LINEアプリは、データの引き継ぎやプライバシー管理などに不満があっても、別のアプリに移行するのは現実的には難しいです。
その根本原因は、「アカウント」という Web2.0の仕組みにあります。
8vividの「『脱LINE』や『LINE離れ』が困難な理由は“Web 2.0病” 」という記事が面白かったので、それをもとに考えます。
1. LINEはWeb2.0の申し子
LINEなど既存アプリへの不満を、Web2.0、Web3.0の文脈で考えると、視点が広がります。
記事では、「LINE離れ」が困難な理由として、2点挙げています。
かんたんに言うと、
・内部データが独自形式になっていて、他のサービスに移行できない(サイロ化)
・すでに多数の利用者がいるため、利用せざるをえない(バンドワゴン効果)
ということです。
2. Web2.0は囲い込もうとする
とくに、「Web2.0」で特徴的なのは、「独自形式による囲い込み」の部分です。
以前のWeb1.0では、「プロトコルの標準化」が一般的でした。
例えば、電子メールは、標準化された形式なので、複数のサービスが選択肢になります。
一方、Web2.0では、個々に便利で多様なサービスが提供されました。
しかし、もっともたくさんの利用者を抱えるサービスが最大の利益を享受するため、サービス競争が進みます。スムーズにサービスを提供するため、企業の決定権も強くなります。
3. 独占したサービスは改善されない
しかし、サービスの寡占化が進むと、サービスに不満があっても改善されなくなってします。
ほかのサービスに移行される脅威がないからです。
Webサービスは、システム的にデータ移行を阻むことができるため、ほかの業種よりも固定化されやすくなります。
数年前からこのような独占的なWebサービスへの不満はくすぶっていて、それは2つの方向にあらわれています。
1つは、独占禁止の流れです。
欧米では、IT大手企業に対して、いくつもの独占禁止の制限が提起されています。
もう1つが、Web3.0の流れです。
プラットフォーム企業に依存しないサービスモデルの構築です。
2020年代は、支配的なサービスを壊す、新しい流れに注目ですね。
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