プロバイダメールもフリーメールは、インターネットの利用方法の変化の中で順番に生まれました。
現在は、個人の連絡先として「フリーメール」を使うのが主流になっています。
アカウント登録でサービスを利用することが一般化したからですね。
1. プロバイダメールからフリーメールの誕生期

そもそも、どうして プロバイダメールとフリーメールという、2種類のメールができたの?
個人のメールでは、以前(2000年代)はプロバイダメールが主流でしたが、最近(2010年代後半〜)はフリーメールの方がよく使われているようです。
これは、インターネット普及の歴史と関係しています。
日本では 1990年代前半にインターネットサービスが普及し始めます。
このころに、個人でも電子メールを利用するようになり、プロバイダメールが提供されました。毎月のインターネット利用料を払うことでメールアドレスが使えます。
日本では1980年代終盤頃からWIDEプロジェクトやJUNETなどが相次いで立ち上がり、企業や大学等が参加する大規模なネットワークが構成され、米国の流れを受けて1990年代に入り多くの商用ISPが発足した。
インターネットサービスプロバイダ – Wikipedia
2000年代になると、いくつかの「フリーメール」がサービスを開始しています。
例えば、Yahooメールやhotmailなどです。
日本ではYahoo! JAPANが提供している。日本版は1999年1月に開始。
Yahoo!メール – Wikipedia

2000年代にインターネットの高速回線(ADSLや光回線)が普及していることも関係しています。
より、インターネットが手軽になりました。
2. パソコン・スマホのアカウントとフリーメール
とはいえ、フリーメールは、しばらく「サブ」の位置付けでした。
「無料サービス」ということで、継続的に利用できるかまだ不透明だったことと、かんたんに作れるので「使い捨て」にできたからです。個人的な連絡用とは区別して、インターネット上で必要な登録のときにだけ(匿名的に)で利用することが主流でした。

Windows 95〜XPの時代(1990年代〜2000年代)にパソコンで電子メールを利用している場合、プロバイダメールを主な連絡先として利用する人が多かったのです。
その後、最近(2010年代以降)になり、パソコンやスマホの初期設定のときに、アカウントを作成するようになります。それと合わせてフリーメールを取得する機会が増えました。
フリーメールが一般化すると、「メインの連絡先」に利用する人も増えました。
広告モデルによる無料サービスが一般化して継続への安心感が生まれたこと、反対にプロバイダメールはネット契約を解約すると使えなくなることが背景にあります。

個人のメールアドレスは、知り合いに伝える連絡先になるので、なるべく「長く使いたい」からですね。
3. Web1とWeb2
最近(2023年時点)、「Web3」というインターネット利用の「世代変化」が話題になっています。
個人が連絡先としてメールアドレスが、プロバイダメールからフリーメールへと移行した現象は、「Web1」から「Web2」への変化ととらえることができます。

電子メールは、共通の規格(プロトコル)で仕組みとサービスが分離していた時代のものです。
プロバイダメールはその初期の性質が残っています。
一方、フリーメールは「アカウント」で管理する時代のものです。
ただし、サービス会社の登録だけで利用できるものの、サービス会社に依存する形になります。
「迷惑メールを除外するため」の名目で、自動プログラムがメールの中身をチェックする設定になっていることが多いです。また、利用規約違反の疑いで、利用停止になってしまうと、知り合いとの連絡にも困ってしまいます。

フリーメールは無料で便利ですが、プライバシー保護や利用停止のリスクなど、運営会社の権限が大きい点は大事ですね。
こちらもどうぞ。




