Macで Wi-Fi に接続をするときに、たまにパスワードが正しいのに、うまく接続できないことがあります。
接続を直すときに Wi-Fi のセキュリティ警告に気づきました。今回は、macOSが古いルータのセキュリティ(WPA)を非推奨にしていることを見てみます。
macOS Big Sur 11.4、MacBookAir8,1(2018)
うちのルータを見てみたら、いつの間にか2009年製でした……💦
1. パスワードが正しいのにつながらない
正しいパスワードを入力したものの、Wi-Fiに接続できないことがありました。
Wi-Fiネットワーク”〜”には、WPA2パスワードが必要です。
接続できませんでした。
Wi-Fiの設定を見てみると、Wi-Fiはオンになっているものの、ネットワークには接続されていませんでした。
問題を切り分けるために、他の端末を確認してみると、同じWi-Fi に正常に接続できています。
また、スマホのテザリング機能でアクセスポイントを作って、Macから接続を試してみましたが、これも接続できませんでした。
Mac | 他の端末 | |
このWi-Fi ネットワーク | × | ○ |
他のアクセスポイント | × | ○ |
MacのWi-Fi 接続に問題が発生しているようですね。
1-1. 再起動したらつながった…けれど…
一度、Macを再起動して、接続して直してみます。
「Wi-FiはIPアドレスが設定されていないため、インターネットに接続できません」と表示されてヒヤヒヤしましたが、少し待つとちゃんとIPアドレスが設定されました。
2. 安全性の低いセキュリティ(WPA)
ところが、メニューバーのWi-Fiの状態を見てみると、少し変なことに気づきました。
「安全性の低いセキュリティ(WPA)…」という警告が表示されています。
詳しくみてみると、Wi-Fiのセキュリティ設定が安全ではない、という表示がされました。
安全性の低いセキュリティ(WPA)
WPAは安全と見なされません。詳しい情報。
これが自分のWi-Fiネットワークの場合は、このネットワークのセキュリティタイプを、WPA2/WPA3パーソナル(AES)にするようにルーターを設定してください。
[OK]
接続しているルータは、Buffalo WHR-G301Nです。
2009年12月の販売なので、いつの間にか もう10年以上も使っていたんですね。
ルータの熱暴走も多いし、そろそろ買い換えないといけません……
BuffaloとNECを間違えて、NECのルータの歴史を調べたことがあります。
2-1. また、つながらなくなる
そうこう操作をしていると、またWi-Fiにつながらなくなりました。
どうも接続が不安定です。
再度、接続しようとすると、今度は違うメッセージが表示されました。
“〜”は以前、公開ではなくWPA2/WPA3パーソナルとして接続されました。
このネットワークに接続してもよろしいですか?
[キャンセル] [接続]
Wi-Fiネットワーク”〜”に接続できませんでした。
ワイヤレスルーターのそばに近づいてください。または”ワイヤレス診断”を実行して問題を解決してください。
[キャンセル] [診断プログラムを実行…]
2-2. 診断プログラムを実行したものの……
「診断プログラムを実行…」を押してみました。
「問題のあるWi-Fi ネットワークへの接続を試みてから、”続ける” をクリック」はあります。
もう一度、Wi-Fiの接続を試みながら、診断テストを実行してみました。
接続できていないので、これで「接続を試みた」ことになっているのか、不安です。
ルータの状況を記入したり、
ルータの機種を記入する欄がありました。
レポート作成の進捗バーが表示されました。
5分ぐらい待ってもなかなか終わらないので、途中で閉じようとしたら、できませんでした。
ともあれ、結果は「Wi-Fi未接続」。「つながっていない」という診断結果でした。
なんのこっちゃ感……。
2-3. Wi-Fi機能をオンにし直した
しかたがないので、もう一度 Wi-Fi機能を再起動してみます。
すると、先程同様の「安全性の低いセキュリティ」の警告が出つつも接続できました。
30分かかって、元の状態です。ただ、今回はすぐに途切れることなく接続できました。
2-4. ちゃんとセキュリティがあるWi-Fiの場合は?
ここで、もう一度、スマホのテザリング機能でアクセスポイントを作って、接続してみました。
今度は、ちゃんとつながります。
セキュリティに関する警告も、ありませんね。
3. 考察:Wi-Fi機能の不具合とWi-Fiセキュリティの警告
ここまでの疑問点をまとめてみます。
Wi-Fiが接続できなかった理由は、MacのWi-Fi機能に不具合があったためと考えられます。
ただ、Wi-Fiネットワークのセキュリティが、WPA2ではなく WPA であることも、エラーメッセージに関係しているようです。
3-1. WPAとは?(暗号化・認証の進化)
Wi-Fi ルータの設定すると、「WEP」とか「WPA」などの略語を目にします。
これらはWi-Fi 接続を保護する規格で、少しずつ改良されています。
厳密には、暗号化方式と認証方式という違いがありますが、基本的には「古い暗号方式は安全でない」ということを押さえておけば、大丈夫です。
3-2. macOS Big Sur から「WPA/WPA2パーソナル」は非推奨になった
macOS Big SurをインストールしたMacBookや、iOS14以降の iPhone では、これまでは、「安全なネットワーク」とされていた「WPA/WPA2パーソナル」が、「安全性の低いセキュリティ」と警告されるように変更されました。
無線の認証 | WPA/WPA2-mixed mode PSK WPA/WPA2 Personal |
無線の暗号化 | TKIP/AES mixed mode |
3-3. macOS Catalina から WPA3に対応した
macOSのWi-Fi セキュリティについては、macOS Catalina 10.15から「WPA/WPA2パーソナル」から「WPA2/WPA3パーソナル」へ既定のセキュリティ方式が変更されています。
macOS 10.15 CatalinaではWi-Fiのセキュリティ規格「WPA3」に対応し、インターネット共有接続前に確認を行うオプションが追加。 | AAPL Ch.
3-4. macOS Big SurのアップグレードとWi-Fiの不具合
一方で Wi-Fi 機能の不具合については、macOS Big Sur が公開された直後にも、いくつか報告されています。OSの大規模アップデートでは、システムが不安定になることが多くあります。
macOS Big Surのアップグレード後にWi-Fiが機能しない問題の対処方法 | 酔いどれオヤジのブログwp(2020年12月3日)
4. Wi-Fiネットワークのセキュリティ設定
ところで、エラーメッセージで「WPA2パスワード」と書いてあったのに、「WPA」と警告されたり、「WPA2/WPA3パーソナル」にルータ設定をするように推奨されたり、と微妙に違うのが気になります。
Wi-Fi 接続画面では、「WPA パスワード」や「WEP パスワード」など、認証方式が区別できるようになっています。
そこで、ネットワーク設定の詳細からWi-Fiネットワークの設定を見てみました。
今回のWi-Fiのセキュリティも、なぜか「WPA2/WPA3パーソナル」になっています。これは、接続できている状態でも変わりませんでした。
実際の Wi-Fi ネットワークのセキュリティ方式と、Wi-Fi プロファイルに記録されているセキュリティ方式は必ずしも一致しないようです。
4-1. アップデートでネットワークプロファイルが書き換わった?
過去の記事を振り返ってみると、スクリーンショットが残っていました。
同じWi-Fiネットワークで接続ができなかったのですが、1月のときは「WPAパスワードが必要です」と表記されていたんですね。OSのアップデートでプロファイルが更新されたのでしょうか?
Wi-Fi につながらない原因を、WPAのWi-Fiネットワークに、WPA2の方式でパスワード入力しているから、と予想していたのですが、違うようですね。
こちらもどうぞ。