「ニュースのななめ読み」ということで、今回は「サブスクリプション(定額課金)」と「従量課金」いうキーワードで興味深い記事を見つけました。
1. 見直される「使用量に基づいた価格モデル」
フォーブスの記事(原文:2021-05-08、邦訳:2021-05-14)です。
10年ほど前から、サブスクリプション型の価格設定手法(subscription pricing)が広く採用されるようになった。……
だがここ数年、こうした風潮に変化がみられる。急成長を遂げるテック系企業のあいだで、サブスクリプション方式を避ける動きが出ているのだ。…… こうした企業はサブスクリプションに代わり、もっぱら使用量に基づいた価格モデル(usage-based models)を提供している。
テック系新興企業で進む「サブスクリプション課金」からの転換 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
2. サブスクリプション型はデジタルサービスに合っていた
「サブスクリプション型」というのは、月額料金を支払って、利用するサービスのことです。
例えば、Netflix は、「ドラマや映画が見放題」というサブスクリプション型の動画サービスです。
人手やモノを提供する従来のサービスは、利用するごとに費用が発生するので、「使い放題」というのは難しいです。しかし、デジタルサービスでは、一度 仕組みを構築すると、多数の人に同時にサービスを提供できるという性質があります。
サブスクリプション型では、広く浅く集金することができるため、デジタルサービスと親和性がよかったことになります。
ユーザーにとっても、便利なサービスが月数千円からの利用できて、不要になったら停止できる、というのは安心感があります。
サブスクリプションは、会員全体で企業のシステムや設備を支える仕組みといえます。
サブスクリプション型では、利用できるサービスの範囲で、料金プランがあります。
3. 利用時間の取り合い
しかし、サブスクリプション型サービスが普及すると、一人の人が何種類もサブスクリプションを利用するようになります。
月数千円も積もると大きくなりますし、あまり利用できないサービスは、「割高」になります。
サブスクリプション型のデメリットは、あまり利用しなくても料金が固定される、という点です。
一人の利用時間は最大でも一日24時間なので、サービスの間で利用時間の取り合いが起こるわけです。
ここ最近のサービスは、「ユーザー時間の取り合い」という競争になっていることがわかります。
4. 景気は変動するので固定費は重たい
企業活動では、繁忙期・閑散期や景気変動があるので、「固定費」よりは「変動費」の方が選択しやすいこともあります。
そこで、月額固定料金の硬直化した価格設定の不満に対応するかたちで、最近は、より柔軟な価格設定が広がってきています。
「使用量に基づいた価格モデル」は、単純に使用量に比例する従量課金制だけでなく、段階的な料金設定などがあります。
もともと従量課金制がメインだったものが、「サブスクリプション型」が脚光が浴び、また使用量に基づいた料金制度が見直される、というのが興味深いですね。
技術的に使用量を計測しやすくなったことが関係しています。
また、世界的に不景気になりつつあるのも、影響しているのかもしれません。
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