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Windows 11から「トラブルシューティング」が廃止される【問い合わせアプリへ移行】

この項目は、随時追記します。なにかのヒントになれば嬉しいです。

Windows 11から「トラブルシューティング」が廃止される【問い合わせアプリへ移行】

Microsoftは、Windows 11の次期バージョンから「トラブルシューティング」などを「非推奨」にして、段階的に廃止する計画を発表しました。

といっても、「トラブルシューティングツール」の役割は、「問い合わせ」アプリに置き換えられます。

また、22H2以前の Windows 11や Windows 10などでは、そのままの予定です。

Windows 11から「トラブルシューティング」が廃止される【問い合わせアプリへ移行】

MSDTの脆弱性に対応し、システムツールを「ネイティブアプリ」から「Windowsアプリ」に置き換えていく流れの一環のようですね。

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この記事では、わかりやすさを重視して説明しています(やや厳密さには欠ける表現もあります)。イメージが掴めたら、より専門的な解説へと進んでください。

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1. 廃止されるトラブルシューティングとMSDT

Microsoftのサポートページに、「Microsoft サポート診断ツール (MSDT) と MSDT トラブルシューティング ツールの廃止 」のお知らせが追加されました。

廃止されるトラブルシューティングとMSDT

Microsoft では、キーボード トラブルシューティング ツールや音声トラブルシューティング ツールなどの Windows レガシ受信トレイのトラブルシューティング ツールと、それらを実行するMicrosoft サポート診断ツール (MSDT) を廃止しています。

Microsoft サポート診断ツール (MSDT) と MSDT トラブルシューティング ツールの廃止 – Microsoft サポート
出典:Microsoft サポート診断ツール (MSDT) と MSDT トラブルシューティング ツールの廃止 – Microsoft サポート
出典:Microsoft サポート診断ツール (MSDT) と MSDT トラブルシューティング ツールの廃止 – Microsoft サポート

1-1. 廃止される項目と移行される項目

廃止される項目と移行される項目

トラブルシューティングは、便利だったのに…。
なくなっちゃうの?

すでに、2022年5月に、MSDTには脆弱性が見つかっていて、「非推奨」とされています。

廃止されるトラブルシューティングツールもありますが、よく使われるツールは「問い合わせ」アプリに置き換えられます。

廃止される項目と移行される項目

1-2. 「問い合わせ(GetHelp)」アプリはWindowsアプリ

問い合わせ(GetHelp)」アプリは、Windowsアプリです。

「問い合わせ(GetHelp)」アプリはWindowsアプリ

「Program Files」の「WindowsApps」フォルダに「Microsoft.GetHelp_##」として保存されていました。

2. 「レガシー受信トレイのトラブルシューティング」とは?

「レガシー受信トレイのトラブルシューティング」とは?

ところで「レガシー受信トレイのトラブルシューティング」ってどういう意味?

レガシー受信トレイのトラブルシューティング」は、英語では「The legacy inbox troubleshooters」と表記されています。

The legacy inbox Windows Troubleshooters are built-in tools that, when launched, automatically diagnose and correct common problems for a variety of Windows features.

(従来の受信トレイ Windows トラブルシューティング ツールは、起動されると、さまざまな Windows 機能の一般的な問題を自動的に診断して修正する組み込みのツールです。)

Deprecation of Microsoft Support Diagnostic Tool (MSDT) and MSDT Troubleshooters – Microsoft Support

「legacy」は「遺産」、「inbox」は「受信トレイ」という意味ですが、「受信箱」では意味が通りません。

「Troubleshooters」は、つねに「legacy inbox Troubleshooters」と表記されているので、「legacy inbox」で「廃止予定の」という意味のように感じます。ただ、”legacy inbox”という用法は、ざっと確認して他に見つけられませんでした。

「レガシー受信トレイのトラブルシューティング」とは?

“legacy inbox”で「ガラクタ箱」みたいな意味なのかな?

2-1. Microsoft サポート診断ツール(MSDT)

トラブルシューティングツールが廃止される要因は、MSDTプラットフォームに依存しているからです。

Many troubleshooters are built on the MSDT platform. 

(多くのトラブルシューティング ツールは、MSDT プラットフォーム上に構築されています。)

Deprecation of Microsoft Support Diagnostic Tool (MSDT) and MSDT Troubleshooters – Microsoft Support

Microsoft サポート診断ツール (MSDT:Microsoft Support Diagnostic Tool)」 は、Windowsにおいてトラブルシューティングパックを呼び出す機能です。

MSDTは、Windowsにおいてトラブルシューティングパックを呼び出す機能であり、Microsoft Support Diagnostic Tool(Microsoftサポート診断ツール)と呼ばれています。

MSDTとは【用語集詳細】

また、MSDTは、エラー時の診断データを Microsoftに送信する機能もあります。

Microsoft サポート診断ツール (MSDT) は、Microsoft サポートに送信する情報を収集します。 Microsoft サポートは、この情報を分析し、コンピューターで発生する可能性がある問題の解決を決定するために使用します。

MSDT に関する質問に回答する – SQL Server | Microsoft Learn

2-2. msdtコマンド

トラブルシューティングは、msdtコマンドから呼び出すことができます。
各トラブルシューティングツールは、診断パッケージIDに対応しています。

msdt </id <name> | /path <name> | /cab < name>> <</parameter> [options] … <parameter> [options]>>

