「BASIO3はAndroid 7.1.2までしかサポートされていない」ことを知って、びっくりしました。
だって、まだ発売して2年ちょい(2020年10月時点)なのに、少しずつ使えないアプリが出てきているんです。
システム・アップデートはややこしさの元です。なるべくなら更新したくない気持ちもわかります。特に、シニア向けのかんたんスマホでは、「面倒な機能を削ぎ落とす」ということが特徴になっています。
ところが、そこで削ぎ落とされてしまったことで、困ることもあるんですよね。
今回は、Androidバージョンとアップデートについて考えてみましょう。
1. BASIO 3は2018年製
BASIO 3(KYV43)は、2018年1月に発売されたスマートフォンで、今では2年前のスマートフォンです。同じシリーズの最新機種はBASIO 4(KYV47 2020年1月発売)です。(2020年10月現在)
BASIO3の利用者は、「ガラケーからスマートフォンにして1、2年ぐらいです」という方で多いです。
auと京セラのBASIO 3の製品情報
auと京セラのBASIO 4の製品情報
2. Androidはだいたい毎年バージョンアップする
BASIO3の基本システム(OS)は、Android です。
このAndroidは、不定期の小規模な更新と、だいたい1年毎の大きなバージョン・アップがあります。
発売時のBASIO 3のシステムは、Android 7.1でした。
2-1. 一つ前のシステム
ここで、Androidシステムの更新の公開時期を、ちょっと簡単にまとめてみます。
バージョン | リリース |
Android 7.0 | 2016年8月 |
Android 8.0 | 2017年8月 |
Android 9 | 2018年8月 |
Android 10 | 2019年9月 |
Android 11 | 2020年9月 |
あれ? BASIOは2018年1月に発売されたのよね。
それなら最新バージョンは、Android 8 だね。
そうなんです。BASIOは、Android 8が発表されている時期に発売されたのに、Android 7.1(2016年10月公開)が組み込まれていたんです。
詳しくはWikipediaをご参照ください
2-2. BASIO 3がAndroid 7.1で発売された理由
実は、これには仕方がない理由があります。
Androidの開発元であるGoogleが新しいバージョンを発表しても、メーカーはすぐには対応できません。スマートフォンを設計・製造するには時間がかかるからです。
したがって、新しく販売されるスマートフォンも、設計されていた時の少し古いAndroidシステムになるものです。
2-3. BASIO 3がAndroid 8に上げられない理由
ただし、Androidスマートフォンは、購入後でもシステムをアップデートすることができます。
Android 7.1でスタートしたBASIO 3にも、「Android 8にアップデートできるかな?」というタイミングがありました。
それは、2017年10月11日と2018年1月9日の2回。
auから「Android 8.0へのOSアップデート予定製品」が発表されているからです。
現在はauのサイトにないので、ウェブアーカイブです。
同時期に発売されたスマートフォンは、最新のAndroid 8.0へのアップデートが提供されました。例えば、同じ2018年春モデルのTORQUE G03などは、Android 8.1までサポートされています。
ところが、ここにBASIO 3が入らなかったんですよね。
公式には、バージョンアップが提供されない理由は発表されていません。
通常は、バージョンアップが提供されない場合、スマートフォンの性能自体が足りない、というのが理由です。
しかし、BASIO3は同時期のほかのスマートフォンに比べても、そこまで見劣りしない性能です。
どうも、バージョンアップによってかえって利用者が使いにくくなってしまうことを避けた、のではないか、と考えられます。
というのも、BASIOはスマートフォンが苦手なシニア向けの機種です。これまで使っていた画面がいきなり変わると、戸惑ってしまうことが予想されます。
3. バージョンアップされないことの不利益
しかし、Androidのバージョンアップが「提供されない」ことで、最新の状態にアップデートしたい人もできなくなってしまいました。
「アプリをインストールしようとしてうまくいかない」という相談があって、調べてみると「Androidのバージョンが古い」となってしまうケースがあります。
BASIO 3のAndroidバージョンがそのままでも、世の中のアプリはどんどんアップデートされていきます。
2020年現在、Android 7は少しずつアプリの提供対象外になってきています。
例えば、「日経AR」や「ツイキャス」など、たびたび出くわします。
シニアの方に対して、アップデートの変化から「守ろう」という発想はわかります。
しかし、せっかくスマートフォンにして、しかも長く使いたいシニアの方にとって、使いたいアプリが利用できないのは残念ですよね。
購入したのはまだ2年前なのに、「もう古いからアプリができない」と表示されるのは、なんか納得できない気もします。
シニア向けスマートフォンだからこそ、長く愛用できる機種であってほしいな、と思いました。
3-1. スマートフォンのユニバーサルデザイン
教室で生徒さんと接していると「はじめはスマートフォンが苦手」でも、長く使っていると、ちょっとずつ興味の世界が広がることに気付かされます。
なんでも「触らせなく隔てる」のではなく、少しずつできることを増やしていける方が、誰にとっても優しい設計(ユニバーサルデザイン)になりますよね。
BASIOにアプリをインストールしたくて、結局できなかったんですが、ひとまず理由がわかって すっきりしました。
一般のスマートフォンでも設定で文字を大きくしたり、使いやすくできます。もしかすると、ムリにシニア向けスマートフォンを選ばずともよいのかもしれませんね。
スマートフォンと付き合う一助になれば、嬉しいです。
こちらもどうぞ。
アプリがインストールできないことはBASIO以外でも。
「シニア向け」がかえって使いにくいケースも。