- 文書をWordで書くケースは多いですが、機能が多すぎたり立ち上がりが遅かったり、逆に使いにくいと感じることもありませんか。
- この記事では、文書作成をスムーズに進めるためのMarkdown記法とエディタについて解説します。
1. Wordで文書を作るときに感じる不満
あなたは長い文章を書くときに何のソフトを使っていますか。
多くの人はビジネス文書の作成に Word を使っているのではないでしょうか。
しかし、Wordは長い文章を書くのにあまり効率的でないと感じることはありませんか?
1-1. 起動に時間がかかる
まず、Wordは起動が遅く、文章を入力し始めるまでに待たされます。
これでは、せっかく生まれたアイディアが薄れ、やる気もそがれてしまいます。
また、文章が長くなったり、たくさん図・画像を挿入していくと動きがもたつき、最悪データを保存できずに止まってしまうこともあります。
1-2. 自由度の反面デザインがばらつく
しかし、Wordには起動の遅さ以上に文書作成に適していない性質があります。
それは文字の大きさや色などの書体を自由に設定できる反面、デザインがばらつきやすいこと。
長い文章になると、見た目を揃えるために気を遣わなければならないのです。
2. テキストエディタとワードプロセッサ
それでは何を使うのがよいのでしょう。
1つの選択肢は、テキストエディタです。
Word は、文章の内容だけではなく、文字を太くしたり大きくしたりといった装飾や書体を決めることができます。
これを「ワードプロセッサ」と言います。
一方、テキストエディタは、純粋に文章の内容(テキスト)だけを編集するためのソフトウェアです。
一番よく普及しているエディタは「メモ帳」です。
しかし、それ以外にも快適なエディタがいくつかあります。
テキストエディタは装飾機能を省いているため、軽量で快適に動作します。
3. 書体から構造へ
しかし、文章内容だけだと「どこが大事で、どこを目立たせる必要があるのか」という構造がわかりにくくなるのも事実です。
ただし、文書構造は必ずしも、いちいち書体によって指定する方法だけではありません。
現在の文書は、紙に印刷するだけでなく、PDFやウェブページなどパソコンやスマホでそのまま閲覧することも増えました。
公開した文書は、画面の大きさなど人によって異なる様々なコンピュータ環境で読まれることになります。
したがって、誰もが情報を共有できるようにするために、環境に依存する文字の指定方法ではなく、「見出し」という意味上の位置づけだけを示し、ソフトウェアが読者の環境に合わせて表示する方法が考えられました。
こういう文章構造のマークがあれば、たとえば目が不自由な人は音声合成ソフトで「見出し部分はゆっくり読む」などと設定することが可能になります。
また、「見出しだけを集めて文章の目次を作る」などといったこともスムーズになります。
4. マークダウン記法とHTML
文章の構造を指示する記法としては、HTML(HyperText Markup Language:ハイパーテキスト マークアップ言語) が有名です。
HTMLは、ウェブページを作成するために開発された言語で、どれが見出しでどれが重要な語句か(つまり文書の構造)、引用や参照・リンクを示すことができます。
しかし、 HTML は、「タグ」という<>に囲まれたキーワードで構造を示すので、入力するのも解読するのも人間には手間です。
そこで生まれたのが Markdown (マークダウン)という独自の技法です。
Markdown では#や*といった記号を使って、文章をの構造を記述し、最終的にソフトウェアで整形・変換して出力します。
これは非常に手軽に綺麗な文章を仕上げることができます。
データファイルは 「.md」という拡張子ですが、ただのプレーンテキストファイルなので軽量で、機械的な処理(差分の抽出や検索など)がしやすいです。
4-1. 主なMarkdown記法
文章の構造としてよく使われるのは以下の要素です。まずは、これだけ使うだけでも文章が見やすくなります。
- 見出し
- 強調(斜体・太字・取消線)
- リスト(箇条書き・段落番号)
- 画像・ハイパーリンク・引用文
5. MarkDownエディタ「Typora」
Markdownエディタはいくつかありますが、ここではTypora(ティポラ)をお勧めしたいと思います。
Typoraの良いところは Markdown をシームレスに読み書きできることです。
◆ 執筆時はフリーソフトでしたが、現在(2021年12月17日)は有料化されています。でも、オススメです。
多くのエディタでは実際の表示されるプレビューを確認するには、Markdownで入力した後にモードを切り替える必要があります。
それに対してTyporaでは、入力したコードがすぐに表示に反映されます。
また、段落や書式の設定するのに、Markdown記法で入力するだけでなく、ワードプロセッサのように範囲を指定した編集も利用できます。
もちろん、通常のエディタのように「ソースコード表示」にすることもできます。
その他にも、見出しにジャンプできる「アウトライン」の表示や、「文字数のカウント」、 PDF・HTML・ワード文書などほかのファイルへの「エクスポート」もできます。
個人的には、自分の好きな色合いで作業することができる「カラーテーマ」が役に立っています。
私は目が疲れないように、テーマから「Night(背景が黒)」を使っています。
6. まとめ
- 現在の文書は印刷以外に様々なデバイスで閲覧されます。
- そのためにスクリーンのサイズに依存しない、レスポンシブなデザインに対応していくことが大事になります。
- Wordは細かな印刷レイアウトを設定できる反面、その自由度が逆に編集の作業量・データ量を増やしてしまいます。
Markdownはレイアウトよりも文章構造に集中できるため、作業効率が上がります。
ぜひ、試してみてください。
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