iCloudの設定で「使用しているAPP」を確認してみても、どれを有効にしたらよいかわかりません。
あと、上にも下にも、リマインダーや写真があるのが気になります。
iCloudにはいろんなデータ保存の仕組みがあって複雑です。
今回は、iCloud、iCloudバックアップ、iCloud Driveの3つをしっかり区別して、どの機能をオフにすると、どこに影響するのか確かめてみましょう。
iCloud設定を見ていると同じアプリが2箇所にある

iCloudの設定を下にスライドしていくと、もう一つ「写真」の項目があるよね。よく分からんし、とりあえず両方オンにしてるよ。


「リマインダー」もそうですね。
iCloud内をくまなく見ていくと、ほかにも2箇所あるケースがありました。バックアップの中に、LINEがあります。

「バックアップするデータを選択」にも LINEアプリがあります。
iCloudの「ストレージを管理」から表示できます。

iCloud内に同じアプリが2箇所で表示される理由
「写真」は、iCloudの直下と、iCloud Driveの入れ子になっているものと、2つありました。
「LINE」は、iCloudバックアップの中と、iCloud Driveの中に、2つありました。
同じアプリが2つあるのは、「iCloudバックアップ」と「iCloud Drive」という仕組みがあるからです。

iCloudとiCloudバックアップとiCloud Driveの違い
最初にできたのが iCloud です。その後 「iCloudバックアップ」と「iCloud Drive」は追加されました。

iCloudは 標準アプリのデータ保存先を変更する
iCloudは、アプリごとにデータを預かってくれる Appleの提供しているスペースです。
iPhoneやiPad、Mac PCなどを持っている場合に重宝します。
例えば、カレンダーやメモの iCloud 機能を有効にすると、iPhoneで入力した予定やメモが、別のiPadで見ることができます。別々の端末に転記する手間を省くことができます。
iPhoneを1つしか持っていない場合でも、役に立ちます。故障や買い替えで、新しい iPhone になったときでも、そのまま同じ予定やメモを見ることができるからです。
「アプリごとにデータを預かる」というのがポイントで、アプリにiCloudへのアクセスを許可すると、そのアプリのデータ保存先が、iPhoneから iCloudに変わります。
ちょうどiCloudの中に、アプリごとの袋があるイメージです。
逆にいうと、iCloudに保存されたデータは、別のアプリで見ることはできません。
iCloudバックアップは復元のため
「iCloudバックアップ」は、iPhoneの中身の「控え」を iCloud にとっておく機能です。
トラブルがあったときには、バックアップされた状態に「復元」することができます。
ただし、バックアップの復元は、iPhoneをリセット(初期化)してからでないとできません。
もともと、iPhoneは、パソコンのiTunesソフトでバックアップを取る仕組みになっていました。
iCloudバックアップは、パソコンの代わりにインターネットのiCloudにバックアップを保存します。
iCloudバックアップがオンだと、故障のときなどにスムーズに復元できます。
ただし、バックアップデータが増えていくと、iCloudのデータ量が多くなります。

iCloudの容量が足りなくなると、バックアップは停止してしまいます。
Appleに月額料金を支払うと、データ容量を増やすことができます。
もし、ネットにデータを預けるのが不安だったり、iCloud容量を空けたいときは、オフでも大丈夫です。パソコンでバックアップしたり、iPhone買い替え時にはクイックスタート機能で復元することもできるからです。
iCloud Driveはファイルの保存・管理できる
iCloud Driveは、パソコンのようにファイル管理できるスペースです。
接続を有効すると、アプリはiCloud Driveにデータを保存できます。
iCloudは標準アプリだけしか対応していませんが、iCloud Drive では標準アプリだけでなく、そのほか一般のアプリも保存先として利用できます。
iCloud Drive自体をオフにすると、下に表示されているアプリもまとめて オフ になります。アプリ内でiCloud Driveに保存する機能が使えなくなります。

アプリによる具体的な違い
なんとなく3つの機能の違いがわかったところで、写真アプリとLINEアプリでどう使われているのか、もう少し具体的に見てみましょう。
iCloudとiCloud Driveの違い(写真アプリの場合)
写真アプリは、iCloud直下と、iCloud Driveにありました。
「iCloud」が有効だと、写真データの保存先がiPhone内だけではなく、iCloudサーバになります。
「iCloud Drive」が有効だと、写真データをiCloud Driveにファイルとして保存できるようになります。

iCloud Driveに保存された画像ファイルは、「ファイル」アプリから見ることができます。


とはいえ、iCloud Driveに保存するメリットは、あまり思い浮かびません。
iCloud Driveの接続をオフにすると、保存先がグレーになって押せなくなります。

iCloudバックアップとiCloud Driveの違い(LINEの場合)
LINEの場合は、
・iCloudバックアップと
・iCloud Driveにありました。

「iCloudバックアップ」が有効だと、初期化されたiPhoneで、バックアップしたときの状態に復元できます。
一方、「iCloud Drive」は、LINEのトークをバックアップするときに利用されます。


ん? どっちもバックアップに使うの?
2つのバックアップ方法には、微妙な違いがあります。
「iCloudバックアップ」では、LINEアプリの状態はまるごと復元されます。
初期化されたiPhoneで、Apple IDにサインインして、iCloudバックアップから復元を選択すると、LINEアプリは すでにログインした状態から操作できます。

完全にアプリが復元されるには、20分ほど時間がかかりましたが、復元された LINEアプリを開くと、すでにトーク履歴も元通りになっていました。


これまで、iCloudバックアップは、アプリのインストールだけだと思っていたんですが、アプリ内の設定も復元できるんですね!
一方、iCloud Driveを利用した「トークのバックアップ」は、LINEアプリにログインしてから、設定を操作する必要があります。
LINEが初期化してしまった場合 | パスワード入力 | 友だちリスト | トーク |
---|---|---|---|
バックアップなし | 必要 | 残る | 消える |
iCloudバックアップ | 不要 | 残る | 戻る |
LINEの「トークのバックアップ」 | 必要 | 残る | 戻る |
ただし、便利なiCloudバックアップにもデメリットがあります。LINEアプリのすべてのデータを保存するので、容量を食ってしまうのです。
通常は、LINEアプリから「トークのバックアップ」を選択した方が、必要な容量は少なくなります。
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