Googleは、2014年〜2018年の間、利用者が設定で「位置情報」をオフにしているにも関わらず、GPS以外の情報を組み合わせて位置情報に推定し、それに基づく検索結果・広告などを表示していたことが問題になっていました。
Googleは「(過去の)利用者の位置情報の収集・利用に不適切な点があった」ことを認めたようです。
Googleでは、端末設定やアカウント設定の中で、「位置情報」のオン・オフがあります。
確かに「位置情報」をオフにするとGPS機能は無効化されます。しかし、さまざまなGoogleサービスやWi-Fiデータ、広告パートナーから得た情報などを通じて、利用者の位置情報を推定し、それに基づく情報表示をしていたのです。
これが事実誤認を誘導する表示で、「不適切」と指摘されました。
Googleでは、すでに指摘を受けて、表示を改めている、としています。
身を守るためには、利用者側も他人任せにせず、サービス・機能の「意味」を、しっかり理解していくこと大事ですね。
1. Googleによる位置情報の収集問題
Googleが「位置情報の不適切な収集」で、州政府などに和解金を支払うそうです。
Googleが不適切にユーザーの位置情報を収集していた問題を巡り、同社が3億9150万ドル(約550億円)を支払うことで合意が成立しました。
Googleが「位置情報をオフにした後も追跡を続けていた問題」で約550億円の支払いに同意 – GIGAZINE
問題そのものは 2020年に表面化していたもので、2022年になって ようやく決着したことになります。
Google側でも、「古い製品ポリシー」に問題があったことを認めています。
Googleの広報担当者であるJose Castaneda氏は声明の中で、「近年行ってきた改善の一環として、数年前に変更した古い製品ポリシーに基づいていたこの問題の調査を終結させました」とコメントしました。
Googleが「位置情報をオフにした後も追跡を続けていた問題」で約550億円の支払いに同意 – GIGAZINE
1-1. 紛らわしい表示・説明
「ポリシー」の問題点とは、2014年から行われてきた表記・運用のことです。
設定で「位置情報の無効化」にしても、GPS以外の手段で利用者の位置情報を収集していた点が、「適切ではない」と問題視されました。
訴訟によると、少なくとも2014年以降、Googleは消費者に対して不誠実なプライバシー慣行を取っているとのこと。具体的には、虚偽の約束とダークパターンを利用することで、Googleがユーザーのデータによりアクセスできるようにサービスを構築してきたと司法長官らは主張しています。
(…)
ユーザーがアカウントやデバイスの設定を変更し、位置情報を無効にした後でも、GoogleはさまざまなGoogleサービスやWi-Fiデータ、広告パートナーから得た情報などを通じて位置情報を特定していると訴状は主張しています。
Googleが「少なくとも2014年からユーザーをだまして位置情報を収集してきた」と複数州の司法長官から訴えられる – GIGAZINE
「ダークパターン」とは、「ユーザーを意図的にだますような表示」を総称します。
例えば、ニュース記事と広告を紛らわしく配置したり、偽の価格割引や割引期限を表示したり、注意書きが異常に小さかったりなどが、「ダークパターン」です。
2. トラッキングへの同意が必須になった
近年、ネット広告などで「トラッキングとプロファイリング」という、利用者データの収集・分析が広く行われるようになっています。
一方で、2020年ごろから、プライバシー侵害の問題がいくつも表面化してきました。
Googleの位置情報の収集問題もその1つです。
そこで、必ず事前に利用者の同意を得るように、規制が強化されました。
それに合わせて、多くの企業サービスでプライバシーポリシーが改定され、データ収集の範囲と目的が明示されるようになっています。
3. 機能を理解して使っているのか?
Googleでは、他にも「ロケーション履歴」という機能があります。
これがオンだと、Googleマップは、自宅や職場の場所を自動設定してくれます。
位置情報を記録して分析すると、その場所に何時から何時まで何分間滞在したかということがわかるからです。
ルート検索で、自宅や職場を指定しやすくなる便利さがありますが、内容をよく理解しないまま利用している人も多いと思います。
なんとなく「同意」していて、オンになっていることもあるので、確認しておきましょう。
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