ChatGPT や Bard などの チャット生成AI(会話AI) が話題です。
どんな質問にもすぐに回答する AI の登場は、情報検索にとってある種の「革命」的な出来事です。
しかし、便利な反面、その取り扱いについて懸念点も指摘されています。
ただ、これまで情報検索の歴史を振り返って見てみると、すでに同様のことを経験していることにも気づきます。
1. 完全に信頼できる情報源などない(インターネット黎明期のWikipedia)
会話AI の場合、その情報の「信憑性」が問題になります。
AI の生成する情報は、結局のところ「つぎはぎ」なので、本当に「正しい」ことを保証できないのです。
会話AIの判断基準は、統計分析です。
真実を確かめる手段がないからです。
オックスフォード大学のCarissa Véliz氏はAI言語モデルが仕組み的に「統計分析に基づいてもっともらしい回答を出力するように設計されていて、真実を回答するようには設計されていない」と指摘しています。
Googleの会話AI『Bard』が広告で誤情報を回答。親会社Alphabetの株価急落 | テクノエッジ TechnoEdge
しかし、「何でも教えてくれるけど、鵜呑みにできない」という性質に、インターネット黎明期を思い出します。例えば、「Wikipediaは、論文では使ってはいけない」とよく言われたものです。
とはいえ、それから四半世紀も経ち、すでにインターネットは生活の一部になっています。
もちろん、今でも誤情報はあるものの、実用上は「概ね信頼に足る情報源」として利用されます。
「リテラシー」の重要性が主張されても、結局 人は信頼性よりも内容の方に惹きつけられてしまいます。
また、ChatGPTなどの会話AI の方も、今は粗や弊害も気になりますが、いずれは時間の経過で洗練されていくと思います。
すでに、学習する情報源を限定させて、出典を表示できる システムもあります。
スマホでの困りごとなどは、「ヘルプ」を探すんじゃなくて、「会話AI」が答えてくれたら、かなり便利になるよね。
そうですね。
スマホの困りごとをAIが解決してくれるなら、対面のスマホ教室の役割は、もっと人間に焦点を当てて「楽しさ」を提供していく方向になっていくのかもしれませんね。
2. 使い慣れた方法と新しい方法(Siriを使っているのか?)
ただ、洗練された会話AI ができたとしても、実際に人々がそれに依存するようになるかというと、まだ未知数の部分もあります。
というのも、人には 「より効率的な方法」よりも「より慣れた方法」を好む傾向があります。
例えば、キーワード検索以外の調べ方に、「Siri」 や 「OK, Google」 などの音声アシスタントがすでにあります。しかし、多くの人のスマートフォンにはじめから使える状態であるにも関わらず、まだ使う人がそれほど多くはないのが現状です(それでも若い世代ほど、活用している印象ではありますが…)。
「ChatGPTがGoogle検索に置き換わるかどうか」でいうと、そうはならないだろうと思っています。Googleより部分的にいい検索サービスなんて過去にもたくさんあったんですよ。でも結局誰も使わなかった。ほとんどのサービスは消えてなくなりました。(…)
SiriやAlexaだってあれだけ便利なのに、「時間を聞く」「天気を聞く」「音楽を再生する」以外にはほぼ使われていないという結果が出ています。
辻正浩氏が語る、SEOに携わる者の責務と未来 – Marketeer(マーケティア)
情報社会にとっての、時代の変革期にいるんだね。
ちょっと不安もあるけど、ワクワクするね。
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