東京地裁の判決で、LINEに特許権侵害の賠償が命じられました。
「ふるふる機能」が、他社の特許権を侵害していたとのことです。
アプリは、たくさんの技術が集積して機能しています。もちろん、すでに特許が認められている技術を利用する場合には、ライセンス(利用許諾)を得る必要があります。
今回は、LINEの「ふるふる」機能を振り返ります。
1. 地裁判決でのLINEの特許権侵害(2021年5月19日)
2台のスマートフォンを振ることで連絡先が交換できる「ふるふる」の機能で特許権を侵害されたとして、京都市のIT企業「フューチャーアイ」がライン社に3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(佐藤達文裁判長)は19日、特許権侵害を認め、約1400万円の支払いを命じた。
2. LINEの「ふるふる」とは?
位置情報で近くのユーザーを認識して連絡先を交換する機能で、ガラケーの赤外線通信のような利用が想定されていたと思います。
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しかし、位置情報の精度が安定しないので、何度試してもうまく連絡先が交換できない、ということも多くありました。
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どちらかというと、QRコードでの「友だち追加」の方がよく使いました。
QRコードと違って、「ふるふる」は どれくらい「惜しい」かわからないのが難点でした。
3. 2020年に「ふるふる」は終了していた
もともと「ふるふる機能」は、2011年にLINEに追加され、2020年5月に終了しました。
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「ふるふる」は2011年当時は斬新な通信手段でしたが、それでも、QRコードの読取りが一般に普及した段階で廃止されることになりました。
とはいえ、そのころには訴訟になっていたということで、こういう機能のアップデート(廃止)のパターンもあるんですね。
ちなみに、「QRコード」だって、デンソーに特許・商標がある技術なんです。スマートフォンのアプリは、いろんな技術が結集して機能しています。きちんと特許料を支払って許諾を得る道もあり得たはずなんですよね。
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