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スマホの基板設計のゆとりとコストパフォーマンス

スマホの基板設計のゆとりとコストパフォーマンス

スマホの設計について、考えさせられる2つの記事がありましたので、ご紹介したいと思います。

ポイント
  • BALMUDA Phoneは、堅牢な余裕ある設計によって想定外の開発費がかかった可能性。
  • AQUOS sense5Gは、ぎりぎりまで詰め込んだ設計によって不具合が出てしまった可能性。
  • スマホの設計は、難しいバランスで調整されている。
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1. BALMUDA Phoneの堅牢性

一つは、「BALMUDA Phone」についての記事です。

「BALMUDA Phone」は、電機メーカーのバルミューダの企画で、京セラが製造しているスマートフォンです。小さくて丸い独自のコンセプトが話題になりましたが、一方で性能に対して高価であったり、技適不適合になってしまったり、販売停止になってしまっています。

大不評「BALMUDA Phone」を禁断の「分解」。調査で判明した「驚愕の中身」とは…… – すまほん!!
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印象に残った点

記事によると、BALMUDA Phone を分解して基板を見ると、「随所に堅牢性を確保する意図」が見て取れ、そこから「防水防塵MIL規格耐衝撃を特徴とする製品を得意とする京セラらしさ」が感じられたそうです。

長持ちする製品設計が裏目に出て、開発費用が上がってしまった可能性を指摘しています。

剛性確保が過剰な感がありますが、おしゃれなバルミューダの家電ですから耐衝撃やMIL規格などは必要ありません。現にBALMUDA Phoneは耐水対応を謳うのみ。剛性よりも電池容量確保などに回していたら、もう少しまともな評価になっていた可能性はあるので残念なところ。

(中略)

バルミューダのやりたいのが「小さな筐体に全てを詰め込み、料理も美味しく撮れるカメラまで素晴らしいおしゃれな高級スマホ」であるのに対し、京セラが最も得意とするのは「過酷な現場だろうが海水の中で使おうが壊れずに動作する強靭強固なスマホ」です。

大不評「BALMUDA Phone」を禁断の「分解」。調査で判明した「驚愕の中身」とは…… – すまほん!!

日本製品は品質管理を重視していると言われますが、過剰な堅牢性がかえってBALMUDA Phoneのコスト・パフォーマンスを下げてしまったのではないか、と示唆されます。

2. AQUOS sense5Gの排熱

それではスマホに長持ちは不要かというと、そうとも言えないのがもう一つのニュース。シャープのスマホ「AQUOS sense5G」についての記事です。

AQUOS sense5Gは、「性能の割には手頃な価格」で人気が出た機種です。しかし、販売から3ヶ月ほどで、「起動できなくなる」などの不具合が頻発して、修理対応になっています。

【独自】3ヶ月で壊れる格安スマホ「AQUOS sense5G」不具合をシャープが認めて謝罪| Buzzap!
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印象に残った点

記事の中で、不具合の原因の可能性を指摘されているのが、基板設計です。

たくさんの部品を狭い基板に詰め込んだ結果、排熱などの問題につながった恐れがあります。

「AQUOS sense4」「AQUOS sense5G」は前モデルと本体サイズをほぼ変えることなく、バッテリー容量を増やしています。

「絶対無理」と言われた基板サイズの縮小にこぎつけた2機種。とりわけsense4をベースに開発されたsense5Gは放熱設計で苦戦していたことが分かります。

「約5割増えた部品を4Gモデルとほぼ同じ面積の基板に実装する」という難題に挑んだsense5G。あくまで推測ですが、部品の実装で無理をした結果、排熱が追いつかなくなり、不具合が頻発した可能性があります。

【独自】3ヶ月で壊れる格安スマホ「AQUOS sense5G」不具合をシャープが認めて謝罪 | Buzzap!

3. スマホの設計は難しい

2つの話を単純化すると、
・BALMUDA Phoneは、堅牢な余裕ある設計によって想定外の開発費がかかり、
・AQUOS sense5Gは、ぎりぎりまで詰め込んだ設計によって不具合が出てしまった、
とまとめることができます(もちろん、それだけが原因ではありませんが……)。

どちらも利用者の使い勝手のための工夫なのですが、バランスを取ることの難しさを感じます。

販売停止や不具合は困りますが、私たちがふだん購入するスマホは、このような微妙な調整の上に成り立っているんですね。

利用者側でも、新製品や新機能が実際に使われて問題がないか、よく吟味しないといけない時代なのかもしれません。

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