インターネットで調べ物をしていたら、Googleの検索結果から、変なロボットの「許可」を求めるページが表示されました。
詳しく見てみると、ランダムでほかの不安を煽る広告ページや偽サイトに飛ばされる仕組みになっていました。
今回は、検索結果に含まれている、変なページに飛ばす「リダイレクト」の仕組み・手口について、見てみましょう。
調べ物でインターネットを使うだけでも、変なページが表示されることがあるのねぇ。
1. Googleの検索結果なのに別サイトに飛ばされる(リダイレクト)
Googleでエラーメッセージについて調べていると、検索結果の中に、「このアプリはお使いのデバイスに対応しなくなりました」(http://www.10collective.com.au/hybusemo91586.html)、というページがありました。
ところが、クリックしても「通知の許可」を求めるおかしなページが表示されて、目的の情報にたどり着けません。
もし、上のURLリンクを見る場合は、十分に気をつけてくださいね。
Google ChromeのURLアドレス欄を見てみると、目まぐるしく変わっていることがわかります。これを「リダイレクト」といいます。
タイミングによっては、途中のアドレスで「偽サイト」として止まったり、賞品当選画面が表示されたり、リダイレクト先は変化しました。
実際にリダイレクトされる状況を録画しました。
2. 無意味なページの自動生成(10collective.com.au)
1つ目の 10collective.com.au のアドレスは、「hybusemo91586.html」という記事ページになっています。
別のブラウザ(safari)でアクセスしてみると、リダイレクトされずにウェブページが表示されました。ところが、ちょっと様子が変です。
一番 不審な点は、文章と画像のチグハグ感です。どうも、文章はメモ帳アプリの紹介をしているのですが、画像はアプリのエラーのついてのものが貼ってあります。他のサイトの文章や画像を、機械が適当に引っ張ってきて、寄せ集めた感じです。
2-1. ウェブプログラムがワードサラダを自動生成している
このような「文法としては正しいが、意味が破綻している自動生成されたコンテンツ」のことを、「ワードサラダ(Word salad)」と言います。検索を呼び込むためだけの、意味の通らないページです。
試しに、10collective.com.auのトップページにアクセスすると、「Microsoft Azure」の「ウェブアプリ サービスが動作中」と表示されました。
Microsoft Azureは、ウェブ上のプログラムを動かすためのプラットフォームです。ウェブプログラムが、手当り次第に 他のサイトをつなぎ合わせて HTMLページを自動生成していると考えられます。
WHOIS検索で、ドメイン所有者を調べてみると、「データが取得できませんでした」。
ドメイン所有者の情報が出てこないのは、珍しい気がします。
トップレベルドメインの「.au」は、オーストラリアに割り当てられている国別コードトップレベルドメインです。
所有者不明の自動生成されたウェブページが、検索結果に掲載されていた。
3. 偽景品ページに誘導している(newbest-prizebox2.life)
何度もアクセスしている画面を見ていると、「newbest-prizebox2.life」のページで、ロード画面が表示され、そこからリダイレクト先が分岐していることがわかりました。
Loading…
Please wait. This won’t take long.
(ロード中…。少々、お待ち下さい。)
「prize box(景品箱)」というドメイン名からは、「景品ページの抽選サイト」のように見えます。
ただ、これは偽装かもしれません。newbest-prizebox2.life のリダイレクト先は、変な景品ページだったり、通知の許可を求めるページだったり、アプリのインストールページだったり、と不審なサイトが目立つからです。
newbest-prizebox2.life のリダイレクト先には、悪質な広告ページがあるので、注意が必要です。
3-1. アプリのインストールを誘導する偽の警告も
スマートフォンからアクセスすると、アプリのページや偽の警告をするページなど、別の結果が表示されました。
一例ですが、「Total Cleaner Lite」、「VeePN」というアプリのページが表示されました。
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このような偽警告を真に受けて、アプリをインストールすると、不要な広告が表示されたり、最悪の場合はウイルスアプリに感染してしまいます。
以前にも、不要なメモリークリーンアプリをアンインストールしたことがあります。
4. 検索から偽サイトへ誘導する仕組み
ここまでの話を整理してみると、いろんな悪質なウェブサイトがつながって、騙すページに誘導していることがわかります。
検索エンジンは、なるべく有益な情報を上位に挙げるように、改良を重ねられています。しかし、まだまだ、偽情報がたくさん紛れ込んでいます。
インターネット検索は、注意しながら利用しましょう。
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