スマートフォンで入力していると、うまくいかないことがあります。
例えば、先日あったのが、電気や通信の切替えキャンペーンのキャッシュバック。
振込先の銀行口座の名義人の入力など、慣れないと難しいものです。
今回は、「全角カナ」と「半角カナ」について説明します。
1. 全角カナと半角カナの違い
日本語入力ならではなのですが、カタカナ(あと数字・英字も)には全角と半角の2種類の文字あります。
「全角カナ」と「半角カナ」は、見た目にそんな違いがありませんが、コンピュータの世界では区別される文字です。
ですので、銀行口座を指定するなど、正確に入力する必要がある場合は、間違った文字で入力するとエラーになってしまいます。
1-1. らくらくスマートフォンで「半角カナ」に変換する方法
らくらくスマートフォンの場合、「半角カナ」を入力するには、まず、「ひらがな」で入力します。
らくらくスマートフォンでは、かなキーを長押しして、かなを選ぶ方法がおすすめです。
その後、ソフトキーボード上部の「変換」をタッチすると、変換候補の中に、「半角カナ」の文字列が出てきます。
例えば、「タナカジロウ」と入力したいとします。
それには、まず「たなかじろう」と入力してから、「変換」ボタンをタッチします。
変換候補を眺めてみると、「田中次郎」、「タナカジロウ」などの他に、「タナカジロウ」があるわけです。
2. そもそも、カタカナ文字が2種類あるのは なぜ?
コンピュータで利用できるカタカナ文字には、「全角カナ」と「半角カナ」があります。
経緯を説明すると長くなるので少し端折りますが、まず最初にできたのは「半角カナ」です。
2-1. 「半角カナ」の誕生
英語圏から導入された初期のパソコンには、半角の英数文字・記号しか表示できませんでした。
初期のパソコンから利用される半角の英数文字・記号は、世界中のパソコンで利用できる、いわば「世界共通」の文字です。
今でもパスワードには半角英数しか利用できないのも、これが理由です。
そこで、なんとか日本語を表示するため生まれたのが「半角カナ」です。
当時のパソコンが処理できる文字の数は、256文字程度(8Bit)と少なかったので、漢字・ひらがなは諦めて、カタカナだけが追加されました。
1980年代当時のパソコンの画面をみると、半角カナが使われています。
「バンゴウ ヲ センタク シマセウ」が半角カナです。
2-2. 利用できる文字がどんどん広がった
その後、パソコンの性能が向上して、ひらがなや漢字、そのほか いろんな記号など、扱える文字が増えました。
漢字やひらがなと組み合わせるために、通常の活字サイズのカタカナ、つまり「全角カナ」もできました。
今はもっと使える文字の範囲は広がって、外国の文字や絵文字なども利用できます。
3. 今でも振込依頼で半角カナが必要なことがあります
今では、「半角カナ」で入力する機会はあまりありませんが、その珍しいケースが銀行や郵便です。
これらのシステムは歴史が古いものが多く、長く利用されています。
そのため、通帳やATMでは、今もこの「半角カナ」を目にすることがあります。
現在、ウェブサイトで銀行口座の名義人を入力する場合は、「半角カナ」を指定されるケースと、「全角カナ」を指定されるケースが混在しています。
例えば、最近でもオンラインショップAmazonで返金を依頼するときや、持続化給付金の振込先を指定するときなどで、口座名義人を「半角カナ」で入力しないといけないことがありました。
たまにしか利用しないので忘れやすいですが、区別できると戸惑わずに済みます。
文字コードの話はちょっと複雑でしたか? なんとなく理由を知ることで、思い出すきっかけになれば嬉しいです。
最後までお読みいただいて、ありがとうございます。
こちらもどうぞ。
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
http://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/
https://chiilabo.co.jp/licenses-image/