わからないから、家族に iPhone の契約をしてもらったんだけど、設定に家族の名前があるんだよね。
これって、自分用にしなくていいの?
夫婦や親子など、相手が「アカウント管理」に不慣れな場合、共通のApple IDを登録しようと考えるケースがありますよね。しかし、iPhone を使い始めていくと、家族の同じ Apple ID で利用すると、後からさまざまな問題が出てくるので、ちょっと注意が必要です。
1. 無意識に利用している Apple ID のサービス
iPhoneを初期設定するときに Apple ID(アップル・アイディ) というアカウントを登録をします。
「Apple ID」は、Apple社の会員登録のことで、いくつかのサービスを利用できます。
わたしは使わないから、関係ないかな
実は、iPhone では はじめから有効な設定になっています。
自分で「オフ」にしないかぎり無意識のうちに利用していることになるのです。
1-1. 支払い情報が一緒
Appleでは、アプリや音楽の販売や有料の月額サービスをしています。
そこで、Apple ID にはクレジットカードなどの支払い情報を登録します。
逆にいうと、支払い情報を「なし」にしていれば、間違って購入することもありません。
Apple ID — 支払いと送付
このお支払い方法はiTunes、iCloud、App Storeなどでご利用いただけます。
ところが、家族が支払い情報を登録していると、自分のiPhoneでも購入できてしまいます。もし、自分のiPhoneで支払い情報を変更すると、家族のiPhoneでも変わってしまいます。
1-2. 写真などのデータが「混ざる」
iPhoneには、iCloud(アイクラウド)というデータ保管サービスがあり、通常 有効になっています。
iPhoneで写真を撮影したり、カレンダーに予定を追加すると、自動的に iCloudサーバ というデータ管理センターに送信されます。
送られた写真や予定は、同じApple ID の家族のiPhoneにも送られてしまいます。
つまり、自分の登録した予定が、家族のiPhoneのカレンダーにも記入されてしまうのです。
この仕組みを「同期」といいます。
はじめは気にならないことでも、iPhoneをだんだん使っていくと、いろんなデータが共有されてしまうのは、ちょっと気持ち悪いですよね。
iCloudの機能をオフにすることもできますが、そうするとデータのバックアップができないのも不便です。
1-3. 位置情報がわかる
iCloudには、「iPhoneを探す」という機能があります。
「iPhoneを探す」をオンにしていると、定期的に管理センターに位置情報を送信するようになります。
この位置情報は、iPhoneを紛失したときに探したり、遠隔でデータを消去したりするのに使われます。
しかし、「iPhoneを探す」アプリを使うと、家族の iPhone のお互いの位置がリアルタイムで見えてしまいます。
2. 慣れてきたら Apple ID は自分のものを
慣れないうちは「わざわざ自分用の Apple ID は必要ない」と思う人も多いでしょう。
しかし、iPhone は個人で使うもの。
利用の幅が広がると 自分用の Apple ID がないと不便です。
一つの アカウント には、さまざまなサービスや機能が関連しています。
App Storeや iTunesにはクレジットカード情報が入っているので、アカウントを分ける方が安全ですし、iCloudではデータや位置情報が共有されます。
はじめはアカウントを共有した場合も、iPhoneを使う機会が増えていくタイミングで、自分のアカウントに切り替えれば大丈夫です。
自分のApple IDを作るときには、今のApple IDをiPhoneから解除する必要があります。そのときには、今 設定しているApple IDのパスワードが必要になります。
(これは、第三者に iPhone を勝手に初期化されないためのセキュリティです)
2-1. 家族でApple IDを共有するのは規約違反か?
そもそも、Apple ID を家族で共有することは 規約違反になるのでしょうか?
おそらく問題はないと思うのですが、確証がありません。
Apple IDは、基本的には「個人単位」で利用するものです。
固定電話などの契約では「個人の契約」というよりは「世帯ごとの契約」になっていることが多く、「Apple ID」でも同様に「家族の契約」として利用しがちです。
しかし、Apple メディアサービス利用規約によると、Apple ID は、基本的に個人で契約しているサービスです。
以下の利用規約は、お客様と Apple との間に締結される契約 (以下「本契約」という) です。
(中略)
本契約は、コンテンツ、App(以下に定義)、その他の App 内サービス (以下、総称して「本コンテンツ」といいます) の購入、取得、使用許諾、レンタル、購読を介したお客様による Apple のサービス (以下「本サービス」という) の利用に適用されます。
Apple メディアサービス利用規約
「お客様による Apple のサービスの利用」とあるので、契約した本人だけが、アプリなどを取得、利用できることになります。
他人にアカウントを利用させることについては、アカウント管理の責任について書かれてあるだけで、これ以外に 他人にアカウントを利用させることを、はっきり禁止する規約は見つけられませんでした。
お客様のアカウントは大切なものであり、機密性と安全性の管理はお客様の責任となります。 お客様のアカウントが不正使用され、損害を被ったとしても Apple は一切責任を負いません。
Apple メディアサービス利用規約
Apple ID には、「ファミリー共有」というシステムがあるため、家族で利用する場合には、個人用の Apple ID を作って連携することが、基本的な利用方法です。
家族が有料アプリなどを同じアカウントで利用した場合、厳密には不正に「名義を貸し」て利用していることになる恐れがあり、注意が必要です。
ちなみに、完全な他人との共同利用は よくないです。個人利用の範囲を越えるからです。
お客様は、個人的、非商用目的での使用に限って本サービスと本コンテンツを利用することができます
Apple メディアサービス利用規約
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