どうしてネット広告には「目のやり場に困るもの」のが多いの?【プライバシーと快適さ】

どうしてネット広告には「目のやり場に困るもの」のが多いの?【プライバシーと快適さ】
Q
インターネットでニュースなどを閲覧していると、目のやり場に困る広告が多い気がします。
特に、そういうページを閲覧しているつもりはないのですが、なぜですか?
A

ネット広告は、利用者の興味に合わせて表示されます。

ただし、利用者の閲覧データの記録が不足している場合は、手っ取り早く「反応率の高い」、扇情的な広告の表示を増やす傾向があります。

プライバシー保護の設定にしていると、かえって不快な広告が増えることがあるのです。

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この記事では、わかりやすさを重視して説明しています(やや厳密さには欠ける表現もあります)。イメージが掴めたら、より専門的な解説へと進んでください。

1. プライバシー保護は広告システムを混乱させる

ネット広告のほとんどは、「いかにクリックさせるか」という観点で、自動プログラムが選別しています。つまり、ネット広告は、広告システムが利用者を見て表示しています。

パーソナライズとは? – スマホ教室ちいラボ
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そうすると、「いかがわしい」広告が多いのは、まるで普段から「いかがわしい」サイトを閲覧しているから、と考えてしまいますが、実は必ずしもそうとは限りません。

それは、利用者の興味を推測するデータ(閲覧履歴など)がない(少ない)場合があるからです。

プライバシー管理のために、広告システムへの閲覧履歴を記録させないようにブロックする設定(トラッキングの阻止)があります。すると、広告システムは利用者の興味・関心がわからないため、どんな広告を表示したらよいか混乱してしまいます。

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2. 「とりあえず反応率の高い広告」に頼る

それなら、広告を表示しないでほしいものですが、このように興味が不明な場合、広告システムは「とりあえず反応率の高い広告」を表示する、という判断をします。

この「とりあえず反応率の高い広告」に、
▼「成人向け漫画」や
▼「美容系」・
▼「セキュリティ」
などの広告が多いのです。

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これらの広告は、よくも悪くも感情を喚起するので、クリック率が比較的高くなるです。
また、広告単価も高い傾向にあります。

広告側の都合としては「広告効果が高い」のでしょうが、興味がない人にとっては、かなり不快な広告を押し付けられることになります。

3. あえて興味をオープンにする

そこで、この対策としては、あえて自分の興味を広告システムに教えてあげることがあります。

広告システムに、興味・関心の閲覧履歴を勝手に記録されることは、プライバシーを覗き見されるような嫌な感じがします。しかし、反対に「許容できる内容の広告(好きなもの)」を意図的に知らせれば、不快な広告を減らすことができるのです。

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うまく付き合うと、広告枠が自分の好きなもので埋まるので、広告への不快感は(多少は)減ります。

あえて興味をオープンにする

ネット広告と「共存」する道ですね。

4. 広告ブロックと広告ビジネスモデル

広告ブロックと広告ビジネスモデル

でも、やっぱり広告に監視されるのは嫌だな。

広告自体をなくせないの?

もちろん、広告そのものをブロックする方法(広告ブロッカー)という別の手段もあります。

「広告ブロック」は、ネット画面が表示される前にプログラムが下調べをして、ネット広告の部分を非表示に制御するプログラムです。

ただし、「ネット広告」によって運営されているネットサービスにとっては、広告ブロックは「タダ乗り行為」です。対策として、広告ブロックが有効だと正常に動作しないように設計されることがあります。

また、「広告ブロックプログラム」は、ネット企業との軋轢のもとなので、公開元の信頼性が小さい場合が少なくありません。

そのため、「広告ブロック」アプリの中には、マルウェアが仕込まれることもあります。
広告ブロックの仕組み上、表示するウェブページを改ざんすることが容易だからです。

利用する場合は、慎重に選ぶ必要があります。

広告ブロックと広告ビジネスモデル

確かに、大企業が「広告ブロック」を出すと、取引先企業との関係がまずくなるもんね。

どうしても、個人や小さい企業が作ることになるのか……。

広告ブロックと広告ビジネスモデル

「広告ブロック」は便利ですが、信頼できる開発元を探すのが難しいんですよね。

途中で、買収されて、更新で悪意のあるコードを混入されることもありますし……

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どちらにしても、タダほど高いものはない、だね。

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