- Microsoft Officeの「ライセンス(使用権)」は、Microsoftアカウントに登録します。
- インストールしたMicrosoftアカウントがあれば、再インストールはスムーズです。
- プロダクトキーは、基本的に一回限りの使い切りです。
- ただし、有償ですがサポート窓口で「譲渡手続き」をすることもできます(現在はほぼ終了1)。
「自分が買ったモノ」でも、簡単には移せないんだね。
基本は、インストール時に使った Microsoftアカウントと同じアカウントじゃないと無理だし、PC付属のOfficeはそのPCだけなのか。
身も蓋もない話ですが、Microsoft Officeのライセンスはパターンが多すぎて、「一概に言えない」話ばかりです。
結局は、自分の購入したOfficeのライセンスを確認する必要があります。
1. 古いパソコンのOfficeは移行できる?
文書作成などで使っているPCが、3ヶ月ほど前に急に遅くなりました。
仕方がないので、一万円ほどのWindows10とOfficeが入った中古PC(年式古い)を買いましたが、最近、それも動きが遅くなってしまいました。
以前のPCの方が性能がよいので、一度 初期化して、WordやPowerPointを入れ直したいのですが、できますか?
- もともとのPCにOfficeが入ったのであれば、初期化しても改めて設定し直すことができます。
- 一方、中古PCの方のOfficeについては、ライセンスの移行できないケースの方が多いです。
2. 通常のOfficeのライセンス認証とMicrosoftアカウント
「ライセンス」ってなんなの?
インストールされていたら、使えるんじゃないの?
ソフトウェアは、プログラムがあるだけでなく、「使用権」を取得しないと使うことができません。
この使用許諾を「ライセンス(license)」といいます。
基本的に Microsoft Officeは、Microsoftアカウントにライセンスを登録することで、使用権を管理しています。
デジタルデータはかんたんにコピーできるので、所持していても 不正コピー など使用権がない場合があるからです。
Office を初回にインストールする時に、付属のプロダクトキーを入力したあと、メールアドレスとパスワードを入力して、Microsof アカウントにサインインします。これで、ライセンス(使用権)は、Microsoftアカウントに追加されました。
つまり、プロダクトキーは初回にアカウントに紐づけするときの一度だけしか使用しません。
Officeのライセンス種類(例えば、小売版やボリュームライセンス版)によっては、プロダクトキーを新しいまたは異なるデバイスで再使用できる場合があります。
Microsoftは、特定の条件下でのライセンスの再インストールや移行を許可しています。
2-1. Officeを再インストールする場合
初期化してOfficeを削除しちゃったときは、どうしたらいいの?
紐づけされている Microsof アカウントには、Officeのデータがあります。
何度でも再インストールすることができます。
まず、Microsoft アカウント(https://account.microsoft.com/)にサインインして、「サービスとサブスクリプション」を表示すると、紐付けられているOfficeライセンスが表示されます。
そこから「インストール」することができます。
つまり、再インストールには プロダクトキーはいらないんですよね。
もし、「購入済みの製品」が表示されないときは、初期設定のときにサインインしたアカウントと一致していない可能性があります。
3. 中古PCに付属のOfficeライセンスは「譲渡手続き」が必要
中古PCだったら、Officeの初期設定は別の人がしている場合があるよね。
中古のPCなど、所有者が変わっている場合は、パソコンにはOfficeがインストールされているけれど、ライセンスは自分のMicrosoftアカウントに紐付けされていない、ということが起こりえます。
その場合は、ライセンス認証ができない可能性があります。
まず、たとえ PC に Office が入っていても、プロダクトキーカードが付いていなかった場合は、「使用権」がありません。アンインストールするしかありません。
すでに一度されているプロダクトキーは、入力してもエラーになってしまいます。
このプロダクト キーは既に使用されています。
以前このプロダクトキーを使用していたアクティブなOfficeアカウントでサインインしてください。または、新しいプロダクトキーをここに入力してください。
[オンラインヘルプにアクセス]
[別のアクティブなアカウントを使ってサインインする]
自分で登録のものであれば、「別のアクティブなアカウントを使ってサインインする」を選択して、ID・パスワードを入力できるのですが、中古の場合は他人のアカウントなので難しいです。
ただし、手元にプロダクトキーがある場合は移行できる可能性があります。
「オンラインヘルプにアクセス」してサポート窓口から「譲渡手続き(有償)」をすることができます。サポート窓口に問い合わせをすると、後日、ライセンス認証ができるCDが送られてます。
3-1. 【追記】譲渡サービスはほとんど終了している
Microsoft Office 2019以降のバージョンでは、2021年10月以降、サポート窓口での譲渡サービスとインストール用DVDの提供が終了しました。
Officeのライセンスは、元の所有者のMicrosoftアカウントを使用して管理する方法に移行しています2。
Officeバージョン | サポート終了日 | 譲渡サービスの可否 |
---|---|---|
Office 2013 | 2023年4月11日 | サポート期間内は条件付きで可能 |
Office 2016 | 2025年10月14日 | サポート期間内は条件付きで可能 |
Office 2019 | 2025年10月14日 | 不可 |
Office 2021 | 未定 | 不可 |
- Office 2013:
サポートは2023年4月11日に終了しました。
以前は特定の条件下で譲渡が可能でしたが、現在はサポート終了に伴い、新たな譲渡は行えません。 - Office 2016:
サポートは2025年10月14日に終了予定です。
サポート期間内は、特定の条件下で譲渡が可能であるケースがありました。 - Office 2019:
2019年以降、譲渡手続きの終了が報告されており、現在は譲渡不可です。
サポートは2025年10月14日に終了予定です。 - Office 2021:
サポート終了日はまだ未定ですが、現在は譲渡不可となっています。
この表は、一般的な情報提供のみを目的としており、Microsoftの公式サポートポリシーの変更により情報が変更される可能性があります。
最新の情報については、Microsoftの公式ウェブサイトやサポート窓口に直接お問い合わせください。
4. 使っているOfficeを別のPCにインストールできる?
