マイナポイントのキャンペーンなどの影響で、シニア世代でも「マイナンバーの登録をした」という方が増えました。
しかし、これまで「アカウント」の仕組みに慣れていない方が、いきなりマイナンバーを利用するのは ややこしいように思います。
アカウントを上手に管理することは、現代生活では必須の知識ですね。
1. 【ややこしい1】アカウントは他人に任せられない
スマホでは、いろんな「アカウント」に登録してサービスを利用します。
例えば、「dアカウント」や「Googleアカウント」、「LINEアカウント」など、
スマホの契約時には、たくさんのパスワードをメモすることになります。
「このアカウントが ややこしい」という方も多いと思いますが、
「マイナンバー」も、そのようなアカウントの1つと言えます。
ややこしさの本質的な理由は、「自己管理」だからです。
個人番号やパスワードは、誰かに任せることはできません。
誰もが 自分で管理する必要があります。
しかも、Googleアカウントなどと違って、スマホが記憶してくれるわけでもありません。
毎回、自分で認証しないといけません。
スマホを習う理由は、操作そのものより、この「自己管理」の部分が大きいですね。
2. 【ややこしい2】カードと番号、どっちが主?
「マイナンバー」での管理が嫌なら、マイナンバーカードを発行しなければよいかというと、そうではありません。
「マイナンバー」と「マイナンバーカード」は別物です。
「マイナンバー」は、住民票を持つ人に自動的に割り振られています。
第七条 市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、住民基本台帳法第三十条の三第二項の規定により住民票に住民票コードを記載したときは、政令で定めるところにより、速やかに、次条第二項の規定により機構から通知された個人番号とすべき番号をその者の個人番号として指定し、その者に対し、当該個人番号を通知しなければならない。
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 | e-Gov法令検索
「マイナンバー」は、個人を特定するときに必要になります。例えば、銀行口座の開設や給与の受け取り(源泉徴収)などですが、このとき必要になるのは個人番号のほうだけです。これは通知カードでも十分です。
多くの国で、それぞれに「ナショナルID(国民識別番号)」を採用しています。
このような ID は、行政で利用されるため 国民全体が関係します。
個人が自由に参加・不参加を決められる企業のアカウントとは、そこが大きく違います。
そのため、より厳重な情報管理が求められています。
一方、「マイナンバーカード」が必要になるのは、自分で申請(例えば、納税・申告や証明書の発行など)をするときです。
つまり、自分で利用するにはカードが必要なのです。
ただし、スマホから利用するにはマイナンバーカードだけでなく、読み取るための ICカードリーダーが内蔵されている必要があります。
最近のスマホはほとんどの機種が対応していますが、古いスマホだと読み取れない場合があるので要注意。
セキュリティのためなので仕方ないですが、スマホだけではすぐに利用できないのはちょっと不便。いちいちカードを用意するので、ほかのサービスほど気軽には使えませんね。
3. 【ややこしい3】パスワードが2つも!
パスワードが1つではないことも、ややこしさの1つです。
「マイナンバー」には、2つのパスワードがあります。
▶ 4桁の暗証番号 と
▶ 英数字6〜16文字のパスワード です。
ほとんどの手続きは 4桁の暗証番号を利用しますが、
電子申告など一部の手続きでは 長いパスワードも利用します。
よく「パスワードは絶対に他人に見せないように」と言われると思うのですが、たまにしか使わないパスワードを正確に入力するのは厄介ですよね。
マイナンバーは、パスワードを 3回連続で間違えるとロックされます。
しかも、パスワードのリセットはスマホではできず、わざわざ市区町村の窓口に行く必要があります。
とくにスマホの入力に不慣れだと、
・ただ 打ち間違えているだけなのか、
・以前に変更しているのか、
再度入力するのは かなりハラハラします。
4. 【番外】マイナポイントはマイナンバーのポイントではない
授業で話していたら、もう1つ ややこしい点がありました。
それは、「マイナポイントは マイナンバーカードだけでは使えない」ということです。
例えば、「Tポイント」や「楽天ポイント」などは お店でポイントカードを見せて使いますよね。
しかし、マイナンバーカードは、ポイントカードではありません。
マイナポイントを使うには、PayPayや d払い、あるいは ICOCA などのキャッシュレス決済と連携して、そこに移しておく必要があるんです。
これまでキャッシュレス決済を利用していれば簡単ですが、そうでない場合、まずは受け皿となる決済サービスの登録からしなければなりません。
5. どれぐらい普及しているの?
マイナンバーカードの普及率は、デジタル庁によると2022年末時点で 約55%だそうです。
(交付枚数には再交付も含まれるので正確な普及率はもう少し低いと考えられます)
12月11日時点のマイナンバーカード申請枚数は7,844万5,132枚、交付枚数は6,925万8,834枚。人口に対する交付枚数は55%。
マイナンバーカード普及率がわかるダッシュボード デジ庁が公開 – Impress Watch
マイナポイントなどで だいぶ話題にはなっていますが、それでも やっと半分ほどなんですね。
「大事な個人情報過ぎて 扱うのが怖い」というのもあるのかな。
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