。

  • 周りが暗いため露出が自動的に上げられるから、
  • 月の周りには距離を比較するものがなく遠近感がわかりにくいからです。

2. 何度も「露出補正のキャンセル」して挑戦

とはいえ、何度もピント合わせ直していると、たまたまうまくいくこともあります。

基準となる明るさが明るすぎたときには、いったん露出補正をキャンセルしてピントを合わせ直します。

何度も「露出補正のキャンセル」して挑戦

ピント合わせに画面をタップしてから、じっくり待つのがコツみたいです。

3. うまく撮れた写真のExif情報

うまく撮れた写真のExif情報

うまく撮影できた写真は何が違っているの?

撮影した写真の詳細情報を確認してみます。
フォト」アプリで写真を表示して、上にスライドします。

うまく撮れた写真のExif情報

露出を決定する三大要素は、絞り、露光時間、ISO感度です。

  • 絞り…光が通過するレンズの開口部の大きさ
  • 露光時間…光センサーがアクティブな時間
  • ISO感度…光センサーの感度
うまく撮れた写真のExif情報
Exif情報

Exif(イグジフ1:Exchangeable Image File Format)」は、デジタルカメラで撮影した画像ファイルに埋め込まれる付加情報のフォーマットです。

解像度などの画像に関する基本情報だけでなく、絞り値やISO感度などの撮影に関する技術情報カメラ本体の情報位置情報などが含まれています。

うまく撮れた写真のExif情報

このあたりの考え方は、一眼レフカメラなどと共通です。

スマホで手動調整しようと思ったら、それに対応したカメラアプリをインストールすることになります。

(アプリ)

3-1. 露光時間やISO感度が違う

うまく撮れた写真では、露光時間(シャッタースピード)1/700 ぐらい、ISO感度が 55になっていました。

露光時間やISO感度が違う
No.1234
絞り値F1.7F1.7F1.7F1.7
露出時間1/241/1201/8351/688
焦点距離4.38mm4.38mm4.38mm4.38mm
ISO感度ISO619ISO126ISO55ISO55

露光時間は短く、ISO感度を抑えることで、明るい満月を暗く撮影できていたことがわかります。

露光時間やISO感度が違う

実は、一般的なスマートフォンのカメラでは、絞り値や焦点距離は自由には変えられません。
レンズに依存する部分で、複数のカメラがついていれば、それを切り替えています。

3-2. 露光時間(シャッタースピード)

露光時間」は、シャッターを開閉する時間で、単位は「秒」です。
(例えば、1/24 なら、1/24秒です)。

「シャッタースピード」とも言います。
運動会の徒競走など、動いている被写体を撮影するときには、シャッタースピードは速い方がブレません。

露光時間(シャッタースピード)

夜景や星空を撮影するときには、露出時間は長く取りますが、その場合は手ブレを防ぐ対策が必要になります。。

「露出」と「露光」2

シャッターを開閉する時間のことを「露出時間」と思い込んでいたのですが、正しくは「露光時間」と言うようです。

「露出」も「露光」も英語では同じ”Exposure”という単語になりますが、日本語では微妙に区別しています@3

  • 「露光」は、「撮像素子に光を当てる行為」そのものを指すのに対して、
  • 「露出」は、「カメラに入る光の量」を表すのに使われるからです。

3-3. ISO感度

ISO感度」は、フィルムや撮像素子の光に対する感度のことです。

つまり、数値が大きいほど光に敏感で、デジタルカメラではセンサーからの信号を電気的に増幅する仕組みになっています。

ISO感度を上げると暗い場所でも短い露光時間で撮影できます。
ただし、ノイズが増えてしまいます。

ISO感度

「ISO感度」の「ISO」は、国際標準化機構(International Organization for Standardization)に因っています。

写真における「ISO感度」は、この機構が定めた感光速度の国際規格です。
フィルムの感度を表すASA(米国規格)とDIN(ドイツ規格)を統合した規格で、デジタルカメラでもこの規格を踏襲しています。

フィルム時代のISO感度とデジタルのISO感度は、同じ数値なら同じような明るさで撮影できるように設計されています

3-4. 焦点距離

焦点距離」は、主に広角・望遠などの画角に影響します。

基本的にレンズの物理的な設計で決まります。
単焦点レンズは焦点距離が固定ですが、ズームレンズはズームリングを回して焦点距離を変更できます。
これは、1本のレンズで複数の画角をカバーするためです。

スマートフォンの場合は、複数カメラが切り替えることで超広角、標準、望遠など切り替えることが多いです。

3-5. 絞り値(F値:有効口径の比)

絞り値(F値)」は、レンズに取り込む光の「絞り具合」を示しています。

F値 = 焦点距離 ÷ レンズの有効口径

  • 小さい値だと開いた状態
    (明るい、背景がぼける)
  • 大きい値だと絞った状態
    (広い範囲にピントが合う)

を示します。

絞り値(F値:有効口径の比)

例えば、レンズの有効口径を1/2にすると、入り込む光量は1/4になります。
このとき、F値は 2倍になっています。

レンズの物理的な設計によって、F値の範囲が決まっています(例:F1.8 – F16など)。
デジタル一眼カメラでは、ファインダーを覗きながら絞りをダイヤルで調整したり、撮影モードで自動調整したりします。

ただし、スマートフォンの場合は、物理的な絞りがないか、固定絞りになっていることが多く、F値は固定されています。

F値

F値(F-number)の「F」は「焦点距離Focal Length)」に由来します。
しかし、レンズの有効口径で割っているので、絞りの程度を表しているのです。

ちなみに

一部のカメラアプリは、「絞り」をソフトウェアでシミュレートして、擬似的に再現しています。
ISO感度シャッタースピードを変更することで光量制御しているのです。

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(補足)

  1. Exif 写真用語集:特集|個人|キヤノン
  2. 追記:2024-12-23
  3. 【カメラ初心者でも分かる】露出ってなに?露光とどう違うの?徹底的解説!
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