スマートフォンを使うなら「フリック入力」を練習するのが、オススメです。
ポチポチと連打する入力方法を「ケータイ打ち」。
スッスッと指で払うように入力する方法を「フリック入力」といいます。
余談ですが「フリック(flick)」というのは、「はね飛ばす」という意味です。
お習字の「払い」をイメージしてみてください。
そういうと質問があるのが…
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今までの入力方法じゃいけませんか?
という不安そうな声。
なるべくなら、わざわざ「新しいこと」を覚えるのは避けたい。
そんな気持ちはよくわかります。
きっと、これまでにケータイに慣れている人は 「ケータイ打ち」 に馴染みがあると思いますが、ここはぜひ「フリック入力」に挑戦してみてほしい、そんな理由をご説明します。
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もちろん、「ケータイ打ち」でも大丈夫ですよ!
でも、「指先の体操」と思って、少しずつ練習してみてほしいです。
1. フリック入力の利点は?
フリック入力の利点は「手早く・ストレスなく入力できる」からです。
文字ごとに打つ回数が変わる「ケータイ打ち」に比べ、
フリック入力は少ない回数で入力できます。
回数の少なさ以上に重要なのが、テンポです。
常に一文字ひとフリックというおんなじテンポなので、文字を打つときに一定のリズムで打てます。
これがとても頭にすっきりするんです。
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入力するときに「待たされる」感じがありません。
一方、「ケータイ打ち」だと、タンタンタンタン、とドアを何度もノックするような「待たされ感」があります。
気持ちは次の文字に進みたいんですよね。
1-1. 伝える「もどかしさ」というバリア
そうはいっても、
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別に速く打てなくてもいいよー
という声があるのも事実。
でも、「ストレスなく入力」できる、って大切です。
「透明文字盤」ってご存知ですか。
病気や障害などで、口頭や筆談によるコミュニケーションが取りづらくなったときの意思疎通の手段の一つです。
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参考・画像引用:透明文字盤の利用について: 仙台市重度障害者コミュニケーション支援センター
実は、私も「透明文字盤」を使って、入院中の家族とコミュニケーションしたことがあります。
会話ができない状態で、この「透明文字盤」を使うことになりました。
はじめて文字盤で会話したのは「あ・つ・い」。
この3文字だけでも、ものすごく時間がかかりました。
というのも、やったことのある人はおわかりだと思いますが、
- ほんとに「つ」でいいのかな?
- 「て」じゃないかな?
- 次の文字に進んでいいのかな?
など一文字一文字、合っているのか迷いながら確認していくからです。
「合っている?」って聞いても、その目線を見ることしかできませんでした。
無事に回復してからその時のことを家族に聞くと、「発熱で苦しくて喉が乾いていた」そうです。
なんとか伝えられたことの有り難さと同時に、一文字一文字でしか意図が伝えられないというのは、本当にもどかしかったそうです。
その「もどかしさ」が いわば バリアになって、伝える内容は少しでも短い分になるように真剣に考えないといけないし、「ちょっとしたこと」なら 伝えるのを諦めることもあったそうです。
「伝えられない・伝えきれない」という心の内を垣間見る経験でした。
1-2. 「たわいもないこと」で使えてこそ身近なものになる
実は、スマホで入力に時間がかかるのも、これに似ている面があるんじゃないかな、と思うのです。
入力に時間がかかったり、ストレスがあると、「ちょっとしたこと」でスマホを使いたいとは思えないのも無理はありません。
「どうしても必要なときは使うけど、若い人のようにちょっとしたことには使えない」
そういう声をよく聞きます。
結果として、スマートフォンを利用する場面が少なくなるので、なかなか慣れていきません。
「テレビで聞いた「5Gサービス」って何かな?」とか、「近所の郵便局は今日は何時までの営業かな」のような、「たわいもないこと」で使えてこそ、スマートフォンは活きてきます。
たまにしか乗らなければ車の運転も怖いですよね。
スマートフォンで何か買い物するのが怖いのも、ふだんからあまり使っていないからなんではないでしょうか?
では、その第一歩を止めているバリアは何でしょう?
やっぱり「入力」なんです。
たかが入力、されど入力。
2. どうして高校生は入力が速い?
高校生が入力が速いのは、「若いから」ばかりでもありません。
好きな子とメッセージしようと必死になって打つからです。
ゲームに夢中になって操作しているからです。
親としてはちょっと心配なときもありますが、とにかく知らずしらずのうちに練習しています。
練習量がすごいんです(*^^*)
大人になると、なかなかそうも言ってられません。
でも、少しの練習でグッと上達します。
要はパターンを身体で覚えることです。
漢字の自分の名前、すぐに書けますよね。
いちいち、一画一画思い出しながら書く必要はありません。
たくさん言葉を入力してスマホの入力に慣れると、一文字一文字思い出さなくても、入力できます。
2-1. どうやってフリックを練習する(フリックラーニング)
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えー、最近忘れっぽくなったし自分には無理だよ
これは指先が覚えるものなので、回数を重ねれば何歳からでも大丈夫。
ちなみに教室でオススメしているのか「フリックラーニング」というアプリ。
「無料アプリ」ですが、とてもシンプルで丁寧。
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画面に出てくる単語を1分間順番に入力していくだけ。
別に誰かと競わなくてもいいんです。
すこしずつ慣れていくのが実感できます。

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私も移動中の時間を活用して、スマートフォンでメールなどまとまった文章が書きたいと思って、このアプリで練習しました。
慣れていない状態から ちょっと練習するだけで、けっこうスムーズになるものですよ。
教室で入力練習の時間を取らなくても、家で好きなタイミングで1分ずつ練習できるので、とても好評です♪
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
