「メールプライバシー保護」は、ネット広告が「追いかけてくる」のを防ぐ機能です。
しかし、一方でAppleに代理でデータ受信してもらうために、メール内へのアクセスを一部許可したことになります。
1. メールのアクセス履歴とネット広告
iPhoneのアップデート後に「メール」を開いたら、「メールプライバシー」という画面が出ました。「保護する」にした方がよいですよね?
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「メールプライバシー保護」は、通常は「オン」にするのが良いと思います。
もし、Appleの関与が気になる場合は、「保護しない」を選択します。
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メールプライバシー保護により、IPアドレスが非公開になり、メールメッセージを開いていない場合でも、リモートコンテンツがバックグラウンドでプライバシーを保護した形で読み込まれるようになります。
これにより、送信者があなたの”メール”でのアクティビティを追跡することが困難になります。
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「リモートコンテンツ」とか、「バックグラウンド」とか、どういうこと?
「保護する」と何が変わるの?
具体的に影響があるのは、主にメール広告・メールマガジンです。
例えば、ある商品に関するメール広告を閲覧すると、後でインターネット上の広告でその商品が表示される、ということがあります。
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広告が追いかけてくるみたいで、気持ち悪いよね。
ネット広告配信会社は、ウェブページを閲覧している時に少しずつデータを記録して、その人の興味を分析し、それにあった広告(パーソナライズド広告)を表示しようとしています。さらに、メールの閲覧からも興味を分析しようとしています。
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メールには、ウェブページのようにHTMLを表示することができます。見る人が、外部サイトへのリンクにアクセスしていなくても、メール内にインターネット上のデータを参照するリンクやスクリプトなどを設置しておくこと(リモートコンテンツ)で、間接的(バックグラウンド)にアクセス記録を取ることができます。
「メールプライバシー保護」は、このときに送信される IPアドレスを隠すことができる機能です。メールで広告を見ても、その広告が「追いかけて」これなくします。
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最近のiPhoneには、このパーソナライズド広告を拒否する仕組みがいくつか追加されていて、アップデートした時によく画面で表示されます。
2. 「メールプライバシー保護」のデメリットは?
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どうやって、プライバシーを保護しているの?
「メールプライバシー保護」は、簡単にいうとメール内のデータをAppleに代理でアクセスしてもらう仕組みです。ただし、今度は Apple に「受信内容を見られてしまう」ことになります。そこで、2つのサーバに分割して受信することで、プライバシーを守っています。
したがって、「保護する」のチェックは、Appleにメール内のデータアクセスを許可していることになります。
“‘メール’でのアクティビティを保護”では、ダウンロードされたすべてのリモートコンテンツは、異なる事業者によって運用される2つの個別のリレーを経由して送信されます。
1つ目の事業者は、あなたのIPアドレスを認識しますが、受信するリモートの“メール”コンテンツは認識しません。
2つ目の事業者は、あなたが受信するリモートの“メール”コンテンツを認識しますが、IPアドレスは認識せず、代わりに、一般化された識別情報を接続先に提供します。
これにより、1つの事業者にあなたとあなたが受信するリモートの“メール”コンテンツの両方を特定する情報が保持されることはありません。送信者は、あなたのプロフィールを構築するために、WebサイトやAppでのアクティビティに関連付けられる一意識別子としてあなたのIPアドレスを使用することはできません。
(中略)
これらの機能を使用することで、Appleおよびその子会社と代理業者が、上記で説明した方法で当該情報を送信、収集、保守、処理、および使用することに同意し、承諾することになります。
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もし、メール内のリモートコンテンツをAppleに送信したくない場合は、「保護しない」を選択します。
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うーん、結局 どこかにデータは送られてしまうのね💦
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