コマンド ラインで、または自動スクリプトの一部として、トラブルシューティング パックを呼び出し、ユーザー入力なしで追加のオプションを有効にします。

/id 実行する診断パッケージを指定します。

msdt | Microsoft Learn

例えば、「ネットワーク診断」なら「NetworkDiagnosticsWeb」のように。

msdt /id NetworkDiagnosticsWeb
Troubleshooting Pack IDDescription
AeroDiagnosticTroubleshoots problems displaying Aero effects such as transparency.
NetworkDiagnosticsDATroubleshoots problems connecting to a workplace network over the Internet using DirectAccess.
DeviceDiagnosticTroubleshoots problems using hardware and access devices connected to the computer.
HomeGroupDiagnosticTroubleshoots problems viewing computers or shared files in a homegroup.
NetworkDiagnosticsInboundTroubleshoots problems with allowing other computers to communicate with the target computer through Windows Firewall.
NetworkDiagnosticsWebTroubleshoots problems connecting to the Internet or to a specific website.
IEBrowseWebDiagnosticHelps the user prevent add-on problems and optimize temporary files and connections.
IESecurityDiagnosticHelps the user prevent malware, pop-up windows, and online attacks.
NetworkDiagnosticsNetworkAdapterTroubleshoots problems with Ethernet, wireless, or other network adapters.
PerformanceDiagnosticHelps the user adjust settings to improve operating system speed and performance.
AudioPlaybackDiagnosticTroubleshoots problems playing sounds and other audio files.
PowerDiagnosticHelps the user adjust power settings to improve battery life and reduce power consumption.
PrinterDiagnosticTroubleshoots problems printing.
PCWDiagnosticHelps the user configure older programs so that they can run in the current version of Windows.
AudioRecordingDiagnosticTroubleshoots problems recording audio from a microphone or other input source.
SearchDiagnosticTroubleshoots problems with search and indexing using Windows Search.
NetworkDiagnosticsFileShareTroubleshoots problems accessing shared files and folders on other computers over the network.
MaintenanceDiagnosticHelps the user perform maintenance tasks.
WindowsMediaPlayerDVDDiagnosticTroubleshoots problems playing a DVD using Windows Media Player.
WindowsMediaPlayerLibraryDiagnosticTroubleshoots problems with adding media files to the Windows Media Player library.
WindowsMediaPlayerConfigurationDiagnosticHelps the user reset Windows Media Player settings to the default configuration.
WindowsUpdateDiagnosticTroubleshoots problems that prevent Windows Update from performing update tasks.

2-3. Windows Troubleshooting Platform

Windows Troubleshooting Platform

「トラブルシューティング ツール」は、どうやっていろんな機器の問題を調べるの?

「トラブルシューティング」は、各メーカーが点検用スクリプトを提供することで、多様な問題に対応できるようになっています。

機器メーカーは、Windows Troubleshooting Platform に点検用スクリプトを提供しています。
ドライバーの提供と似ています。

Windows Troubleshooting Platform (WTP) provides ISVs, OEMs, and administrators the ability to write troubleshooting packs that let home users and information workers troubleshoot and resolve their PC problems.

(Windows トラブルシューティング プラットフォーム (WTP) を使用すると、ISV、OEM、および管理者は、ホーム ユーザーやインフォメーション ワーカーが PC の問題をトラブルシューティングして解決できるようにするトラブルシューティング パックを作成できます。)

About WTP | Microsoft Learn
Windows Troubleshooting Platform

2-4. MSDTの脆弱性(悪意のあるコードを実行する踏み台になってしまう)

MSDTには、Wordなどのアプリケーションから呼び出して、任意のコードを実行できてしまう、という脆弱性が見つかっています。

Wordの設定でマクロを無効化していても、悪意のあるコードを実行できてしまうため、かなり危険です。

出典:注意喚起:Windowsサポート診断ツールの脆弱性「Follina」について | サービス&amp;セキュリティ株式会社
出典:注意喚起:Windowsサポート診断ツールの脆弱性「Follina」について | サービス&セキュリティ株式会社

2022年5月27日にMSDTの脆弱性(CVE-2022-30190、別名Follina)を悪用したWordファイルが発見されました。

Microsoft WordなどのアプリケーションからOffice URI Schemenew window[6]を使用してMSDTを呼び出すことで、任意コードの実行が可能です。

VBAマクロを使用せずに悪用可能なため、マクロの無効化では防止できない。

Microsoft Wordなどを介して任意コード実行が可能なMSDTの脆弱性(CVE-2022-30190、Follina)の検証 : NECセキュリティブログ | NEC

FollinaはこのMSDTの脆弱性であり、攻撃者が細工したWordファイルやRTFファイルをきっかけにMSDTが呼び出され、PowerShellでコードが実行される可能性があります。

注意喚起:Windowsサポート診断ツールの脆弱性「Follina」について | サービス&セキュリティ株式会社

NECセキュリティブログによる検証例では、Word文書を開いただけで 電卓アプリを起動させることができていました。

この脆弱性は、MSDT URL プロトコルを無効にすることで回避できます。

reg delete HKEY_CLASSES_ROOT\ms-msdt /f

また、2022年7月にWindows Update(KB5015805)で修正されています。

2022 年 7 月 12 日更新 : マイクロソフトによる対応の一環として、7 月 累積更新プログラムにおいて、発見された Defense in depth の亜種を修正しました。

MSDTの脆弱性(悪意のあるコードを実行する踏み台になってしまう)

メールなどで送られた文書ファイルを開いただけで、なんらかのコードを実行されてしまうんだね。

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