PC付属のOfficeは別のPCにインストールできるの?
PC付属の Officeは、基本的に「移行できない」ケースがほとんどです。
Officeのライセンスには、主に2種類あります。
PCにはじめからインストールされているOfficeは、通常「プリインストール版」です。
この版は、少し割引されているものの、別のパソコンに移行できない契約になっています。
ただし、今回の中古パソコンのように、「リフレッシュ」した機種は、新たにパッケージ版のOfficeがインストールされている場合もあります。
もし、インストールされていたOfficeがパッセージ版なら、別のパソコンに移行できます。
「リフレッシュPC(Refreshed PC)」は、展示品や企業のリース終了で返品されたパソコンを、部品の交換や修理を行って再販される製品です。
「リファービッシュ品」とも呼ばれる事もあります。
特に、Windows 7, 8 のパソコンが、Windows 10に無償アップグレードできることもあり、古いPCに新しいOSやOfficeを搭載して、販売されることが増えました。
価格が安い反面、性能がそこまで高くないので、動作が遅かったり、不安定な傾向があります。
売られている製品だから、「ちゃんとそれなりに動く」と思うよね。
よく理解しないで購入して、結局 買い直しが必要になることが多いので、注意しましょう。
4-1. パッケージ版Officeの非アクティブ化
一方、単体で購入する「パッケージ版」のOfficeは、やや割高ですが 2台までインストールできます3。
2台目なら、Microsoftアカウントにアクセスして、インストール・ライセンス認証ができます。
もし、3台目以降の場合は、不要になったPCのライセンスを「非アクティブ化」する必要があります。
自分では非アクティブ化ができない(Office 365 Solo であれば自分でMicrosoftアカウントのページから非アクティブ化できる)ので、サポート窓口でライセンス認証をします。
5. 【追記】法人向けPCのプリインストール版Officeのライセンス(2022年5月18日)
法人向けPCの場合は、メーカーによっては、プリインストール版Officeのライセンスでも、Microsoftアカウントに紐付けされない場合があるようです。
YouTube動画にコメントを頂きました。
プリインストール版Officeが「個人向け」ではなく「法人向け」であればMSアカウントの紐付けは無いようです。パソコン購入時にOfficeでこの選択をできるかどうかはPCメーカーにもよるようですが。
以前2016年ころの中古PCを買ったとき、中古PC販売会社がPC本体や付属品の写真がネットに表示してあり、Officeのパッケージの写真もあったのですが、調べて見ると明らかに「法人向け」のデザインだったので助かりました。(購入時にはこのことが分からなかったのですが購入後、この件で悩んで調べている内に分かりました。)
その後、PCの新品を買う際には「法人向け」にしました。
#42 古いPCから新しいPCにOfficeを移行できる?【ライセンス次第】 – YouTube
中小企業向けのOfficeは、セットアップの際に Office のプロダクトキーと利用した人の Microsoft アカウントが紐づけられません。
そこで、数年後に利用する人が変わっても Office のプロダクトキーだけで、再インストールできるケースがあるようです。
2019年2月以前に発売されたタイプ
法人向けプレインストール版は、Office 2016/2019 のストアアプリ版です。セットアップする際に、Microsoft アカウントを準備する必要がありません。 パソコンに付属している Office 製品のプロダクトキーが記載されたカードだけで、ライセンス認証が完了します。
2019年7月以降に発売されたタイプ
デスクトップ版 Office 2019でインストールできます。 セットアップする際にインターネット回線とMicrosoft アカウントが必要です。 しかし、法人用の場合、セットアップ後、プロダクトキーと Microsoft アカウントが紐づくことがありません。
法人用プレインストール版 Office | Microsoft 365 検証の館
セットアップ時に、Microsoft アカウントでサインインする場合もありますが、そのアカウントの「サービスとサブスクリプション」に製品ライセンスが登録されるわけではありません。
うーん。
ややこしいね。
こちらもどうぞ
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http://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/
https://chiilabo.co.jp/licenses-image/
(補足)
- 2024-02-19時点ではOffice2016の一部がサポート期限まで可能
- 情報提供を受け、加筆修正しました 2024-02-19
- ただし、例外もあります。たとえば、Office 2019の小売版は、1つのライセンスで1台のPCにのみインストールが許可されています。